「控えめに言って」の意味とは？類語・使い方や語源の元ネタを紹介

「控えめに言って」は、SNSやブログでは新しい意味で使われることがあります。語源・元ネタは漫画のセリフという説が有力です。「控えめに言って好き」「控えめに言って嫌い」のように、良い意味でも悪い意味でも使用します。ネット用語としての意味や使い方、類語を確認しましょう。

「控えめに言って」の意味とは

「控えめに言って」の意味は「最低でも〇〇だ」という強調

「控えめに言って」は、感想や評価を言う際に、後ろに続く言葉を強調するネット用語（インターネット上で使われる俗語。ネットスラングとも）です。意味は「誇張せず述べても、最低でも〇〇だ」です。逆説的に「〇〇よりもずっとすごい」「〇〇では言い足りない」ということを伝えるために使われます。

通常は表現が大げさにならないよう配慮したり、相手を思いやって表現を選ぶ際に使用します。しかし、ネット用語としては「強調して表現するため」という、対義語に近い使い方をされています。

「控えめに言って」の語源は漫画「ジョジョの奇妙な冒険」

「控えめに言って」の語源は、漫画作品「ジョジョの奇妙な冒険」の第四部（1992年～1995年連載）だと言われています。

元になったと考えられるのは、噴上裕也（ふんがみ・ゆうや）というキャラクターの下記のセリフです。

「ひかえ目に言ってもミケランジェロの彫刻のよう」

「自分は美しい」ということを意味するセリフから、波及していったと考えられます。キャラクター自身としては、誇大表現にならないよう遠慮したつもりなのかもしれません。しかし、読者には大げさに強調しているように受け取られ、現在のネット用語の使い方が生まれたと推測できます。

元ネタに忠実に「ひかえ目に言っても」や「控えめに言っても」と使う人もいるようです。

「控えめに言って」の使い方と例文

「控えめに言って神」は「とても素晴らしい人（物）」を表現する

「控えめに言って」は、誉め言葉に使われることが多い表現です。例えば、人や物を「控えめに言って神」と誉めたたえます（ここでの「神」に宗教的な意味合いはなく、優れていることや素晴らしいことを賞賛する言葉）

その他にも、あらゆる誉め言葉を強調できます。強調して誉めることで、感動をより強く伝えることが期待できるでしょう。

「控えめに言ってうざい」のようにネガティブな言葉にも使われる

「控えめに言って」はネガティブな言葉を強調するためにも使用できます。「『控えめ』がついているから、悪口を言っても許されるだろう」と思って使ってしまうと、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。軽率に使うのは避けた方が無難です。

「控えめに言ってヤバい」はポジティブにもネガティブにも使う

「ポジティブな意味・ネガティブな意味の両方に使う言葉」にも「控えめに言って」は使用可能です。例えばネガティブな言葉「ヤバい」「無理」は、近年ではポジティブな意味でも使われています。「（素晴らしすぎて）ヤバい」「（好きすぎて）無理」のように、逆説的な言い回しだと思うとイメージしやすいかもしれません。

「控えめに言って」はネット用語が分からない相手には避ける

「控えめに言って」は、ネット用語に詳しい相手とのやりとりにだけ使う方が良いでしょう。

ネット用語というだけでも避けるべきですが、「控えめに言って」の場合、通常は違う意味で使っているという点に注意が必要です。ネット用語に詳しくない人は「『控えめ』に言っていない」ことに違和感を覚えてしまうでしょう。

また、ネット用語はビジネスやかしこまった場面にふさわしくありません。うっかり言ってしまわないよう注意が必要です。

「控えめに言って」の類語

「控えめに言って」の類語は「とても」「非常に」

「控えめに言って」の類語は、使い方から考えると「とても」です。類語としての「とても」は後に続く言葉を強調する意味を持ちます。一般的に使える表現ですが、話し言葉のためビジネスやかしこまった場面には不向きです。その場合には「非常に」が使いやすいでしょう。

また、文章によっては「控えめに言って」を外しても意味が十分伝わることもあります。例えば「控えめに言って傑作です」なら、「傑作です」でも問題ありません。

まとめ

「控えめに言って」は、後ろに続く言葉を「最低でも〇〇。〇〇よりもっとすごい」と強調するネット用語です。良い言葉にも悪い言葉にも使われます。

本来の「控えめに言う」ような意味合いは無いため、使える相手は限定されます。しかし、うまく使えば、単独の言葉では言い足りない感情を相手に伝えられるでしょう。