「女」という漢字を三つ揃えた言葉に「姦しい」があります。読み方はもちろん、意味においてはチンプンカンプンという人もいるのではないでしょうか？
ここでは「姦しい」の意味と読み方、使い方の例文をまとめました。また類語と対義語も紹介します。なぜ「女」「女」「女」と書くのか、語源から探っていきましょう。
「姦しい」とは？
「姦しい」の意味は”口やかましい”
「姦しい」の意味は、“口やかましい・うるさい”ことです。。ワイワイと大声を出してしゃべること、大勢の人たちが一度のぺちゃくちゃと話す様子を表します。つまり、具体的には耳を塞ぎたくなるような、騒然たる状況を「姦しい」と呼んでいます。
「姦しい」の読み方は”かしましい”
「姦しい」の読み方は“かしましい”です。音読みは「カン」で”姦臣（かんしん）・姦那（かんな）・姦智（かんち）”などのような熟語でも使われています。
「姦しい」の語源は”女たちの井戸端会議の光景”
「姦しい」は”女たちが井戸端会議でひっきりなしにしゃべくりまくる”という光景を、男性が皮肉な目線で表した言葉だと言われています。つまり、ことわざとしても知られる「女三人寄れば姦しい」のことです。
「かしましい」は”女”という漢字が三つも重なった漢字です。これは、いくら物静かで大人しい女性でも、3人集まれば、ガヤガヤとおしゃべりが止まらなくなってしまうことを表しています。
「姦しい」の意味するところは、皮肉にも大勢集まると、話すストーンが高まりボリュームも大音量になってしまうことです。一人ではなく、二人、三人、それ以上となれば、それ相当のやかましさと化してしまうことを表し、また自分を忘れおしゃべりに没頭してしまう女性の性を滑稽に示した言葉とも言えるでしょう。
「姦しい」の使い方と例文とは？
「姦しい」は男性にも使われる
「姦しい」は由来でもご紹介したように、”女三人よれば姦しい”ということわざからきた、女性が複数集まりぺちゃくちゃと座談会をする様子をユニークに表現した言葉です。しかし、「姦しい」という言葉そのものには、男性が口やかましい様子や不特定多数の人がガヤガヤとしゃべっている様子を表す時にも使われます。「姦しい」は女性限定で使われる表現ではないのです。
もちろん、女性のおしゃべりな気性を皮肉る意味で使われることが多いですが、基本的には性別関係なく使われる表現となります。また、包括的に「うるさい状況」「大音量が響くさま」を表す時にも使われますので、あわせて理解しておきましょう。
「姦しく」や「姦しさ」というようにも使われる
「姦しい」は”口やかましい”や”おしゃべりが過ぎる”という意味の形容詞となりますが、その他、「姦しく」や「姦しさ」というように、副詞や名詞的な使われ方もします。ぜひ、文脈に合わせて副詞や名詞に切り替えるようにしてみてください。
「姦しい」を使った例文
「姦しい」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- 多くのクライアントを集めた懇親会は、和やかというより姦しい雰囲気となった。
- ご近所でママさんたちが、いつものように姦しく噂話をしている。
- 極めて姦しく始まったミーティングは、何とも女性が10割を占めた。
- コンサート会場は姦しく賑わいを見せ、最高の盛り上がりを見せた。
- 彼女は機転も聞くし、頭もいい。ただ姦しさが唯一の欠点であると言えよう。
- 話好きの娘を3人を持つ母は、私たちを「かしまし三人衆」と呼んでいる。
「姦しい」の類語と対義語とは？
「姦しい」の類語は”けたたましい・五月蠅い”
「姦しい」の類語には“けたたましい・五月蠅い（うるさい）”、また“喧騒・騒然”などがあります。中でも「五月蠅い」は、大きな物音にイライラし、うんざりする様子を表す言葉です。想像以上のうるささであり、騒がしさが半端ではないいため、面倒にさえ思えるような状況を指します。
「姦しい」の対義語は”静寂・無音”
「姦しい」の対義語にあたるのは、音がなく静かな様子を意味する“静寂・無音・沈黙・物静か”などが挙げられます。その他“しんとする・ひっそり・サイレント・幽寂”なども対義語として適切でしょう。
まとめ
「姦しい」は「口やかましい」「ガヤガヤとうるさい」「大勢がしゃしゃっべっている」ことを表す言葉で、「女三人寄れば姦しい」ということわざでも知られています。
「姦しい」という表現を差別的であるという意見もあるようですが、女性の特性を表す「おしゃべり」を面白おかしくユニークに表現した言葉と捉えれば、多少の笑みもこぼれるはずです。男性目線で見た女性は話好きかもしれませんが、「姦しい」は老若男女問わず使われる言葉です。ぜひ、この漢字表記と併せて「姦しい」を使いこなしていきましょう。
