「復命書」の意味と役割とは?書き方とテンプレート・例文も紹介

「復命書」とは企業で用いられることは少ない書類のひとつで、主に官公庁で報告書として使われています。しかし企業で提出される報告書とは趣が違い、命令書と対となるなど復命書独特の特徴があります。今回は「復命書」の意味とその役割を解説して、書き方とテンプレートも紹介します。

「復命書」の意味と役割とは?

「復命書」とは”命令書に対する報告書”

「復命書」とは、“ある事柄や職務が命令されたことを遂行した場合に報告書として作成される書類”です。事柄や職務の命令は命令書として提示されるので、復命書と命令書は一対の書類として考えられます。

復命書の内容は命令書の内容と一致するかを厳しくチェックされ、また官公庁で使用される復命書は庁外に公表されることもあるため、庁内外で通じる書類として作成されます。

「復命」とは、命令を受けて行ったことについて報告することという意味で、その内容を書類形式にしたものを「復命書」と呼びます。

復命書は主に官公庁で証拠書類として扱われる

復命書は企業で使われることもありますが、主に官公庁や学校などで使われる書類です。命令書と一対とされる書類なので、復命書は命令書によって下された事柄や職務を遂行し、その報告書として用いられます。

また復命書は単なる報告書ではなく、命令された事柄が本当に遂行されたのかを確認する書類として扱われます。証拠書類となるため、復命書は提出先の官公庁内で収められるのではなく、官公庁外の市民などにも資料として提示されることがあります。

企業では復命書よりも報告書が使われている

企業でも復命書が使われることがありますがそれほど多くなく、復命書よりは報告書の提出を求められることが多いでしょう。

報告書とは、業務内容に関する報告をするための任意の書類です。復命書との違いは、報告書は復命書のように請け負った職務は命令ではなく、あくまでも業務の一環として行った業務についての報告になります。そのため復命書の対となる命令書のような書類はありません。

「復命書」の書き方とは?

書き方①定められた書式を使う

「復命書」の書式は提出される官公庁等で定められていることが多く、慣例に則って、指定の書式や様式に沿って書くようにします。一般的には、A4サイズの用紙に12枚ほどにまとめます。

書き方②「復命書」の記載事項

復命書の記載事項は、命令を受けた行われた事柄に関することです。記載すべき事項は、次の通りです。

  • 報告年月日
  • 報告者の氏名と所属・職名
  • 行われた事柄の詳細:(例)出張先と要件、セミナーの内容と参加人数など
  • 所感や提案

復命書には、日程や行ったことの報告に加えて、所感や意見、提案などの主観の記載も求められます。今回の経験を通して、今後の実務にどのように役に立てられるかなどを数行にまとめます。個人的な単なる感想にならないために、実務と結びつけて考えてみるといいでしょう。

書き方③命令書の内容と一致させる

復命書を書くときに注意することは、復命書の内容は必ず復命書を書くことになった命令の内容と一致させることです。命令を受けて、その命令を実行したことに関する報告書が復命書なので、命令書と復命書の内容が一致していないと問題になります。

書き方④情報公開の対象となっていることを意識する

「復命書」は行政で提出される復命書は庁内だけでなく、情報公開の請求対象となる書類です。そのため復命書を書くときは、提出先である上司だけでなく、一般の市民にも読まれることを意識して書くことが大切です。命令を受けて行った事柄で得た成果が、どのように市民の生活に活かされるのかという視点を忘れないようにしましょう。

「復命書」のテンプレート・例文とは?

ここでは、民間施設を視察した際の復命書のテンプレートを紹介します。視察先の資料を基に、施設名等を正しく記載します。

テンプレートの事柄や例文は参考する程度にとどめ、ご自身の案件に照らし合わせて書き直してください。

民間施設をしたときの復命書テンプレート(所感あり)

復命書のテンプレート

復命書

提出日:令和〇〇年〇月〇日

概要:介護施設「〇〇」での介護業務の取り組み

視察日時:〇〇年〇月〇日

参加者数3

視察内容
・施設の案内
・介護プログラムの説明
・職員と施設滞在者とのコミュニケーションの取り方に関する説明

所感

介護施設の在り方は社会問題にもなっていることを受け、今回、介護施設「○○」を視察した。職員と施設滞在者とのコミュニケーションはうまく行っているという印象を受けたが、それは職員が定められた業務をこなす傍ら、滞在者への真摯な気配りと介護者としての責任によって支えられていることが分かった。

介護施設への支援策として、行政では、特に人材の育成に力を入れるべきだと思われる。

まとめ

「復命書」とは主に官公庁で用いられている報告書のことです。命令書と対になる書類で、その内容は命令書を整合性があるかどうかを厳しく確認されます。復命書の作成では、所定の用紙を用いて、記載内容を簡潔に書き記します。また所感も大切で、実務と関連づけて、今後の業務にどのような影響が考えられるのかなどの意見をわかりやすくまとめましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。