「フィジビリティ」の意味とは?使い方・例文もあわせて解説

ビジネスシーンで見聞きすることの多い言葉「フィジビリティ」。主に「実現できるかどうかの可能性」といういうような意味で使われますが、正しい意味や使い方をしっかり把握していますか?

ここでは「フィジビリティ」の英語と意味、使い方と例文、またフィジビリティスタディについて解説させていただきます。

「フィジビリティ」とは?

「フィジビリティ」の意味は”実現可能性・実行可能性”

「フィジビリティ」の意味は、“実現可能性・実行可能性・実現見込み”のことです。開発事業や事業計画など、新しい試みにチャレンジする際、実際に目標とするゴールに到達できるかなどを検証する必要があります。企画や投資などのプロジェクトを成功へと導くために検討必要な要素が「フィージビリティ」つまり「実用可能性」「実行可能性」です。

「フィージビリティ」は出資者を納得させる重要な鍵

「フィージビリティ」は新規事業や投資などにおいて、出資者に納得してもらうための重要な項目の一つです。いくら将来性のある魅力的な話でも、「フィジビリティ」が低ければ、実際に資金を提供する出資者やスポンサーは納得しません。そこで重要な鍵となるのが「フィージビリティ」です。

「フィジビリティ」の英語表記は”feasibility”

「フィジビリティ」の英語表記は「feasibility」です。「feasibility」は「実現可能な」「適した」という意味を持つ形容詞「feasible」の名詞形となります。

英語での発音が「フィージビリティ」となるため、場合によってはそのように書く場合もありますが、「フィジビリティ」も「フィージビリティ」も同じ意味です。

「フィジビリティ」の使い方の注意点と例文とは?

「フィジビリティ」と「トラスティ」を混同させない

「フィジビリティ」は外資系企業で頻繁に使われるビジネス用語ですが、近年、純日本企業でも使われるようになりました。「フィジビリティ」は「実現可能性」や「実現見込み」という意味を持ちますが、似たようなニュアンスを持つ言葉「トラスティ(trusty)=信用できる」とは、意味や使い方が異なります。

「トラスティ」は「信用することができる」という意味であるため、場合によっては事業成果や利益が「保障された」「約束された」と誤解を与えてしまうことあります。プレゼンテーションなどで多くの出資者やスポンサーを募る時、「フィジビリティ」を「トラスティ」と混同し、相手に誤解を与えないように気をつけましょう。

「フィジビリティ」を使った例文

「フィジビリティ」を使った例文をご紹介しましょう。

  • フィジビリティが高いので、A社への投資を決めた。
  • スポンサーを多く得るためには、フィジビリティの高さをアピールしていこう。
  • 新規事業を実行する前に、フィジビリティを検討する必要がある。

「フィジビリティスタディ」とは?

「フィジビリティスタディ」とは”プロジェクトの実現性を熟考すること”

「フィジビリティスタディ(feasibility study)」は、企業や組織で計画する事業やプランについて、実際的に「実現が可能であるか」を熟考し、検討することを意味します。

「フィジビリティスタディ」は、企業が実際に計画を実行する前に行われる、いわば「検討会議」のことです。また、「フィジビリティスタディ」は「実現性可能性調査」と訳すことが多く、省略して「F/S」「FS」などと表記されます。

「フィジビリティスタディ」の評価項目を明確にすることが大切

企業によって日々さまざまなアイデアや新規事業が展開されていますが、これらの計画が全て利益やなど目標達成など「ポジティブな結果」につながるとは限りません。つまり、事業計画や投資などのアイデアが、実際的身を生むのか、利益や得をもたらすものなのかを検討しなければ、結果的に負の結果を作ってしまうことになる可能性があります。そこで導入したいのが「フィジビリティスタディ」です。

「フィジビリティスタディ」で大切なことは、計画やプランニングなどの評価項目を明確にしておくことです。計画を実行した際に周囲に与える影響、受ける影響、ライバルとの競争における優位性の持続力、また資金調達、従業員管理、経営管理などの経営資源が充足するかどうか、などが挙げられます。

もちろん、業界や市場の動向、法律や制度における規制、社会環境や経済動向、メリットやデメリットも視野に入れる必要があります。これらを含め、多数の評価項目について明確にし、実行可能性がどれくらいあるかの調査を進めていきます。

「リスクを取ってもメリットが得られるか」も考える

「フィジビリティスタディ」では、計画を実行する時の「リスク」についても、検討する必要があります。しかし、仮に「リスク」があっても「リスクをとることでメリットを得る」場合もあります。

「フィジビリティスタディ」では、長い期間において、リスクをとっても結果的に利益や見返りが期待できるかどうかについても検討していきます。そして、リスクを取ってもメリットが得られると判断された場合は、計画を実行していくことがあります。

まとめ

「フィジビリティ」は英語の「feasibility」のことで、「実行可能性」「実現可能性」という意味を持つ言葉です。「フィジビリティ」はビジネス用語の一つで、企業や組織が新しい試みを始める時に、果たして目的に到達することができるのか、実際に利益は得られるのかといった「可能性」を意味する時に使われます。

「フィジビリティ」は何か新しいことをする時に踏んでおきたい項目の一つです。素晴らしい計画や魅力的な戦略でも、実際的には「実行が難しい」「実現する可能性が低い」こともあります。市場動向やライバルとの競争力、経営資源の充足力などを検討しながら、「フィージビリティ」の確認をしていきましょう。