就学前の子供の主な預け先には「幼稚園」と「保育園」がありますが、「幼稚園」と「保育園」では何が違うのでしょうか。今回は、「幼稚園」と「保育園」の違いを目的や費用などについて比較します。また「こども園」との違いや英語表現も紹介します。
「幼稚園」と「保育園」の違いとは?
「幼稚園」と「保育園」の違い①目的と入園年齢
「幼稚園」と「保育園」の違いは“目的と入園年齢”にあります。
「幼稚園」の目的は、就学前の子供の教育なので文部科学省が管轄です。一方、「保育園」は乳児から就学前の子供の保育なので、管轄は厚生労働省になります。
そのため「幼稚園」に入園できる子供の年齢は、自治して一人でいろいろなことができるようになる“3歳以降”になりますが、「保育園」は“0歳児から”入園できます。
「幼稚園」と「保育園」の違い②先生の資格
「幼稚園」と「保育園」の違いは“先生の資格”にもあります。「幼稚園」の先生は“幼稚園教諭免許”を、「保育園」の先生は“保育士資格”が必要です。幼稚園教諭は年齢に相応しい教育をすることができるのに対して、保育士は乳児から幼児までの保育をして、生活の基本を教えられます。
保育士資格は国家資格で一度取得すれば一生使えますが、幼稚園教諭の免許は教員免許の一種で更新期限があり、その都度更新します。
「幼稚園」と「保育園」の違い③入園条件
「幼稚園」と「保育園」は“入園条件”にも違いがあります。
幼稚園は就学前の子供を教育するという目的から、入園の適齢期の子供は入園できます。そのため専業主婦のいる家庭など育児ができる環境の過程の子供も幼稚園に入園できます。
保育園は共働きや病気などの理由で家庭で育児ができない子供を受け入れる施設なので、入園の際には育児ができない親の事情を説明しなくてはなりません。つまり保井育園は入園条件は”親の就労状態が関係”しています。
「幼稚園」と「保育園」の違い④預けられる時間
「幼稚園」と「保育園」の違いは“預けられる時間”にもあります。
幼稚園の標準の保育時間は4時間で、午前中から保昼過ぎまでが一般的です。給食は任意なので、食事は給食やお弁当などさまざまです。
保育園の保育時間は早朝7時半から18時ごろまでの8時間が標準の保育時間です。給食やおやつを出すことが義務になっています。
つまり保育園えのほうが幼稚園より預けられる時間が長いということです。
「幼稚園」と「保育園」の費用の違いとは?
保育園料は世帯年収により決まる
保育園の料金は、幼児教育無償化の恩恵を受けられない場合は、世帯年収によって各自治体が決めます。ただし無認可保育園は、一律料金として保育園が独自に料金を設定するところが多く見られます。
幼稚園は入園料がかかるが、保育園はかからないのが大半
幼稚園に入園には入園料がかかり、公立の幼稚園で1万~2万円ほど、私立では3万~10万円程度が相場です。
保育園は入園料がかからないのが大半ですが、無認可保育園などでは入園料がかかる場合があります。
通う子供の割合の特徴:就学前は幼稚園に通う子供が多い
幼稚園と保育園に通く子供の数の割合は、幼稚園の入園が許される3歳児で比べると、保育園に通く子供の方が多いのですが、4歳を過ぎると、保育園よりも幼稚園に通う子供の方が多くいます。
平成26年度の厚生労働省に報告された「保育園と幼稚園の年齢別利用者数及び割合」によると、3歳児の45%が保育園に通い、42%が幼稚園に通っています。しかし4歳児になると逆転して、4歳児の45%が保育園に、52%が幼稚園に通い、小学校に入学前にはほとんどの子供が保育園か幼稚園に通っています。
「幼稚園」と「保育園」の共通点とは?
幼稚園と保育園の無償化は2019年10月から始まる
2019年10月から始まる幼児教育無償化制度により、3歳~5歳までの幼稚園児または保育園児を持つ家庭には、月額25,700円が支給されます。
0歳~2歳までの子供で認可保育園に通っている家庭の場合には、住民税非課税の子供は保育料が無償になりますが、認可外保育園に通う子供のいる家庭は上限42,000円までの助成が受けられます。
「幼稚園」と「保育園」の園児では学力の違いは出ない
幼稚園は教育施設で、保育園は福祉施設という違いがあるものの、幼稚園の子供の方が保育園の子供よりも勉強しているとは限りません。
子供の学力の差は幼稚園と保育園の違いというよりも、園の教育方針が影響すると言われています。
幼稚園・保育園と似たイメージのある「こども園」とは?
「こども園」とは保育園と幼稚園を合わせた施設
「こども園」とは、就学前の子供の教育と保育の両方を担う施設として2006年から始まりました。管轄は内閣府で都道府県知事が認定し、正式名称は「認定こども園」です。
標準保育時間は保育園と同じ8時間で、給食も義務です。
こども園の先生の資格
こども園で働く先生の資格は保育資格のある先生は保育期間の約3歳までを、幼稚園教諭資格のある先生は3歳~5歳までの就学前の子供を担当します。また両方の資格を持っている先生もいて、そうした先生はどの子供の面倒も見られます。
こども園の入園は親の事情は関係なく0歳から
こども園は教育と保育の両方を目的にしているので、入園できるのは0歳児からです。また保育園と違い、親が共働きなどで育児ができないといった家庭の事情がなくても入園できます。
「幼稚園」と「保育園」の英語表現とは?
「幼稚園」は”kindergarten”、「保育園」は”daycare”や”preschool”
アメリカの場合、「幼稚園」は”kindergarten”と言い、就学前の義務教育の一環として5歳から入園します。小学校の1施設になっているところもあります。
1歳過ぎから3歳までの子供預けられるのが”daycare”です。3歳~4歳までのKindergartenに入園前に入園するのが”preschool”ですが、daycareとしての施設も完備しているpreschoolがあるなど、施設によって特徴に違いがあります。
まとめ
「幼稚園」と「保育園」の大きな違いは、幼稚園が教育目的であり、保育園は保育が目的という点です。そのため、幼稚園に入園できる子供の年齢は3歳からと比較的高いのに対して、保育園は乳児でも入園できます。ただし保育園に入園できる子供は育児ができない家庭が対象です。