「アプライ」といえば「応募する」の意味でよく使われますが、それ以外の意味もあり、さらに原語である「apply」となると聞きなれない意味も出てきて調べるほどに奥の深い言葉です。そこでカタカナ語「アプライ」の意味と英語「apply」のそれぞれの意味を整理して、その使い方もご紹介します。
「アプライ」の意味・原語
「アプライ」の主要な意味は「志願すること」
「アプライ」の意味は、「志願すること」または「応募すること」です。
「焦点を当てる」という意味も
時々使われる意味として「焦点を当てる」または「意識を当てる」という意味もあります。対象に焦点を当てて、それに特化した機能を説明するときに、「アプライ」が使われます。
- ノートブックパソコンにアプライした機能
原語は英語の「apply」
「アプライ」の元となる言葉は英語の「apply」で、同じく「アプライ」と発音されます。
ただしカタカナ語「アプライ」のように名詞ではなくて、動詞です。
「アプライ」の使い方
「アプライする」という動詞化させた使い方が主流
「アプライ」をそのまま使うよりも、「アプライする」のように動詞化させて使うことが多いです。「アプライする」と同じ意味で、「アプライ」と「する」の間に「を」を入れた「アプライをする」という言い方もあります。
- 私は競合三社にアプライした
- 私がアプライをしたうちの1社から内定をもらった
「アプライ中」という使い方も
「応募している最中」という意味で「アプライ中」という使い方もできます。
- パスポートをアプライ中
- アプライ中のセミナーから返答を待っている
ビジネスでの「アプライ」の使い方
「応募する」という意味で使われる「アプライ」
ビジネスで「アプライ」がよく聞かれるのは、就職の時ではないでしょうか。「○○社にアプライする」など聞かれた方もいるかもしれません。
「応募する」という意味のため、「アプライ」は就職や転職の際に使われていて、転職支援企業などでも活用されています。
ただし、「アプライ」はオフィシャル用語というよりは口語的に使われているのが現状ですから、就職の面接時に「この度は貴社にアプライさせていただきました」のような使い方は業種によっては避けたほうがいいでしょう。カタカナ語を多用するよりも日本語を使うほうが望ましいとしている企業や業種もありますから、「アプライ」を使える状況を見定めることが大切です。
「申請する」という意味での「アプライ」
勉強会やセミナー、出張などのさまざまなビジネスシーンで何かに「申請する」場面があるかと思います。そんなときにも「アプライ」が使われます。
- 来月に行われるセミナーにアプライする
- 次回の出張をアプライする
- 追加備品をアプライする
ただし前述したとおり、「アプライ」は口語的に使われることから、正式な申請書類などに「アプライする」と表記するよりは、「申請する」と書いたほうが自然です。
生物学や化学の実験での「アプライ」
「アプライ」は「注入する」の意味
生物学、バイオテクノロジーの業界では実験は日常茶飯事のように行われていますが、その現場で「アプライする」はよく使われています。その意味は「注入する」です。
「サンプルをアプライする」=「サンプルを注入する」
「溶液のアプライ量が多すぎてあふれる」=「溶液の注入量が多すぎてあふれる」
「規定量よりもアプライするサンプル量を減らす」=「規定量よりも注入するサンプル量を減らす」
英語「apply」のさまざな意味
「apply」には「応募する」以外の意味も
カタカナ語「アプライ」は「応募すること」の意味で使われることがほとんどですが、原語となった英語「apply」にはたくさんの意味があります。「アプライする」と同じく「応募する」や「申請する」の意味もありますが、ほかの意味もいろいろあるので紹介します。
「適用する」の意味
ある法則や規則などを「適用する」または「応用する」という意味で「apply」は使われます。
- You must apply the company’s rule to this case.
このケースは会社のルールを適用しなくてはならない。 - This method is often difficult to apply in practice.
この方法は実践で使うには難しいことがよくある。
「影響を与える」の意味
特定の人やグループ、状況などに「影響を与える」という意味があります。
- The company applied the same rules to part-time workers.
会社はパートタイム雇用者にも同じルールを適用して影響を与えた。 - The offer only applies to the flight from Tokyo to Beijing.
オファーは東京から北京までの飛行機のみ。
名詞形は「application」
「apply」の名詞形は「application」です。カタカナ語「アプライ」が名詞として使われているので混合してしまいそうですが、英語で「apply」は動詞として使われていて、名詞には「application」があることを覚えておきましょう。
「アプライド」(applied)の意味と使い方
「アプライド」の意味は「適用した、応用した」
英語「apply」を形容詞化させた「applied」は、カタカナ語「アプライド」として使われています。その意味は「適用した」または「応用した」です。
「アプライド」を使った言葉
- 「アプライドモデル」
車の車両型式番号のことです。この番号から、車の車種や型式、排気量など、その車の基本データが分かります。 - 「アプライドエコノミックス」
「応用経済学」とも訳される「アプライドエコノミクス」は大学の経済学部や商学部でも設けられているコースで、経済理論のコアの部分を研究し、それを他の分野にも応用するという研究の呼称です。
まとめ
「アプライ」は「応募」や「申請」のほかにも「適合すること」、化学においては「注入する」などさまざまな意味を持った言葉です。元の言葉である英語の「apply」の原意が「加える」だということを考慮すれば、それぞれの意味も納得がいくでしょう。焦らずに正しく意味を理解するように努めましょう。