「CMS」とは複数の意味を持つ略語。ビジネスの場面においては、「ウェブサイトを管理・更新するシステム」を意味するIT用語として使われる場合が多いと言えるでしょう。今回は「CMS」と言う言葉の業界ごとの意味を解説。またウェブサイトにおける「CMS」について、選ぶ場合の比較ポイントと代表的な「wordpress」の概要を紹介します。
「CMS」の意味とは?
ITでの「CMS」の意味は”ホームページの管理・更新システム”
IT用語しての「CMS」の意味は、“ウェブサイト(ホームページ)を管理・更新するためのシステムのこと”です。英語の「Contents Management System」の、それぞれの頭文字をとった略語です。カタカナ語の「コンテンツマネジメントシステム」を使う場合もありますが、ビジネスの現場においては「CMS」の言葉が使われています。
「CMS」の特徴は、HTMLなど専門的な知識がなくても、ウェブサイトの制作や更新が行えることにあります。ウェブにおける「CMS」については、後ほど詳しくご紹介します。
金融での「CMS」の意味は”キャッシュマネジメントサービス”
金融業界における「CMS」の意味は、“キャッシュマネジメントサービス”のことです。英語「cash management system」のそれぞれの言葉の頭文字をとった略語です。
「キャッシュマネジメントサービス」とは、資金の管理や効率化、リスクの回避などを目的にmufg(三菱UFJ)や三井住友などの各銀行が提供するサービスです。グローバルに事業を展開する企業に向けた海外向けのCMSと、国内における事業用の国内向けCMSがあります。
サービスでは「コールセンター」が使用するシステムの意味
「CMS」の意味は、“コールセンターなどで使われるシステム”を指します。「Call Management System」(コールマネージメントシステム)を省略した言葉で、サービス業界の用語としても使われています。
「CMS」は、電話の入電状況を始め対応の内容や対応完了の数などを、集計し把握するためのシステムです。いま現在の状況をリアルタイムで把握することはもちろん、分析により入電の予測や対応を行うことができます。
その他の「CMS」の意味
業種を選ばずビジネスの場面において使われることが多いのは、IT用語としての「CMS」であると言えます。先に紹介した3つの意味以外にも、「CMS」は以下の言葉の略語としても使われています。
- Camera Monitoring System(カメラモニタリングシステム)
- Collision Migigation Brake System(追突を軽減するためのブレーキシステム)
- Compact Muon Solenoid(μ粒子と呼ばれる素粒子を観察するために用いられる粒子検出器)
ウェブサイトにおける「CMS」のメリットとは?
HTMLなどの専門知識がなくても更新が可能
ウェブサイトにおける「CMS」のメリットは、専門知識がない人でも更新を行うことができること。「CMS」がない場合は、ひとつひとつのページを、HTMLやphpなどの言語を使った「コーディング」と呼ばれる作業を、手で行うことになります。
「CMS」の導入・構築作業は専門知識が必要となりますが、作成や更新を行う場合は、テキストや画像データの流し込みなど、専門的な知識がない場合も可能な作業となります。
時間・コストの短縮や品質の担保も可能
ウェブサイトの制作において「CMS」を使用すると、時間やコストの短縮のみならず、一定の品質の担保も可能となります。「CMS」の基本的な使い方は、あらかじめページのレイアウトを「テンプレート」として登録し、テキストや画像の流し込みを行ってページを作成します。見出しや表などページにおける装飾も、あらかじめ登録したデザインを選択して適用します。
「CMS」を使用しない場合は、紙のガイドラインなどに基づき、製作者が手作業でページを作成します。したがって時間やコストがかかり、デザインの不統一や品質のムラなども発生する可能性があります。
ウェブサイト用「CMS」の選び方と種類・おすすめとは?
目的とウェブサイトの規模を考慮して比較する
現在「CMS」には、様々なタイプがあります。選ぶ場合には、ウェブサイトの目的と規模に加えて、誰が使うのか・どのように使うかなど実際の使い方をイメージして比較するのがよいでしょう。
CMSの種類は大きく分けると、「パッケージタイプ」「オープンタイプ」の2種類があります。それぞれのタイプにおけるメリット・デメリットを、この後詳しくご紹介します。
パッケージタイプの「CMS」の特徴
「パッケージタイプ」の「CMS」のメリットは多彩な機能です。ウェブサイトの作成や更新だけでなく、CRMなどビジネスツールとの連携が可能なタイプも。大規模サイトに必須の承認フローの設定や、グローバルに事業を展開する企業にとってメリットとなる多言語対応の機能など、多彩な機能があります。
パッケージタイプのデメリットは、導入の初期費用や運用開始後のライセンスなど、オープンソースに比べるとコストがかかる場合が多くなることです。したがって、ウェブサイトの運用を想定し、本当に必要な機能かを考えることが大切です。パッケージタイプの代表的な「CMS」には、「Adobe Experiment Manager」や「SiteCore」などがあります。
オープンソースタイプの「CMS」の特徴
「オープンソース」とは、「無料で公開されているソース」のこと。「オープンソース」を利用し・カスタマイズを行うことで、「CMS」を構築します。したがって、「CMS」の構築費用と運用費用を抑えると言うコストメリットがあります。しかし、マニュアルやバグへの対応など開発元のサポートを受けることが難しいと言う点を、あらかじめ承知しておくことが必要です。オープンソースタイプの代表的な「CMS」は、次にご紹介する「worpress」や「Drupal」「Movable Type」などがあります。
「Wordpress」は世界的にシェアが高く人気
「WordPress」は、2019年現在、世界的にも圧倒的なシェアを誇る、オープンソースタイプの「CMS」。日本においても、最もシェアが高い「CMS」となります。
「WordPress」はプラグインが豊富であるため、様々なニーズのサイトへ利用することや、カスタマイズを行っていくことも可能です。また、使い易さからも人気があります。
シェアが高いため、ウェブサイトにおいて情報が充実していることもメリットです。構築や操作において不明なことがある場合にも、ウェブサイトからの検索で解決方法を発見できることも多くあります。
まとめ
「CMS」と言う言葉は、主に3つの意味を持つ略語です。業者を選ばずビジネスシーンにおいて使われることが多いのは「ウェブサイトを管理・更新するシステム」の意味。他には「金融サービス」「コールセンター」の意味も持っています。
ウェブサイトの管理・更新システムとしての「CMS」には数多くがありますが、現在は「wordpress」が世界的にも大きなシェアを占めています。