「今一度」とは「もう1度」を意味する言葉です。「今一度ご確認ください」のように使う「今一度」の、ビジネスシーンでの使い方を知りたいという方もいるでしょう。この記事では「今一度」の意味や古語としての使い方、敬語をくわえた例文も解説します。くわえて「今一度」の類語の「再度」、英語表現も解説しましょう。
「今一度」の意味とは?
「今一度」の意味は「もう一度」
「今一度(いまいちど)」とは「もう一度」「もう一遍」を意味する言葉です。過去に行ったことをくり返すことを表しており、「もう一度」をより強調したい状況で使われます。「もう一度」と比較すると「今一度」の方が堅苦しい表現であるため、ビジネスシーンでも多く使われます。
「今一度」は古語としても使われていた
「今一度」は古語でも「もう一度」という意味で使われていました。「今一度」の「今」は古語で「さらに加えて」「もう」を意味します。使われていくうちに音が省略され、「今(いま)一度」から「今(ま)一度」と表すようになりました。
「今(ま)一度」の音がさらに変化し、「もう一度」という形で現代のような使い方が広まったのです。
「今一度」を使った例文
- ご注文内容を今一度ご確認くださいますよう、よろしくお願いいたします。
- 今一度気を引き締めて業務に取り組んでください。
- 自分の人生を、今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?
- 今一度初心に戻ってみるのもいいかもしれません。
ビジネスでの「今一度」の使い方
「今一度」は相手へ同じことを依頼するときに使う
「今一度」は相手へ同じことを依頼する状況で使いましょう。「もう1度」を意味するため、全くやったことがないことへは使用できません。また、「今一度」は自分に対しても使用されます。
自分に対して「今一度」を使う場合は、「今一度確認してみます」のように表しましょう。
「今一度ご確認ください」のように敬語を加える
「今一度」を目上の相手へ使う場合、「今一度ご確認ください」のように敬語を加えて使いましょう。「今一度」はビジネスシーンでも使われる、かしこまった表現です。しかし、「今一度」という言葉自体は敬語表現ではないため、敬語を加える必要があるのです。
・手元のデータでは○○と表示されていますので、今一度ご確認いただけますと幸いです。
・修正いたしましたので、今一度ご確認のほどよろしくお願いいたします。
「今一度考える」は「もう1度考える」こと
「今一度」の使い方の1つが「今一度考える」です。「今一度考える」とは「もう1度考える」を意味する言葉で、相手へも自分へも使用できます。「今一度考えてください」のように相手へ使う場合、「1度考えたことがある内容を、もう1回考えてもらう状況」を表します。
また、自分に対して「今一度考えてみます」のように表す場合は、「1度考えた内容を、もう1回考えてみる状況」で使いましょう。
・前回の○○の件につきまして、今一度お考えいただければ幸いです。
・指摘していただいたことを踏まえて、今一度考えてみます。
「今一度注意」「今一度徹底」のように表す
「今一度」の使い方には「今一度注意」や「今一度徹底」があります。「今一度注意」は「もう1度注意」を、「今一度徹底」は「もう1度徹底」をそれぞれ意味します。同じことをくりかえす状況でのみ使えるため、「1回目の注意」や「1回目の徹底」では使用しないようにしましょう。
・禁止事項につきまして今一度ご注意いただけますよう、よろしくお願いいたします。
・地球の未来のためにも、ごみの分別を今一度徹底すべきです。
「今一度」の類語と英語表現
「今一度」の類語は「再度」「もう1度」
「今一度」の類語には「再度」「もう1度」が当てはまります。「再度」と「もう1度」はどちらも「くりかえす様子」を意味しているため、類語として使用できるのです。「今一度」と「再度」は堅い表現なためビジネスに適しており、「もう1度」は日常会話として多く使われます。
・記入漏れのないよう、送信前に再度ご確認くださいませ。
・障害が発生したため、時間をおいてから再度お試しください。
・同じ映像になりますが、もう1度ご覧いただいてもよろしいでしょうか?
・北海道には楽しかった思い出しかないため、もう1度行ってみたい。
「今一度」は英語で「Once again」
「今一度」の英語表現には「Once again」が適しています。「Once again」とは「もう1度」を意味する英語で、「今一度」のくりかえす様子を表せます。「Please check it once again(それをもう1度確認してください)」のように使いましょう。
まとめ
「今一度」とは「もう1度」を意味する言葉です。相手へ同じことを依頼する状況や、自分が同じことをくりかえす状況で使われます。ビジネスシーンでは「今一度ご確認ください」のように、敬語をくわえて使用しましょう。
類語には「再度」や「もう1度」が当てはまるため、「今一度」を使いたくない状況では言い換えが可能です。
お忙しいところ申し訳ないのですが、今一度ご確認くださいますようお願いいたします。
意味:忙しいところ申し訳ないが、もう一度確認してください。