「ホームシック」とは故郷を離れて寂しく思う気持ちのことですが、「ホームシックになるなんて子供っぽい」と思われることもあるようです。しかし、多くの大人がホームシックを経験しています。今回はホームシックの意味と英語表現に併せて、ホームシックになる原因と対処法を紹介します。
「ホームシック」の意味と語源とは?
「ホームシック」の意味は”住み慣れた家を離れて異常なまでに寂しくなること”
「ホームシック」の意味は、“住み慣れた家や故郷を離れて、異常なほどに寂しくなったり恋しくなったりする気持ち”のことです。「郷愁」や「懐郷病(かいきょうびょう)」と訳されることもあります。
「ホームシック」の語源は英語の”homesickness”
「ホームシック」の語源は、英語の”homesickness”です。「homesickness」はカタカナ読みをすれば”ホームシックネス”になりますが、カタカナ語として使われるときは語尾の「ネス」は省略されます。
「sickness」は病気のという意味の形容詞「sick」の名詞形で、ホームシックを名詞として成立させるために英語では「sick」ではなく「sickness」が用いられます。また「home」は家や家庭を意味する名詞です。
「ホームシック」の症状とは?
ホームシックの症状は「食欲不振」や「涙もろくなる」などさまざま
ホームシックの症状には、家に帰りたくない、実家に帰りたいという家に関することがあります。
生活面では、涙もろくなり、食欲不振や、その逆で過食になることがあります。ほかにも、睡眠不足ややる気がなくなる、イライラするなどが挙げられます。
行動面においては、地元の友人や家族と連絡を取る回数が増えるなどがあるでしょう。
芥川龍之介の『玄鶴山房』(1927)にも、次のような一節があり、ホームシックによって辛い精神的に陥っていることがわかります。
「パリに住んでゐるうちにだんだん烈しい懐郷病に落ちこみ」
ホームシックの期間は約一か月
ホームシックになりやすい時期は人によって違います。引越し初日の夜という人もいますし、引っ越ししてから1週間後や1か月後にホームシックになる人もいます。
傾向として、ホームシックになってから一か月くらい経てば症状が収まってくるケースが多いです。
ホームシックがひどいと「うつ病」になることもある
一人暮らしに馴染めずにホームシックにかかり、ひどくなるとうつ病、またはうつ的症状が出ることがあります。
うつ病にならないためには、日の光にあたることを心がけ生活リズムを整えます。また慣れない家事やお金の管理など一人暮らしではするべきことが増えますが、頑張りすぎないようにすることも大切です。
「ホームシック」になる原因とは?
海外留学や帰省後にホームシックになる人が多い
海外への留学や長期旅行でホームシックになる人が多く、また学生や社会人が新生活を始めたときにホームシックになりやすいです。帰省をして戻ってきたタイミングでホームシックになることもあります。
その他にも、ホームシックになる原因はたくさんあります。
- 生活の変化:居心地のいい家から不慣れな環境へと変わり、以前に住んでいた家を懐かしむようになる。
- 一人の生活に慣れていない:知らない土地に一人でいることに慣れていない。家族や故郷から離れたことがなく、知り合いがいないと不安を感じる。
- ストレス耐性が低い:新しい生活環境が引き起こすストレスに耐えられない。
- 新生活での不安や焦り:新しい生活に馴染めないことからくる不安や焦り。
- 思い込み:新しい土地での暮らしは居心地が悪いはずだと引越しをする前から思い込んでいる。または新生活が理想と違うと気づく。
- 社交的ではない性格:性格的に、社交性がなく、初対面の人と距離を取るようなタイプ。
ホームシックは男性よりも女性の方がなりやすい
ホームシックは男女問わずなるのですが、どちらかと言えば、女性の方がホームシックになりやすいと言われています。社会人などの大人もなりますので、恥ずかしいことだとは思わないほうがいいでしょう。
ホームシック克服のための対処法とは?
ホームシックになったことを自覚する
ホームシックを克服するには、まずホームシックになったことを自覚することから始めます。イライラしているとその原因は環境にあると思い、他人に当たりがちです。しかしイライラの原因がホームシックだと自覚できれば、自分に向き合い対処しようと思い始められるでしょう。
自分と向き合い前向きになる
ホームシックから抜け出したいのなら、「今」を楽しむことです。友人と会ってざっくばらんに話してみたり遊んだりする、習い事などを始めて夢中になれることを探すなど、気分転換を図れることを試してみます。そのようにして現在の自分と向き合うことで、ホームシックが自然と解消されていき、いつしか前向きになれるでしょう。
ホームシックを無理に対処しようとしない
ホームシックになったからと言って無理に対処しようとすると、かえって長引くことがあります。
ホームシックはホームシックになってから、1ヵ月もすれば解決されることが多いので、ホームシックになったら「時間が解決してくれる」と思い、やり過ごすのも対処法のひとつです。
まとめ
「ホームシック」とは住み慣れた家や故郷を離れたことから異常に寂しさが募ることです。精神的に不安定になることもあり、海外留学や長期の旅行、または新生活を始めた学生や社会人などもかかります。次第にホームシックの症状は解消されていきますので、落ち着いて対処しましょう。