「分け隔てなく」の正しい意味と使い方は?類語と英語表現も解説

毎日の生活の中で使われる言葉に「分け隔てなく」があります。日本語は世界の中でも最も複雑な言語の一つといわれていますが、難しい言葉でも無意識のうちに言葉にしていることがほとんどですよね。今回は「分け隔てなく」の正しい意味と使い方、類語と英語表現について解説しますので参考にしてみてください。

「分け隔てなく」の正しい意味、使い方とは?

さっそく、「分け隔てなく」の正しい意味と使い方を例文を挙げながらみていきましょう。

「分け隔てなく」の意味は「平等に扱う」、「差別なく扱う」など

「分け隔てなく」の意味は、「平等に扱う」「差別なく扱う」「ものに差をつけて区別しない」です。「分け隔てがある」なら「不平等に扱う」「差別して扱う」「ものに差をつけて区別する」という逆の意味になります。

「分け隔て」の部分を見てみると、「分ける」と「隔てる」に分かれます。ある何かを分別して、そこに区切りをつけて壁を作ってしまうということです。「分け隔てなく」もともとの土台に隔てがなく、条件もなく、みんな同じようにに扱うさまを指しています。相手によって扱いを変えるべきではない教育や福祉の分野でよく使われます。

「分け隔てなく」は肯定的な文章の時に使う<例文あり>

「分け隔てなく」は平等で差別のないさまを意味するため、肯定的な文章が多いのが特徴です。「分け隔て無く」と「なく」の部分を漢字で表すこともあります。

  • 私の姉は誰にとでも分け隔てなく接する女性である
  • 勤め先の社長は社員と分け隔てなく接する
  • 両親は3人姉妹に分け隔てなく優しい
  • 彼は誰とでも分け隔てなく付き合う性格だ
  • 自己prで「私の長所は分け隔てなく接することができるところです」と答えた

「分け隔てがある」を使った例文

一方、「分け隔てがある」を使った文章場合、不平等で差別があるさまを意味するため、内容はやや否定的な文章が軸になる場合が多いです。例文を挙げてみましょう。

  • この地域では若者と長老の分け隔てがある
  • ミーティングでは分け隔てのある立場でものを発言してはいけない

「分け隔てなく」の類語・四字熟語・英語

日本でもなかなか説明が難しい「分け隔てなく」という言葉ですが、類語や同義語にはどのようなものがあるのでしょうか?英語表現と合わせて紹介します。

「分け隔てなく」の類語は「差別なく」「特別視しない」など

分け隔ての類語は「差別なく」「ひいきがない」「えこひいきしない」「特別視しない」「別扱いしない」などがあります。どの類語も同じラインにいる平等な状態や状況、及び立場であることがわかります。

「分け隔てなく」を意味する四字熟語は「一視同仁」「公平無私」など

「分け隔て」を表す四字熟語はいくつかありませす。状況によって使い方や意味が変わりますので、上手に使い分けをして下さい。よく使われる四字熟語を挙げてみます。

  • 一視同仁
  • 公平無私
  • 機会均等
  • 四民平等
  • 無私無偏 など

「分け隔てなく」の英語表現は「evenly」「even」など

英語で「分け隔てなく」を表現する時は、基本的な意味「差別なく」「平等に」「区別なく」を意味する英語を使います。普段の会話でよく登場するのは「evenly」「even」「fairly」「fair」「equally」「equal」「treat in the same way」などです。

  • I picked up same toys for your twin boys, so that it does sound even, doesn’t it?

(あなたの双子の男の子たちは同じおもちゃ買ったから、これで分け隔てないわよね?)

  • CEO answered  that women and men should be given an equal opportunity for their promotion at the workplace.

(CEOは男女とも分け隔てなく昇進の機会を与えるべきだと答えた)

「分け隔てなく」のやや固い英語表現「without discrimination」

その他に、やや硬いいい方で「without discrimination」「without prejudice」などがあります。意味は言葉通り「差別なく「偏見なく」です。人種や地位、宗教などやや風雑な状況が絡み合う場合に、比較的強いイメージを持って使われます。

  • The president insisted on how hard we should work on both white people and black people live together without any of discrimination or prejudice.

(大統領は白人と黒人が分け隔てなく(差別なく、偏見なく)社会で暮らせるように精一杯努力すべきだと述べた。)

 

「分け隔てなく」を使うとき気を付けたいことは?

最後に「分け隔てなく」を使うときに、気を付けたいこと挙げてみましょう。

状況に合わせて使うことが大切

たとえば、給食を子供たちに同じ量だけ分配した時(あくまで量について)「給食を子供たちに分け隔てなく分配した」というのはあまりピンとこないかもしれません。「給食を男女分け隔てなく同じ量だけ分配した」という場合は正しい使い方だといえますが、この場合はどちらかといえば「均等に」「同じ分だけ」などを使った方が無難です。

状況やことがらによって言葉のニュアンスが変わってくることがありますので、言葉の使い方には気を付けるようにしましょう。

まとめ

言葉は状況は環境によって使い方が異なることがありますので、間違った使い方をして恥をかかないように正しい言葉の意味や使い方を理解しておきましょう。

日頃の会話を楽しむためにも言葉の語彙を広げていくことはとても大切です。仕事を通して、また日々の生活を通して表現を豊かにしていけるように心がけていきたいですね。