「記載」とは「書類や書物に書き記すこと」を意味する熟語です。類語には「記入」「記述」が当てはまりますが、違いが分からないという方もいるのではないでしょうか?「記載」を使った例文や類語「記入」「記述」との違いも解説します。加えて、「掲載」「表記」「明記」との違いや英語表現も解説しましょう。
「記載」の意味とは?
「記載」の意味は”書き記すこと”
「記載」の意味は、“書類や書物に書き記すこと”です。生物分類学では「生物の形質を書き記すこと」という意味で使われます。
単に「書くこと」を意味するのではなく、書類や雑誌、本など形として残るものに書き記すことを意味します。
「記載」の使い方や例文とは?
「記載の通り」「記載する」のように使う
「記載」は「記載の通り」や「記載する」のような使い方をします。「記載の通り」は「書類や書物に書き記されている通りであること」を、「記載する」は「書類や書物に書き記すこと」を意味します。
・下記に記載の通り、2日間の社内研修を行います
・配布された用紙に名前と住所を記載する
・契約書を読み直したが、そのようなことは記載されていない
記載内容とは「書き記した内容」を意味する
「記載内容」とは「書類や書物に書き記した内容」を意味します。「記載内容にお間違えのないよう」や「記載内容をご確認の上」のように使いましょう。
・詳細につきましては、記載内容をご確認ください
・記載内容に誤りがありましたこと、お詫び申し上げます
「記載漏れ」は”記載が抜け落ちること”を表す
「記載」の使い方の1つが”記載漏れ(きさいもれ)”です。「記載漏れ」とは”書き記すべきものが抜け落ちていること”や”書き間違い”を意味します。書類や書物に対して、記すべきものが抜け落ちていたり、書き間違えたりした状況で使用しましょう。
・必要書類への記載漏れが見つかったため、再度提出となった
・7月14日に発行いたしました新刊にて、記載漏れがありました
「記載」を使った例文
「記載」を使った例文をご紹介しましょう。
- 必要事項を記載の上、下記住所までご送付くださいますようお願いいたします
- 住民票に記載されている内容を変更しに行く
- 差出人が無記載の状態で郵便物がとどいた
「記載」と類語との違いとは?
「記載」と「記入・記述」の違いは”どこに何を書くか”
「記載」の類語には“記入(きにゅう)”や“記述(きじゅつ)”などが当てはまります。「記載」と「記入・記述」はどれも「書く」という点では同じですが、「どこに何を書くか」が異なります。
・記載…書類や書物に書き記すこと。
・記入…特定の用紙に文字や数字を書くこと。
・記述…書き記すこと。
「記入」は文字だけでなく、数字や「○」「×」などの記号を記すことを意味します。「記載」と「記述」は同じ「書き記すこと」を意味しますが、「記載」は書き記した内容が書類や書物として残る状況で使いましょう。
「表記・明記」も「記載」と似た意味をもつ
「記載」と似た意味をもつ言葉には、「表記(ひょうき)」や「明記(めいき)」も当てはまります。「表記」は「字や記号で書くこと」を、「明記」は「はっきりと書くこと」をそれぞれ意味します。
・表記…字や記号で書くこと。
・明記…はっきりと書くこと。
どちらも「記載」と同じ「書くこと」を意味する熟語です。ただ、「記載」のように「書類や書物」という指定はありません。字や記号を使って書く状況では「表記」を、はっきりと書く状況では「明記」を使い分けましょう。
「記載」と「掲載」は意味が違う
「記載」と似た漢字の「掲載(けいさい)」という熟語。「掲載」とは”新聞や雑誌に、文章・写真をのせること”を意味します。「記載」のように「書き記す」という意味はなく、「のせる」という意味で使われるのが「掲載」です。
「記載する」と「掲載する」は表記が似ているものの、「書く」と「のせる」では意味が異なるため混同に注意しましょう。
「記載」の英語表現とは?
「記載」は英語で”Write”
「記載」の英語表現には“Write”が適しています。「Write」とは”書く”を意味する単語で、「It is written here.(ここに記載されている)」のように使います。また、「書く」のではなく、「空欄を埋めること」を表すのであれば「Fill out」を使いましょう。
「Fill out」とは”埋める・書き入れる”を意味する単語で、「I filled out an application form.(申込書に書き入れました)」のように使います。
まとめ
「記載」とは「書類や書物に書き記すこと」を意味する単語で、生物分類学では「生物の形質を記述すること」として使われます。「記載する」や「記載の通り」などの使い方をする「記載」の類語には「記入」や「記述」が当てはまります。
「書くこと」を意味する「記入」「記述」ですが、「どこに何を書くか」によって使い分けましょう。
記載(きさい)