「酔狂」の意味と語源とは？使い方の例文や類語・英語表現も解説

「酔狂（すいきょう）」とは「物好きなこと」「お酒に酔って落ち着きを失うこと」の2つの意味をもつ言葉です。この記事では「酔狂」の読み方や語源、「酔狂」を使った例文も解説。「酔狂」の類語や英語表現も紹介しましょう。

「酔狂」とは？

「酔狂」の意味は”物好きなこと・お酒に酔って落ち着きを失うこと”

「酔狂」の意味は、“物好きなこと・好奇心から他の人と違う行いをすること”です。他にも、「お酒に酔って落ち着きを失うこと」という意味があります。

読み方は「すいきょう」、漢字で「粋狂・酔興」とも書く

「酔狂」の読み方は“すいきょう”です。「酔狂」がもつ意味の通り”酔って狂う”と書く「酔狂」ですが、他にも「粋狂」や「酔興」という表記も使われます。「粋狂」の場合は”酒に酔って落ち着きを失う”という意味はなく、「物好き・好奇心から他の人と違う行いをする」という意味でのみ使われます。

また、「酔興」は「物好き」という意味の他に「酒に酔って楽しむこと」という意味もあるため、「酔狂」とはわずかな違いがあるのです。

「酔狂」の語源は”酒のせいで落ち着きを失うこと”

「酔狂」の語源は2つ目の意味にあります。「酔狂」は本来、”酒に酔って落ち着きを失うこと・酒のせいで乱暴になること”という意味で使われており、室町時代に成立したとされる「義経記（ぎけいき）」にも記されています。

酒のせいで落ち着きを失い、おかしな行動をとっている様子が変化して「好奇心から他の人と違う行いをする」という意味でも使われるようになりました。

「酔狂」の使い方と例文とは？

「酔狂」は主に”物好き”の意味で使われる

「酔狂」は主に”物好き・好奇心から他の人と違う行いをする”という意味で使われます。「彼は酔狂だ」や「酔狂な客」のように使うことで相手が物好きであることを表せますが、言い回しによっては失礼となるため注意しましょう。

一方で、「人助けというが酔狂でやっただけだ」のように、「あくまで自分の好奇心で助けただけなのでお礼はいらない」のような使い方もされます。

「酔狂な人」「酔狂者」のように使う

「酔狂」の使い方には”酔狂な人”や”酔狂者（すいきょうもの）”があります。どちらも「物好きな人」や「お酒に酔って落ち着きを失った人」を意味しており、「彼ほど酔狂な人はいない」や「とんだ酔狂者だ」のように使います。

「伊達や酔狂」は本気であることを表す

「酔狂」の使い方に「伊達や酔狂で○○ない」があります。「伊達や酔狂」とは”見栄っ張りや物好き”を意味しており、うしろに否定の言葉を加えることで「遊びではない」「興味本位ではない」ことを表します。

「酔狂」を使った例文

「酔狂」を使った例文をご紹介しましょう。

• 普段は酔狂な彼女だが、いざという時は頼りになるのだ
• 友人の酔狂ぶりはいつ見ても目に余るものがある
• 酔狂者の行動は全く理解できないため、そばにいて楽しい
• 昨夜の酔狂な出来事を聞かされ、当分酒を控えると誓った

「酔狂」の類語とは？

「酔狂」の類語は”物好き”や”酒乱”

「酔狂」の類語に当てはまるのが“物好き”です。「酔狂」と「物好き」は”変わったことを好む”という点で類似しており、「酔狂な人」を「物好きな人」へと言い換えることができます。

また、「酔狂」を”お酒に酔って落ち着きを失う”という意味で使う場合は、「酒乱」が類語として適しています。「酒乱」はお酒を飲みすぎて暴れたり、暴言を吐いたりする「悪癖」のような意味を含むため、人に対して使うときには失礼のないように気をつけましょう。

「酔狂」の英語表現とは？

「酔狂」は英語で”Curious”

「酔狂」の英語表現には“Curious”が適しています。「Curious」とは”物好き”を意味する単語で、「酔狂」の「変わったことを好むさま」を表せます。ただ、「Curious」には”好奇心旺盛な”という意味もあり、文脈によって意味が異なるため注意しましょう。

まとめ

「酔狂」とは”物好きなこと・お酒に酔って落ち着きを失うこと”の2つの意味をもつ言葉です。「酔狂な人」や「伊達や酔狂ではない」などの使い方があり、主に1つ目の「物好きなこと」として使われます。

「酔狂」の類語には「物好き」や「酒乱」が当てはまるため、「酔狂」が通じないと感じる状況では言い換えてみましょう。