「コンピレーションアルバム」でも使われている「コンピレーション」は、「編集」という意味から派生して使われるようになりました。その「コンピレーション」について意味を解説します。「編集」という基本的な意味から音楽業界での使われ方、そして聞きなれない会計に関する「コンピレーション」について説明します。
「コンピレーション」の意味と語源とは?
「コンピレーション」は「編集」の意味
「コンピレーション」の意味は、「編集・編集したもの」です。
「コンピレーションアルバム」の省略形の意味もある
「コンピレーション」は「コンピレーションアルバム」の省略形としても使われます。
「コンピレーションアルバム」とは、ある特定の趣旨に基づいて編集したレコードやCDのことです。その趣旨とは、一人の作曲家についてだったり、音楽のジャンルやテーマ性などいろいろです。そのスポットの当て方次第でコンピレーションアルバムはいくつもできるので、編集側と購入者が聞きたいと思えるかどうかで、コンピレーションアルバムの売り上げは大きく変化します。
「コンピレーション」の語源はラテン語「奪い取る」
この「compilation」はラテン語で「奪いとる」とか「(人の文章などを)盗む」「盗作する」というあまりいい意味ではない言葉から派生しました。今ではそうしたネガティブな意味はなくなりました。
「コンピレーション」と音楽の関係とは?
「コンピレーション」と「オムニバス」の違い
「コンピレーションアルバム」:アルバムのテーマ性が基に楽曲が集められたアルバム
「オムニバスアルバム」:さまざまなアーティストが参加したアルバム
音楽のアルバムに関して「コンピレーション」とは、ある一定のテーマに沿って曲が編集された「コンピレーションアルバム」のことを指します。
一方、「オムニバス」というと、複数のミュージシャンが参加しているアルバムを指します。英語で「オムニバスアルバム」は「さまざまなミュージシャン」という意味で「various musicians」と呼ばれています。
「コンピレーションアルバム」はiTunesなどで整理可能
コンピレーションアルバムをパソコンで表示すると、アーティスト名が違っていると元は一枚のアルバムに入っていた曲なのに存在しない別のアルバム曲として認識されてしまい、正しく表示できないことがあります。
「iTunes」などの音楽ソフトでは、コンピレーションアルバムを整理できる機能があり、アルバムのタイトルの整理をし直すことができます。
iPhoneやiPodのアルバム表示トラブルは「コンピレーション」を確認
CDを買ってiTunesからiPhoneやiPodに曲を入れても、曲は聞けても液晶上に正しく表示されないことがあります。この場合、「コンピレーションアルバム」として分別されていることが原因の場合があるようです。「コンピレーション」ではないのに勝手に「コンピレーション」として仕分けされたからで、そのチェックを外すと正しく表示されます。
会計事務所における「コンピレーション」とは?
会計による財務諸表「コンピレーション」
会計事務所の業務には記帳の代行や申告、税務相談などがありますが、そのほかにも「コンピレーション」と呼ばれる業務があります。
「コンピレーション」は「基本的な決算書」の意味
決算書の中でも最も基本的な財務諸表の作成を「コンピレーション」と呼びます。「コンピレーション」の依頼を受けた会計事務所が、依頼元の会社に適切なフォーマットを使い、独立性のある会計士によって作成される財務諸表になります。
「監査」と「レビュー」は会計士からの意見を聞くこと
「コンピレーション」に似た作業として「監査」や「レビュー」があります。「監査」と「レビュー」の両方ともに、財務諸表に会計士が意見をすることです。
ただこの二つには違いがあり、「レビュー」は財務諸表に重大なミスがないというのを保証する程度の意見表明ですが、「監査」は依頼元の企業のビジネスや内部事情などを把握したうえで財務諸表に意見を述べるため、「レビュー」よりも一歩踏み込んだ意見表明になります。
その他の分野での「コンピレーション」を使った複合語
編集フィルムを意味する「コンピレーションフィルム」
「コンピレーションフィルム」というと、編集フィルムのことで、映画やドキュメンタリーフィルムに使われる実録資料フィルムのことを指します。
新メディアを意味する「コンピレーションメディア」
2017年から講談社が打ち出した「コンピレーションメディア」は、信用あるコンテンツを編集部が責任をもって編集して、読者に提供する新メディアとして立ち上げました。ここからも「コンピレーション」が「編集」という意味があることが分かります。
「コンピレーション」の英語表現とは?
「コンピレーション」は英語で「compilation」
「コンピレーション」の元は英語で「compilation」と書きます。その意味は「編集」や「編集物」で、カタカナ語の「コンピレーション」と同じです。
ただし編集するものは本や資料です。音楽も編集対象ですが、「コンピレーション」のように「コンピレーションアルバム」という意味はありません。「コンピレーションアルバム」と英語で言う場合には、「compilation album」という必要があります。
まとめ
「コンピレーション」には編集業務にかかわる「編集」という意味と、音楽の「コンピレーションアルバム」という意味、それから会計に関わらなくては聞くことのない「コンピレーション」という3つの意味があります。それぞれに専門的な知識があってこそ生きてくる言葉ですが、特に「編集」と「コンピレーション」の意味は一般的にもよく使われているので覚えておきましょう。