「自分に都合よくこじつける人だ」のように「こじつけ」という言葉はネガティブな意味合いで使用されます。また「ここの文はこじつけがましいから直しておいて」と、仕事の指示で使われることがあるかもしれません。「こじつけ」の意味や使い方・例文を確認しましょう。また、類語の四字熟語や、漢字についてもご説明します。
「こじつけ」の意味
「こじつけ」の意味は「無関係のことを強引に関係づける」
「こじつけ」は「こじつける」の名詞形で、意味は「本来は無関係のことを、強引に理由や理屈をつけて関係づける」です。ネガティブな意味合いで使われることが多い言葉です。
現在ではあまり使われることはありませんが「無理強いすること」という意味もあります。女性に関係を無理強いしたり、物を買うことを無理強いしたりする際に使用されていたようです。
「こじつけ」は一般的には漢字で書かない
「こじつけ」や「こじつける」は、一般的には漢字で書きません。そのまま平仮名で書きます。
昔の文学作品などは「附会」や「牽強」を「こじつけ」と読ませていましたが、現在では使用されません。辞書にも載っていないため、読める人はあまりいないでしょう。
「こじつけ」の語源は「故事付ける」が有力
「こじつけ」の語源は「故事付ける」が有力だとされています。
「故事(こじ)」はここでは「昔にあった出来事」「昔から伝わる事柄」という意味で使われています。故事に強引に関連づけて説明することから「故事付ける」と言うようになり、それが平仮名になったという説です。
他にも「故実付ける」が由来だという説もあります。「故実(こじつ)」とは「昔からの決まり・習わし」という意味です。
「こじつけ」の使い方と例文
「こじつけ」を動詞で使うときは「こじつける」
「こじつけ」を動詞にして使うときは「こじつける」と言います。同じ言葉の形が変化したもののため、当然、意味は全く同じです。辞書によっては「こじつけ」の説明に「こじつけること」しか記載されていないものもあります。
- 彼は自分に都合よくこじつける人だ。
- もっともらしい理由をこじつけた。
「こじつけ」とは言い逃れや言いがかりに使う
「こじつけ」は言い逃れや言いがかりをするときに使用されます。自分の失敗を正当化したり、嫌いな人を攻撃するために、無関係な事柄とこじつけて説明をするのです。また、言い逃れや言いがかりを非難する場合にも「こじつけだ」と指摘することがあります。
「こじつけ」とは無理がある説明への非難に使う
説明する本人には「こじつけ」のつもりがなくても、説明に無理があると相手に思われた場合は「こじつけ」が非難の言葉に使われます。関連性が薄すぎることや偶然に過ぎないことを、確実だと決めつけてしまうと「こじつけ」だと思われやすいでしょう。
- 「Aの小説は戦争犯罪を美化している」という記事を読んだが、内容は明らかにこじつけでとても信用できない。
- 曜日が売り上げに関係すると説明したのだが、店長は「こじつけが過ぎる、偶然だ」と真面目に聞いてくれなかった。
「こじつけがましい」は辞書にはない
「こじつけがましい」は一般的な辞書に載っていない言葉です。文脈や「がましい」の意味から「いかにもこじつけである」という意味で使われていると推測できます(「がましい」の意味は「そのような様子である」「それに似ている」)
エッセイ記事や、個人のブログ、レビューなどでは以前から使われているため、数年前にできた新しい表現という訳ではありません。そのため、年代を問わず意味が通じる可能性が高いでしょう。ただし、辞書に載っていない言葉のため、かしこまった場面では避けた方が無難です。
「こじつけ」の類語とは
「こじつけ」の類語は「牽強付会」「かこつける」
「こじつけ」の類語は「牽強付会」「かこつける」です。
「牽強付会」は「けんきょうふかい」と読みます。意味は「こじつけ」と同じです。日常的にはあまり使用しない四字熟語ですが、スピーチなどで活用できるかもしれません。
「かこつける」は「無関係な事を結び付け、都合の良い口実にする」「他のもののせいにする」という意味です。
- 今まではなんでも牽強付会していましたが、これからはしっかり現実を見ていきたいと思います。
- 子どもの病気にかこつけて、職場の飲み会を断った。
「こじつけ」を特定の人を不快にするために使うなら「あてつけ」が類語
「こじつけ」と「あてつけ」は言い換えられない場面も多いのですが、「無関係なことに関係づける」という点は共通しているので類語と言えます。
類語としての「あてつけ」は「他のことにかこつけて、特定の人が不快に思うことをすること」という意味です。また「嫌がらせ」「報復」という意味で使うケースもあります。
まとめ
「こじつけ」は「無関係のことを強引に関係づける」という意味です。自分に都合の良い言い逃れや言い訳をする際に使います。
論理的だと思い込んで無意識に「こじつけ」をしてしまう可能性もあります。都合の良い言い訳にするために物事をこじつけないよう注意しましょう。