日本語には日常生活で使っている言葉でも「読めない」「書けない」という言葉がたくさん存在します。中でも「邂逅」は意味や使い方を理解して文章に取り入れたい美しい言葉の一つです。
ここでは「邂逅」の読み方と意味を中心に、類語や英語表現を含めて紹介しています。ぜひ参考にしてみて下さい。
「邂逅」の意味や読み方とは?
はじめに「邂逅」の意味と読み方を説明します。
「邂逅」の意味は「偶然であうこと」
「邂逅」の意味は、「思いがけない出会い」「偶然に出会うこと」です。また、それ以上に「運命的な出会い」「運命を感じる巡り合い」というように「感動的な出会い」を意味する場合もあります。
「邂逅」の「邂」は「あう」「巡り合う」、「逅」は「出会う」「双方がばったりと出くわす」と同じような意味を持つのが特徴です。両方の漢字の意味が「出会い」や「めぐり逢い」を指しています。
「邂逅」の読み方は「かいこう」
「邂逅」の読み方は「かいこう」です。「邂逅」の「邂」は「二点しんにょう」に「解」、また「逅」は「二点しんにょう」に「后」が組み合わさった漢字となります。読み方と書き方が難しい部類の言葉ですが、これを機に覚えてしまいましょう。
「邂逅」の正しい使い方とは?
「邂逅」の正しい使い方について例文を使って解説しましょう。
「邂逅」は良い意味でも悪い意味でも使われる
「邂逅」は「偶然に出会う」や「思いがけなく巡り合う」を表現する言葉ですが、文章に用いる時は良い意味でも悪い意味でも使われます。
また、出会う対象は「人」だけではなく「芸術」「思想」なども含まれます。たとえば、素晴らしい芸術作品との出会い、また心に深く留まる思考との出会いなどです。
「邂逅」の良い意味での使い方
感動的な出会い、運命を感じる巡り合いに対しての例文です。
- 50年ぶりの邂逅に、二人は言葉が詰まる思いであった。
- 人生を変えた芸術との邂逅は、じつに大学時代のことであった。
- 二人の邂逅に皆が祝福した。
「邂逅」の悪い意味での使い方
怖い体験、二度と経験したくない出会いなどネガティブなことがらに対しての例文です。
- 恐ろしい魔物と夢で邂逅した。
- 不運な邂逅は人生のすべてを変えてしまうことだろう。
- 悪夢を描いた絵画との邂逅に震えが走った。
「邂逅」の類語表現とは?
続いて「邂逅」の類語についてみてみましょう。
類語①「久しぶりに会う」「再会を果たす」など
「邂逅」で「離れていた者同士の再会」を意味する類語は「久しぶりに会う」「再会を果たす」「導かれ合う」「巡り合う」などです。
- 学生時代の恩人と久しぶりに会った。
- 別れた恋人と十年ぶりの再会を果たした。
類語②「たまたま合う」「鉢合わせる」など
「邂逅」で「思いがけず道でばったり対面する」という意義を持つ類語は「たまたま合う」「鉢合わせる」「行きあう」「偶然お目にかかる」などがあります。
- 街角でばったり旧友と鉢合わせをした。
- 憧れていた作家の作品に偶然お目にかかった。
「邂逅」の英語表現とは?
最後に「邂逅」を使った英語表現をみてみましょう。国際交流のワンシーンで会話のスパイスとして取り入れてみて下さい。
「邂逅」は英語で「encounter」
英語で「邂逅」を意味する言葉は「encounter(エンカウンター)」です。純粋に「会う」「出会う」なら「see each other」「meet up」になりますが、「予期せぬ状況でばったりと出くわす」様子を表現するなら「encounter」を使いましょう。
ちなみに英語で「偶然」は「accidentally」「by chance」「by coincidence」「by accident」などになります。これらの言葉と「see」を組み合わせて文章を作ってもよいでしょう。
また「鉢合わせをする」の意味を持つ「bump into」や「run into」は日常的な会話で頻繁に使われます。これらを含め、状況にあわせて適切な言葉を選ぶようにして下さい。
enconter(邂逅)の例文での使い方
- Our encounter has lead us to have a life together forever.
運命的な邂逅により二人は人生を共にすることとなった。 - It must be heart touching moment if you haven’t seen somebody special for 20 years.
20年ぶりの邂逅は劇的であるにちがいない。 - The encounter with a masterpiece sometimes heal someone’s heart and soul.
素晴らしい芸術との邂逅はときに心を癒してくれるものだ。
まとめ
「邂逅」の読み方は「かいこう」で「偶然に出会うこと」「思いがけずに出会うこと」「運命的なめぐり逢い」などを意味する言葉です。良い意味でも悪い意味でも使うことができ、ともに「忘れられない出会い」を指すニュアンスがあるのが特徴でしょう。
「邂逅」で出会いの対象となるのは「人」以外に「芸術作品」「思想」などがあります。ぜひ、使い方をマスターして、社会人としての語彙力の強化にお役立て下さい。