工業系の大学ではロボティクス学科を設置する大学が増えてきているように、「ロボティクス」は工学の中でも特に注目を集めている分野です。今回は「ロボティクス」の意味や注目される理由、さらにロボティクス業界の歴史や予想される今後の発展について解説します。またロボティクスの応用した使用法のひとつ「RPA」の意味や英語表現についても紹介します。
「ロボティクス」の意味とは?
「ロボティクス」の意味は”ロボットの設計・製作・制御の研究”
「ロボティクス(robotics)」とは、ロボットの設計、製作、コントロールの研究をする学問です。「ロボットテクノロジー」(略して「RT」)または「ロボット工学」とも呼ばれます。
ロボット製作には、機械を動かすためのプロセスの分析、ロボットの動作解析や設計を研究する制御工学が中心に進められます。他にもセンサー技術や機械の開発、設計、製作、運転に関する研究を行う機械工学、電気電子工学、さらにロボット制御のためのプログラム作成のための情報工学などさまざまな工学的な知識が用いられます。
ロボティクス業界の歴史と発展とは?
ロボティクス業界の2000年以降に目覚ましく発展
産業用ロボットが普及した1980年以降、ロボットが身近に感じられるようになりました。2005年ごろからはロボットが多様化されて家電としても普及するようになります。お掃除ロボットやドローンがその一例です。
2010年以降のロボットとはセンサーやコンピュータを搭載して、従来のロボットよりも複雑な作業や人の感情をとらえて対応するような高度な機能を持ち合わせています。
IoTやAIとの連携でロボット産業がさらなる発展が予想される
ロボット開発は目覚ましく、今後の展開としてロボットにAIを連携して金融関係などでの事務作業やカスタマーサービスや、医療・福祉事業で市場が広がると考えられています。
またモノとモノをつなぐインターネットと呼ばれるIoTとロボットが連携することで、ロボットと別の電子機器が連動して家電のコントロールが行われることも予想されています。自動運転システムもロボットを使用した応用例のひとつです。
ただし、こうした高性能のロボットの導入には問題もあります。市場の受け入れと、人がロボットの価値や機能を理解し使いこなせるのかという課題があるとともに、高い導入コストも懸念されています。
「RPA(Robotic Process Automation)」とは?
RPAの意味は「ロボットによる業務の自動化」
「RPA」とは“Robotic Process Automation”(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の頭文字を取り、ロボットによる業務自動化を表します。ロボットが代われないと思われていた事務業務などをロボットが処理するようになる仕組みのことを指します。
今後、RPAが活用されると思われる業界は、事務業務が多い金融業界、商社、流通、小売りや製造、不動産、自治体などが挙げられます。
RPAのメリットは効率的な業務遂行と人員削減
RPAを導入するメリットは、ロボットのため故障等がない限り働き続けることができ、同じ間違いをしないことです。また業務の効率化を図れるため、ロボットに単純な事務作業を任せて、人間は創造的な業務に集中するといった業務の分割ができます。そのため事務担当の人員削減ができるでしょう。
マーケティングにおいては、RPAにより顧客のニーズに対応した商品の割り出しを迅速に行い商品を提供するといった活用法も考えられ、利益向上につながる可能性があります。
RPAの種類
RPAはその使用目的によってどのタイプのRPAを導入するのかが決まります。RPAには「デスクトップ型RPA」「サーバ型RPA」「クラウド型RPA」の3種類がありますので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
「デスクトップ型RPA」
「デスクトップ型RPA」とは、PC内の作業にのみ従事して単純な事務作業が行えるロボットです。PC一台に一つのデスクトップ型RPAが導入されるため、個人規模での導入となり導入コストを抑えられるのが特徴です。
「クライアント型RPA」や「RDA(Robotic Desktop Automation)」とも呼ばれています。
「サーバ型RPA」
「サーバ型RPA」とはサーバ内で稼働するRPAのことで、サーバからアクセスして各PCの業務を自動化します。社内で部署の壁を越えた同業務での大規模な展開ができるだけでなく、大量データの処理にも向いています。
「クラウド型RPA」
「クラウド型RPA」とは、クラウド環境内で活用されるRPAのことです。クラウド型業務だけなのでRPAを使用できる業務が限定されるのですが、導入コストも比較的安価なので導入しやすいというメリットがあります。
「ロボティクス」の英語表現とは?
「ロボティクス」とは英語で”robotics”
ロボット工学という意味の「ロボティクス」は英語で“robotics”と書き表します。日本と同じく海外でも「ロボティクス」は注目の工学の一分野であり、ビジネスにおいては産業世ロボットや商業用ロボット、サービス向けのロボット、軍事関連のロボットなどの売り上げが業績を伸ばしています。
まとめ
「ロボティクス」とはロボット工学の意味で、ロボットの設計・製造・制御に関する学問です。産業用ロボットが1980年代に急速に普及しましたが、その後もロボティクスは発展はし続けており、現在ではAIやIoTとの連携で複雑な作業をこなせるようになることが予想されています。
「私は外国の大学でロボティクスを勉強したい」
「予想よりも急速にロボティクス産業は成長している」