「分不相応」の意味とは?使い方の例文と類語・対義語も解説

「分不相応」とは「ふさわしくないこと」を意味する四字熟語です。謙遜として使う言葉でもありますが、相手に使うと「あなたにはふさわしくない」と失礼な表現になってしまうため、注意が必要です。

本記事では「分不相応」の意味や読み方、使い方の例文も解説します。「分不相応」の類語・ことわざや対義語、英語表現も解説しましょう。

「分不相応」の意味と読み方とは?

「分不相応」の意味は”ふさわしくないこと”

「分不相応」の意味は、“ふさわしくないこと”です。「分相応」が”身分や能力にふさわしいこと”を意味しているため、否定をくわえた「分不相応」は”身分や能力にふさわしくないこと”を表します。

その人の持ち物や行動が「身分・能力に釣りあってない状況」や「度を超えた贅沢をする状況」で使いましょう。

「分不相応」の読み方は”ぶんふそうおう”

「分不相応」の読み方は“ぶんふそうおう”です。「不相応」は”ぶそうおう”とも読めることから、「ぶんぶそうおう」と読み間違えないよう注意しましょう。

「分不相応」は謙遜に使っていい表現か?

謙遜として使えるが、自分に対して使うことが基本

「分不相応」は謙遜として使える表現です。謙遜とはへりくだること、控えめな態度をとることです。たとえば「自分にはふさわしくない」ことであれば、「わたしには分不相応なほど立派だ」のように表します。ポイントは、自分に対して使うことです。

相手に使うと失礼になってしまうので要注意

相手に「分不相応」使う場合、失礼となるため多用は避けましょう。「分不相応」は”ふさわしくないこと”を意味するため、相手に対して「その行動や持ち物はあなたにふさわしくない」と言うことになります。

「分不相応」の使い方と例文とは?

仕事や恋愛では「身分や能力にふさわしくない」というニュアンスで

「分不相応」の使い方には「分不相応な仕事」や「分不相応な恋愛」があります。「分不相応な仕事」は”身分や能力にふさわしくない仕事”を、「分不相応な恋愛」は”身分や能力にふさわしくない恋愛”をそれぞれ意味します。

例文
  • 分不相応な仕事を任せられても困るのだ
  • たとえ分不相応な恋愛だとしても諦められない

「分不相応な家」は”ふさわしくない家”を表す

「分不相応な家」は”その人の身分や能力にふさわしくない家”を意味します。自分の給料以上の家を求め、無理をして住んでいる状況で使われます。自分へも相手へも使用できますが、失礼な言葉であるため使い方には注意しましょう。

例文
  • 自分には分不相応な家ですので、他を探します
  • 随分と分不相応な家に住んでいると噂になっていますよ

「分不相応な望みを抱いている人」とは”高望みな人”

「分不相応な望みを抱いている人」とは”高望みな人”を意味します。自分の身分や地位、能力をわきまえず、それ以上のものを望んでいる人を指します。「なんて分不相応な望みを抱いている人なんだ」のように使いましょう。

例文
  • 分不相応な大きな望みを抱いている人は嫌いだ
  • 彼ほど分不相応な望みを抱いている人はいない

「分不相応」の類語とは?

「分不相応」の類語は”身分不相応”

「分不相応」の類語には”身分不相応(みぶんふそうおう)”が当てはまります。「身分不相応」とは”役割・立場にふさわしくないこと”を意味する言葉で、「身の丈にあっていない」という点で「分不相応」と類似しています。

例文

・身分不相応な行いをしていたのだから、当然の結果だろう

・伯爵夫人にもなるお方が、身分不相応な行いですね

ことわざ「猿猴月を取る」は分不相応な人の末路のこと

ことわざの「猿猴月を取る(えんこうつきをとる)」は”分不相応なことをして失敗すること”を意味します。猿が水にうつる月を取ろうとして溺れ死んだことから、自分にふさわしくないことは災難の元になるとされているのです。

「分不相応」の対義語とは?

「分不相応」の対義語は”分相応(ぶんそうおう)”

「分不相応」の対義語には”分相応(ぶんそうおう)”が当てはまります。「分相応」とは”その人の身分・能力に釣りあっていること”を意味しており、「分不相応」と反対の意味を表します。「分相応の報酬をもらう」や「分相応な仕事」のように使いましょう。

例文

・分相応の暮らしを楽しんでいる

・いくらお金を積まれても、分相応の働きしかできない

「分不相応」の英語表現とは?

「分不相応」は英語で”Beyond one’s means”

「分不相応」の英語表現には“Beyond one’s means”が適しています。「Beyond one’s means」とは”身分不相応に・収入以上の”を意味する言葉で、自分の財力を超えたものに対して使われます。

例文

This house is beyond my means.

意味:この家は分不相応だ

まとめ

「分不相応」とは”ふさわしくないこと”を意味する四字熟語です。「持ち物や行動が、身分・能力に釣りあっていない状況」や「度を越えた贅沢をする状況」で使われ、「分不相応な仕事」「分不相応な望み」のように表します。

「分不相応」の類語には「身分不相応」が当てはまるため、言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。