「ハイカラ」と聞いて昭和を代表するアニメを思い出した人もいるでしょう。しかし「ハイカラ」とは具体的にどのようなことなのか、今一つはっきりしないという人もいるのではないでしょうか?ここでは「ハイカラ」の意味を中心に、使い方と類語をご紹介します。
「ハイカラ」の意味と由来は?
「ハイカラ」の意味は「洒落た・西洋風の」
「ハイカラ」とは「洒落た」「西洋風の」また「気のきいた」「最新流行りの」という意味を持ちます。服装や髪型、ファッション、人の雰囲気や物事の風潮、また趣向や考え方などに対して使われる言葉です。
「ハイカラ」は目新しくおしゃれであるのが特徴ですが、西洋風の気取った雰囲気を表すため、軽薄な人という意味合いで使われることもあります。
「ハイカラ」の由来は英語の「high collar」
「ハイカラ」の由来は、ワイシャツの襟など「丈が高い襟」を意味する「high collar(ハイカラー)」です。
文明開化を迎えた明治時代には、日本人が仕事で海外に行くことが増え始め、西洋文化を取り入れたお洒落なシャツやスカート、帽子などが日本でも注目を浴び始めました。当時の日本にはない目新しいデザインや色合いのファッションを好む人が増え、そういった人を西洋を代表する「ハイカラー」を文字って「ハイカラ」と呼んでいたのが始まりです。
その後、東京毎日新聞の主筆「石川半山」が使い始めたのがきっかけで、瞬く間に流行語として浸透しました。
「ハイカラ」の先駆者は坂本竜馬
「ハイカラ」は明治時代に流行となった言葉ですが、その先駆者とも呼ばれる人物の一人が「坂本龍馬」だと言われています。つまり、坂本龍馬は「ハイカラ」を身にまとった日本のサムライとも言えるのかもしれません。
「坂本龍馬」は誰も知る土佐藩主で、海援隊の隊長としても活躍しました。海援隊は当時、貿易商社としての役割を果たすだけではなく、政治や経済、語学や航海術などの研究にも力を入れていたため、まさに明治時代としては西洋風なライフスタイルを持ちあわせる人物でもあったのでしょう。
「ハイカラ」が死語である理由は「それが当たり前だから」
「ハイカラ」は現在ではほとんど聞くこともなく、使うこともなくなりました。「ハイカラ」には「目新しい」「お洒落」という意味がありますが、日本のファッションや文化は、今や西洋文化をふんだんに取り入れたものとなっています。
つまり、当時「ハイカラ」と呼ばれたものが、すでに日本では「当たり前になっている」のです。そのため「ハイカラ」を使う意味が無くなってしまったと考えられます。
「ハイカラ」の使い方と例文
「ハイカラは死語だから使えない」は疑問符?
「ハイカラ」は今や死語だと言われていますが、「ハイカラ」が持つ別の意味合いで使うことはできます。
たとえば、今まで見たことがないような斬新なヘアスタイルを見て「その髪型、なかなかハイカラじゃない?」「ハイカラな髪型が素敵ですね」などと褒めることもできるでしょう。お洒落で目新しいものに対して「ハイカラ」を使うのは間違いではありません。
また、企画会議や商品開発において、クールでカッコイイ発想があった時に、「そのアイデア、ハイカラだね」「ハイカラな商品ができそうだね」と言ったりできます。
「ハイカラ」を昔臭い・古っぽいという意味で使わない
「ハイカラ」は明治時代の文明開化をさかいに西洋風のファッションや髪形を好む人のことを指して呼んでいた言葉ですが、明治時代に流行った言葉だからといって、「昔臭い」「古っぽい」という意味で使うのは適切ではありません。
現代では日本でも「西洋風」は当たり前となっていますが、「ハイカラ」はむしろ洒落っ気がありながら、気障っぽいところもあり、気のきいた感じがするという意味で使うのが適切です。
「ハイカラ」を使った例文
- 西洋で流行った水玉模様は、ハイカラ要素が満載なデザインである。
- この浴衣はハイカラな感じなのはいいが、和風色にはやや欠けるかもしれない。
- 私の祖父は、地元で最もハイカラだと言われていた。
「ハイカラ」の類語は?
「ハイカラ」の類語は「都会風」「スタイリッシュ」「小粋」
「ハイカラ」の類語には「都会風」「スタイリッシュ」「小粋」などがあります。「ハイカラ」の主要的な意味である「お洒落」「西洋の」と似た言葉にあたり、言い換えの語句としては適切です。
- 都会風:垢ぬけて、洗練されていること
- スタイリッシュ:お洒落でかっこいいこと
- 小粋:子気味が良く、ちょっぴり粋なこと
このように、どの類語も微妙ながらにニュアンスが異なるのがわかります。
- 彼女が着ているスーツ、とっても都会風だね。
- 彼女の着ているスーツ、とってもスタイリッシュだね。
- 彼女の着ているスーツ、小粋だね。
まとめ
「ハイカラ」はシャツの襟の丈が高いという意味の「high collar(ハイカラー)」を語源に持つ言葉で「お洒落な」「西洋風の」「気障な」「目新しい」という意味があります。
現代の日本では西洋文化を取り入れた新しいライフスタイルが当たり前のようになっているため、「ハイカラ」を死語と言われていますが、現代だからこそ、ぜひとも復活させたいものです。
「ハイカラ」は流行り言葉のようなイメージがありますが、モダンで国際的な環境にいるからこそ、あえて「ハイカラ」という表現が光るのかもしれません。