「ぞんざい」とは「いい加減で投げやり」「乱暴で失礼」の2つを意味します。「ぞんざいな扱い」や「ぞんざいな態度」などの使い方をする「ぞんざい」の、漢字表現を知りたい方もいるでしょう。「ぞんざい」の使い方の例文と、類語・対義語も解説します。くわえて、英語表現やぞんざいに扱う人の心理も解説しましょう。
「ぞんざい」とは?
「ぞんざい」の意味は”いい加減な様子・乱暴な様子”
「ぞんざい」の意味は、“いい加減な様子・乱暴な様子”です。
- いい加減で投げやりなさま。粗略。
- 言動が乱暴で失礼なさま。不作法。
「いい加減な様子」や「乱暴な様子」を表す状況で、「ぞんざいな口調・ぞんざいな対応」のように使いましょう。頻繁に使われる言葉ではないため方言と捉える人もいますが、共通語として広く使われる言葉です。
「ぞんざい」に漢字表記はない
「ぞんざい」には漢字表記がないため、ひらがなでのみ使用されます。小説などの芸術作品では、当て字として「存在(ぞんざい)」や「粗雑(ぞんざい)」が使われることもあります。ただ、正しい漢字表記ではないため、誤解を防ぐためにも日常での使用は控えましょう。
「ぞんざい」の語源には2つの説がある
「ぞんざい」の語源には2つの説があります。1つ目は「荒っぽくていい加減」を意味する「粗雑(そざつ)」が語源となったという説です。「粗雑」の音が転じて「ぞんざい」となりました。
2つ目は「存在のまま」の「存在」が変化したという説です。「存在のまま」を「あるがまま」と訳し「自由勝手にふるまう様子」を表していましたが、意味が広がり「いい加減にするさま」を表すようになりました。
「粗雑」と「存在」の2つの説がある「ぞんざい」の語源ですが、はっきりと言い切れる説がなく、詳しいことは分かっていません。
「ぞんざい」の使い方と例文とは?
「ぞんざいに扱う」「ぞんざいな態度」のように使う
「ぞんざい」の使い方には「ぞんざいに扱う」や「ぞんざいな態度」があります。「ぞんざいに扱う」は”いい加減に扱うこと”を、「ぞんざいな態度」は”乱暴で失礼な態度”をそれぞれ意味します。
・人から預かったものをぞんざいに扱うなんて、信じられない
・そのようなぞんざいな態度で、仕事がもらえると思っていたのか?
「いけぞんざい」とは”ひどくいい加減なこと”を表す
「ぞんざい」の使い方の1つが「いけぞんざい」です。「いけぞんざい」とは”ひどくいい加減なこと”を意味する言葉で、接頭語の「いけ」を加えることにより、更にさげすむ様子を表します。「いけぞんざいな対応」や「いけぞんざいな話しぶり」のように使いましょう。
「ぞんざい」を使った例文
「ぞんざい」を使った例文をご紹介しましょう。
- 仕事に慣れてきたのか、次第とぞんざいになってきた
- ぞんざいな扱いをする人からは、はやく距離をとった方がいい
- ぞんざいな口調で話す人が苦手だ
「ぞんざい」の類語・対義語と英語表現とは?
「ぞんざい」の類語は”いい加減”
「ぞんざい」の類語には“いい加減”が当てはまります。「投げやりで丁寧でないさま」という意味が共通しており、「いい加減な仕事ぶり」や「いい加減な対応」などへ言い換えられます。
「ぞんざい」の対義語は”丁重”
「ぞんざい」の対義語には“丁重(ていちょう)”が当てはまります。「丁重」とは”礼儀ただしく、態度が丁寧なこと”を意味する言葉で、「ぞんざい」の「乱暴で失礼なさま」と反対の意味を表します。
「丁重に扱う」や「丁重に断る」のように使いましょう。
「ぞんざい」は英語で”Slipshod”や”Rude”
「ぞんざい」の英語表現に当てはまるのが“Slipshod”や“Rude”です。「Slipshod」とは”かかとのすり減った靴”を意味する英語で、転じて「いい加減・だらしないさま」を表します。
また、「Rude」は「不作法」を意味する単語で、「ぞんざい」の「乱暴で失礼なさま」を表せます。「ぞんざい」の1つ目の意味である「いい加減なさま」を表すときは「slipshod」を、2つ目の「不作法」を表すときは「Rude」を使い分けましょう。
ぞんざいな扱いをする人の心理とは?
ぞんざいに扱う人の心理は「自己中心的」
他人をぞんざいに扱う人の心理として、自己中心的であることがあげられます。自分の考えや利益ばかりで、他人への配慮をおこたるため、結果として相手をぞんざいに扱ってしまうのです。
ぞんざいな扱いへの対処法は「主張をすること」
ぞんざいな扱いへの対処法は、自分の意見をしっかりと主張することです。ぞんざいな扱いをする人は、相手がそれを受け入れていると捉えています。
嫌なことには「NO」と、場合によっては異なる意見を主張することで、思い通りにならない相手だと分からせるきっかけになります。
まとめ
「ぞんざい」とは「いい加減で投げやりなさま」や「乱暴で失礼なさま」を意味する言葉です。「ぞんざいに扱う」や「いけぞんざい」のように使い、類語には「いい加減」が当てはまります。一般的には「ぞんざい」よりも「いい加減」の方が使われるため、言い換えてみましょう。