「幸甚」の意味とは?使い方や類語をビジネス例文を用いて解説

日本語には社会人になってから初めて見聞きする言葉がたくさんありますが、おそらく「幸甚」もその中の一つではないでしょうか?

ここでは「幸甚」の読み方、意味、使い方をはじめ、類語やビジネス例文を用いてわかりやすく紹介しています。英語の表現と併せて参考にしてみて下さい。

「幸甚」の意味と読み方は?

はじめに「幸甚」の意味と読み方から紹介していきましょう。

「幸甚」の正しい意味は「甚だしく幸せな様子」

「幸甚」の意味は、「甚だしく幸せな様子」です。「幸甚」の「甚」は「甚大」「激甚」「深甚」などの言葉に使わていますが、あるものごとに対し、その大きさ、度合い、深さなどを強調する時に添えられる言葉でもあります。

「幸甚」は「非常に」「ひどく」「大変」という意味を持つ「甚」に「幸」が先頭について、「幸福の度合いが普通よりはるかに越えている様子」を意味しています。つまり、漢語読みが意味する通り「甚だしく幸せ」な様子を指しています。

「幸甚」の読み方は「こうじん」

「幸甚」の読み方は「こうじん」です。「幸せ」と「甚だしい」という言葉を組み合わせてできた言葉ですが、漢語で「甚だしく幸せ」と読み、「非常に幸せな様子」を表現するときに用いられます。

「幸甚」の正しい使い方とビジネス例文

それでは「幸甚」の正しい使い方を紹介します。ビジネスシーンで使える例文と併せてみてみましょう。

ビジネスシーンで活躍する言葉

社会生活ではさまざまな場面で「この上ない喜びを感じる瞬間」があることでしょう。「幸甚」は「普通の度合い以上に、自分が幸せであると感じる時」に使われますが、ビジネスメールやビジネス文書では好んで用いられることが多いでしょう。

社会人生活がスタートすると、取引先や顧客と接することが増え、状況によっては「とても幸せに思います」より「幸甚に存じます」と表現をした方が、より的確に思いが通じる場合があります。

「幸甚」はビジネスシーンにおいて、その言葉の持つ威力を発揮します。ビジネスで成功し、深く大きな幸せを感じた時に使ってみましょう。

「幸甚に存じます」

「幸甚に存じます」は相手の行為に対して、感謝や御礼の気持ちを意図する表現です。状況によって「幸甚に存じます」がやや堅苦しいと思う場合は、「幸甚です」「幸甚でございます」と言い換えてもよいでしょう。

  • 今月は、少し早めに生産報告をいただけますと幸甚に存じます。
  • 幸甚に存じます理由は、御社様と今年も引き続きお取引をさせていただけるからです。
  • 弊社でのビジネスミーティングにご参加いただると幸甚でございます。
  • 商談でのご賛同に対し幸甚に存じますが、ご厚意に甘えないよう努力を続ける所存です。

「幸甚の至りです」

「幸甚に至りです」は相手の行為に対して「これほど幸せなことはありません」「自分にとってどれだけ幸せなことでしょう」という感謝の気持ちを存分に表す時に使われます。「幸甚の至りです」をさらに丁寧に敬意を込めて表現したい時は「幸甚の至りに存じます」を使いましょう。

  • ミーティングで前向きな話し合いができたことは、弊社にとっても幸甚の至りです。
  • 今回は厳しい納期に間に合わせていただいて、幸甚の至りです。
  • ぜひ、営業部長様にお話をつなげていただければ、幸甚の至りに存じます。
  • 素晴らしい事業計画をいただき、スタッフ一同、幸甚の至りに存じます・

「幸甚」の類語表現は?

「幸甚」という言葉を使うのがやや堅苦しいと思われるシーンでは、適切な類語に置き換えることもできます。「幸甚」の類語について解説します。

類語①「非常にありがたいです」

「幸甚です」の類語にあたる言葉は「非常にありがたいです」「大変嬉しく思います」などになります。「幸甚です」という表現は畏まった表現の一つであるため、相手が一歩も引くことなく素直に感謝の気持ちを受け入れてくれる言葉として「ありがたい」「うれしい」という言葉を用いるほうが良いでしょう。度合いを示す「とても」「非常に」「大変」を加えて、「非常にありがたく存じます」などのように、文章をまとめるようにして下さい。

類語②「幸い」

「幸甚」の類語として「幸い」があります。2つの言葉の違いは意味としてはほとんどなく、「幸甚です」が固すぎると感じられるシーンでは「幸いです」と用いても問題ありません。

ただし、格式高い場面では、「幸いです」と使ってしまうと口語調の印象を与えてしまう場合もあるので、「幸甚です」「幸甚に存じます」を使えるとよいでしょう。

「幸甚」の英語表現は?

「幸甚」の英語は「appreciated」

「幸甚です」を「とても感謝する」という意味で解釈するなら「much appreciated」「very grateful」などが適切でしょう。英語環境でのビジネスでも友好関係を維持するためによく使われるフレーズです。ぜひ、覚えておきましょう。

  • It would be much appreciated if you come and see us when you have time.
    お時間のある時に訪問していただければ、幸甚です。
  • We are very grateful that you accepted our offer..
    オファーを受け入れていただけたこと、幸甚に存じます。

まとめ

「幸甚」は「普通より度合いをはるかに超えた幸せの様子」を指す言葉で、「幸甚です」「幸甚に存じます」「幸甚の至りです」「幸甚の至りに存じます」などのように使います。

また、親しい間柄や初めてお付き合いする相手には適切な言葉ではないため、別の言葉を選ぶよう意識することが大切です。ビジネスメールやビジネス文書など、形式ばったフォームで相手に語りかけるなら「幸甚」は使うべき適語と言えるでしょう。