金融取引などで使われる「レバレッジ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。他にも、「レバレッジをかける」「レバレッジを効かせる」という言い方をビジネスシーンの会話でよく聞くようになりました。
知らない人も多い「レバレッジ」。どのような意味なのか、レバレッジ効果やリスクなどについても説明します。
「レバレッジ」の意味
カタカナ語の「レバレッジ」は「てこの作用」の意味
「レバレッジ」の意味は、「てこの作用」です。
英語「leverage」の意味
「レバレッジ」は英語「leverage」を語源とするカタカナ語です。英語「leverage(名詞)」の意味は次の通りです。
- 影響力・効力
- てこの作用
経済活動での意味は「自己資本に対する利益率を高めること」
経済活動においては別の意味で用いられています。借入金などのような、外部で調達した資本のことを他人資本といいますが、これを使うことで自己資本に対する利益率を高めること、またはその高まる倍率のことを指して「レバレッジ」といいます。
金融用語としての「レバレッジ」の意味と使い方
意味は「少ない投資金で大きなリターンが得られること」
「レバレッジ」は特に金融用語としてよく使われます。少しの力で大きなものを動かせる「てこの作用」の意味になぞらえ、少ない投資金で大きなリターンが得られることを指します。
レバレッジの仕組み
小さな力(=少額の投資金)で大きなものを動かす(=大きな成果を得る)仕組みがレバレッジです。具体的には、信用取引や先物取引において、自分の拠出した資金(証拠金)を担保として、その何倍もの取引ができるという仕組みです。
レバレッジ効果
上述した仕組みを指す「レバレッジ」という言い方の他に「レバレッジ効果」という言い方で、発生する損益のことを説明します。
金融取引他にも、不動産を担保にした不動産取引でもレバレッジ効果が得られます。
レバレッジ取引
FX(外国為替証拠金取引)や、株式売買における信用取引の証拠金取引などにおいてレバレッジ取引を行うことができます。
レバレッジをかける
レバレッジ取引を行うことを「レバレッジをかける」といいます。具体的な取引の倍率を示す場合は「〇倍のレバレッジをかける」と言います。
例えば、100万円の自己資金に10倍のレバレッジをかけた場合、取引可能額は1000万円になります。
レバレッジを効かせる
レバレッジ取引を行うことを「レバレッジをかける」の他に「レバレッジを効かせる」とも言います。
仮想通貨のレバレッジ
FX(外国為替証拠金取引)や、株式投資における信用取引の他にも、仮想通貨の取引でレバレッジ取引を行うことができます。仮想通貨の中では「ビットコイン」がよく知られています。
レバレッジのリスク
レバレッジ取引は少ない資金で大きな利益を得ることを可能にする反面、失敗した時には大きな損失を生むリスクがあります。その場合投資した元本以上の損失が出ることもレバレッジ取引のリスクといえます。
財務・会計用語のレバレッジ
財務レバレッジ
他人資本を使い、少ない自己資本で収益を挙げることを財務・会計用語でレバレッジといい、その指標のことを財務レバレッジと呼びます。自己資本に対して、他人資本を加えた総資産が何倍であるかを示すものです。
「てこの作用」の意味から派生した「レバレッジ」の使い方
業界用語ではない「レバレッジ」
金融や財務の業界用語としての「レバレッジ」の他に、「小さな労力で大きな成果を得ること」「一つの労力で複数の効果を得ること」を表す言葉として「レバレッジ」が使われます。
例えば、「レバレッジが効く仕事をすべきだ」「レバレッジをかけた人生を送る」などと言ったりします。
マーケティングの「レバレッジ」
上記と同じ使われ方で、マーケティング用語として「レバレッジ」が使われます。「効果が倍々に働く」という意味で「レバレッジが働く」と言うことがあります。
例えば、顧客数を増やし、1人あたりの購買単価も増やすことで利益が掛け合わされるマーケティング戦略のことを「レバレッジを働かせる」「レバレッジを効かせる」などと表現します。
また広告を打つ時などに、最初に少ない予算で試し、効果があると判断したら同じ広告に大きな予算を追加して打ってゆく方法を「レバレッジをかける」と言ったりします。
このような使い方は、金融用語のレバレッジ取引とは意味合いが異なりますが、「少ない労力で大きなリターンを得る」という経済活動の手法を表しているものといえます。
まとめ
「レバレッジ」とは英語で「てこの作用」の意味になぞらえ、「少ない力で大きな成果を得る」という意味で主に経済界などで頻出する言葉です。
最近では「少しの力で最大の効果を得る」という意味のカタカナ語として広がってきています。
その時代によく使われるカタカナ語は世相を映している言葉ともいえます。新しい情報を常に取り入れて「レバレッジをかけて」仕事をしていきたいものです。