「紫電一閃」の意味とは?使い方・類語や言い換えの例文を紹介

「紫電一閃」という言葉は、小説や漫画の戦う場面や、技の名前に使われるイメージがある人も多いかもしれません。しかし、「紫電一閃」は日常的な文章にも使用されます。今回は「紫電一閃」の意味、使い方、類語の四字熟語をご説明します。また、会話で使いやすい、簡単な言葉への言い換え方もご紹介します。

「紫電一閃」の意味とは

「紫電一閃」の意味は「物事が急変すること」

「紫電一閃」の読み方は「しでんいっせん」です。「物事が急変すること」を意味する四字熟語です。差し迫った問題や危機的な状況という意味合いを含んで使われることもあります。

また、「紫電一閃」には「刀を一振りした際の光」という意味もあります。よく研いだ鋭い刀を振った際の一瞬の光から転じて「急変する」という意味になったと言われています。小説や漫画などのフィクション作品に登場する場合は、こちらの意味で使われることが多いようです。

「紫電」と「一閃」だけでも意味のある熟語になる

紫電一閃は「視線」と「一閃」という熟語からできた四文字熟語です。どちらも単独で使用することが可能です。

  • 紫電(しでん)の意味
    ・紫の電光
    ・研ぎ澄ました刃や目などの鋭い光
  • 一閃(いっせん)の意味
    ・一瞬だけ鋭く光ること
    ・一瞬だけ思い浮かぶこと

紫電は過去に戦闘機の名前としても使われました。改良型の「紫電改」とあわせて有名のため、相手によっては戦闘機以外の意味をイメージしづらいかもしれません。使用には注意が必要になるでしょう。

「紫電一閃」の使い方と例文

「紫電一閃」は物事の急変を表現する書き言葉として使う

「紫電一閃」は主に書き言葉で使用されます。物事の急変を例える表現として使いますが、日常生活ではあまり見ないかもしれません。小説などの文学作品で目にする機会が多いでしょう。そのため、相手に意味が伝わらない可能性があります。後述する言い換えの言葉を使用するほうが無難な場面も多いでしょう。

例文
  • ずっと快晴だったのに、紫電一閃、空は雨雲に覆われていた。
  • 新商品の発表で、紫電一閃、株価が急上昇した。
  • あらかじめ油が撒いてあったのか、紫電一閃、火の手が広がってしまった。

「紫電一閃」は小説の戦う場面や技の名前にも使われる

「紫電一閃」は「刀を一振りした際の光」という意味で、戦う場面や必殺技の名前、登場人物の肩書に使われることもあります。歴史・時代小説だけでなく、漫画やゲームでも使用されることがあります。そのため、幅広い世代の人が目にしている使い方だと言えるでしょう。

例文
  • 紫電一閃、振り下ろされた刀は敵の槍を真っ二つにした。
  • 侍は問答無用とばかりに日本刀を構えると、紫電一閃、切りかかってきた。
  • 彼のその素早い動きから、必殺技に『紫電一閃』と名付けている。

「紫電一閃」はビジネスの場ではあまり使わない

「紫電一閃」は座右の銘にする人も多く、鋭くかっこいいイメージがあるため、ビジネスの場にもふさわしいと思うかもしれません。しかし、実際には使うことは避けられているようです。

ビジネスにおいて、物事の急変は「当たり前」のことです。そのため、わざわざ四文字熟語まで使って表現することはありません。また、フィクション作品や漫画、ゲームの印象も強いため、別の言葉に言い換えるのが無難です。

「紫電一閃」の類語と言い換え

「紫電一閃」の類語の四字熟語は「光芒一閃」「電光石火」

紫電一閃の類語になる四字熟語は「光芒一閃」と「電光石火」です。特に「一閃」が共通する「光芒一閃」は、紫電一閃とほぼ同じ意味を持ちます。

  • 光芒一閃(こうぼういっせん)の意味
    物事が急変することの例え。「光芒」はきらきらの光や一筋の光を意味する
    【例文】あまりに実力差があったため、光芒一閃で勝負が決まった。
  • 電光石火(でんこうせっか)の意味
    動きが素早いことや、短い時間の例え。「雷の光」と「火打石の火」を意味する
    【例文】約束の時間に間に合うように、電光石火のごとく準備を終わらせた。

「紫電一閃」は「瞬く間」「あっという間」に言い換える

「紫電一閃」は「瞬く間(またたくま)」「瞬時(しゅんじ)」や「あっという間」が言い換えに使えます。どれもよく使われているため、幅広い世代の人に伝わりやすい言葉です。

  • 瞬く間(またたくま)、瞬時(しゅんじ)の意味
    まばたきする間ぐらいの、短い時間
  • あっという間(あっというま)の意味
    とても短い時間
言い換え例

ずっと快晴だったのに、紫電一閃、空は雨雲に覆われていた。
→ずっと快晴だったのに、瞬く間に空は雨雲に覆われていた。
→ずっと快晴だったのに、瞬時に空は雨雲に覆われていた。
→ずっと快晴だったのに、あっという間に空は雨雲に覆われていた。

まとめ

「紫電一閃」は「物事が急変すること」を例える書き言葉です。会話やビジネスの場で使われることはあまりありません。

言い換えに使える言葉は「瞬く間」や「あっという間」です。相手の年代や場の雰囲気によって、鋭いイメージの「紫電一閃」と意味の分かりやすい言い換え語を使い分けてください。