「あしらう」とは3つの意味をもつ言葉です。漢字では「遇う・配う」のように表し、「あしらう」を使った慣用句には「鼻先であしらう」があります。この記事では「あしらう」の使い方や例文、類語の「扱う・飾る」も解説します。くわえて「あしらう」の英語表現も解説しましょう。
「あしらう」とは?
「あしらう」の意味は”相手をする・相手をいい加減に扱う・添える”
「あしらう」の意味は、“相手をする・相手をいい加減に扱う・添える”ことです。
1つ目と2つ目の意味は、どちらも人に対して使用されます。しかし、単に「相手をする」のと「いい加減に扱う」のでは意味が大きく変わってくるため、前後の文章に注意する必要があります。
また、3つ目の意味である「添える・組み合わせる」は、素材や色をうまく取り入れて主となるものを引き立てる状況で使いましょう。
「あしらう」は漢字で”遇う・配う”
「あしらう」は漢字で“遇う・配う”と表します。「遇」という漢字には”扱う・もてなす”という意味が含まれており、「配」には”組み合わせる”という意味が含まれています。「遇う・配う」はどちらも一般的な読みではないため、読み間違いに注意しましょう。
「あしらう」の使い方と例文とは?
「鼻先であしらう」は慣用句として使う
「あしらう」の使い方の1つに“鼻先であしらう”があります。「鼻先であしらう」とは”相手の話を聞こうとせず、冷淡に対応すること”を意味する慣用句です。「鼻であしらう」や「鼻の先であしらう」とも表すため、相手に冷たく対応する状況で使いましょう。
・客を鼻先であしらうとは、どういうつもりだ
・彼は助けを求める老人を、鼻先であしらうような人だ
「軽くあしらう」は”鼻先であしらう”と似た意味
「軽くあしらう」とは”相手をみくびり、適当に対応すること”を意味します。「鼻先であしらう」と似た意味をもち、いい加減な対応をする状況で使われます。「軽くあしらわれた」や「軽くあしらった」のように表しましょう。
・1度も彼を軽くあしらったことなど無いのに
・大切な友人を軽くあしらわれて、黙っていられる訳がない
「宝石をあしらう」「リボンをあしらう」は添えることを表す
「宝石をあしらう」や「リボンをあしらう」の”あしらう”は、「添える・組み合わせる」を意味します。主となるものを引き立たせるために、宝石やリボンを組み合わせることを表しており、「宝石をあしらったデザイン」や「リボンをあしらった」のように使います。
・結婚指輪にどの宝石をあしらってもらうのか、悩んでいる
・新作のトップスにはリボンがあしらわれており、とても上品な一着だった
「顎であしらう」は間違った表現
「顎であしらう」は”あしらう”の間違った使い方であるため、注意しましょう。「顎であしらう」は”鼻であしらう”と、高慢な態度で人を使うことを意味する「顎で使う」を混同した表現です。「傲慢な態度でいい加減に扱う」という意味が伝わる場合もありますが、一般的な使い方ではありません。
「あしらう」を使った例文
「あしらう」を使った例文をご紹介しましょう。
- 社長に直談判をしに行ったが、いいようにあしらわれただけだった
- 適当にあしらわれることに慣れてしまった
- 成人式には桜をあしらった着物を着ることにする
「あしらう」の類語とは?
「あしらう」の類語①扱う
「あしらう」が”相手をする”を意味する場合は「扱う」が、”相手をいい加減に扱う”を意味する場合は「ぞんざいに扱う」が類語に当てはまります。たとえば”客のあしらいが上手い”という例文だと「客の扱いが上手い」に、”同僚を冷たくあしらう”という例文だと「同僚をぞんざいに扱う」へ言い換えられます。
「あしらう」の類語②飾る
「あしらう」が”飾る・組み合わせる”を意味する場合、類語には「飾る」が当てはまります。「添える」の”主となるものを引き立たせるために、付け加える”という意味が類似しているため、類語に当てはまるのです。
・メイン料理には食用の花が添えられており、とても華やかだった
・祖母からの手紙には、いつも押し花が添えられていた
「あしらう」の英語表現とは?
「冷たくあしらう」は英語で”Cold shoulder”
「冷たくあしらう」の英語表現に適しているのが“Cold shoulder”です。「Cold shoulder」は直訳すると”冷たい肩”を意味しますが、「冷たくあしらう・冷遇する」として使われます。
歓迎していない客に冷えた羊の肩肉を出したことから、「Cold shoulder」が”冷たくあしらう”という意味で使われるようになったと言われています。
Get the cold shoulder from everybody.
意味:みんなに冷たくあしらわれた
「花をあしらう」は英語で”Adorn flowers”
「花をあしらう」の英語表現には“Adorn flowers”が適しています。「Adorn flowers」とは”花で装飾する”を意味する表現です。「Adorn」が”飾る・装飾する”を意味しており、人や物をさらに美しいもので飾る状況で使われます。
まとめ
「あしらう」とは”相手をする・いい加減に扱う・添える”の3つの意味をもつ言葉です。「鼻先であしらう・宝石をあしらう」のように使いますが、「顎であしらう」は誤用であるため注意しましょう。
「あしらう」以外の表現を使いたい場合は、類語の「扱う」や「飾る」に言い換えが可能です。
あしらう