「モダン」というカタカナ語は、日常生活のありとあらゆる分野で用いられる言葉です。そのため、うっかり本来の意味を意識せず使っていることはありませんか?
ここでは「モダン」についてインテリア、ファッション、建築、部屋などのモダンスタイルの解説を対義語を含めて紹介しています。早速「モダン」の意味の捉え方に迫ってみましょう。
「モダン」とは?
会話でよく使われる「モダン」には、本来どのような意味があるのでしょうか?英語表記と併せて紹介します。
「モダン」の意味は「現代的な」
「モダン」の意味は、「現代的な」「現代的である」「近代的な」「近代的である」です。もっと砕けた意味で捉えるなら「今の」「当風の」「今めかしい」「最新の」でもよいでしょう。また、技術や思考においては「実験的な」「前衛的な」と表現することもできます。
改めて「モダン・ミュージック」「モダン・アート」「モダン・ヒストリー」「モダン・ライフ」「モダン・デイ」など、挙げれば切りがないほど、「モダン」を使った熟語が日常に溢れていることに驚いてしまいます。
「モダン」は英語の「modern」
ほとんどの人が周知しているかもしれませんが、カタカナ語の「モダン」は英語の「modern」から生まれた言葉です。英語では「モダン」と「マダン」の間くらいの発音で、アクセントは「mo」の部分に置きます。
また「モダーン」は「モダン」と同じ意味を示すカタカナ語です。英語圏の一部では「modern」を「モダーン」と発音することから、別の観点から育ったカタカナ語だと言われています。
「モダン」を使った熟語ベスト5
続いて「モダンアート」のように「モダン」を使った熟語について、意味や傾向とあわせてフォーカスしていきましょう。
モダン・インテリア
「モダンインテリア」は金属やガラスを素材に用いて、直線的なラインで統一されたインテリアスタイルのことです。全体的に都会風なアレンジを施しているのが特徴でしょう。
モダン・インテリアにはシックモダン、シンプルモダン、クールモダン、ミッドセンチュリーモダンなど、テイストの異なる部分で枝分かれをすることもあります。
また、現代では狭い空間でも上手にモダン・インテリアを取り入れる工夫もされており、あらゆる生活環境で自分流に「モダン・インテリア」楽しめるようになっています。
モダン・ファッション
「モダン・ファッション」はファッションに対する一つのイメージを指し、最新で都会的なファッションスタイルを意味しています。細かく言えば、モダン・ファッションは時代の経過とともに変化を続け、時代を表現する象徴的なスタイルでもあるのです。
また、デザインや色彩、素材やボリュームなども時代ごとに変化しますが、基本となるのは黒白のモノトーン、また輝きを演出するラメやメタリックだと言われています。
モダン浴衣
「モダン浴衣」には花柄やストライプ、ドット柄の他に、「モダンレトロ」と呼ばれる新ジャンルを取り入れているのが特徴です。「モダンレトロ」は古の懐かしを生かし、新しい要素を加えることで全く新しい魅力を作り出している浴衣のことですが、最近ではさらに「大正レトロ」と称するジャンルまで登場しています。浴衣の世界ではモダンとレトロのコラボレーションで生まれた「モダン浴衣」が注目を浴びているようです。
モダン・デザイン
「モダン・デザイン」は「近代デザイン」のことで、イギリスの「産業革命」をきっかけに、18世紀から19世紀に及び、「時代にマッチさせるデザインをいかに生み出すか」という運動から誕生した概念のことです。
「産業革命」は製品の素材や生産工程が飛躍的な変化を遂げた時期で、新素材や複製技術、斬新なアイデアなどが次々と世に認識され始めた時代でもありました。
美的センスや生活様式に対応するために生まれた「モダン・デザイン」は、機能性を重視しながらも、シンプルな造形を尊重したデザインが特徴的です。
モダンな家・部屋
「モダンな家」「モダンな部屋」はモダン・インテリアを中心に、ワンランク上の大人の空間を演出できる人気のリビング・スタイルです。
モダンな家は内装デザインや壁の色調、部屋の構造や形など、あらゆる観点から「現代的」にコーディネーとされますが、おおむね「シンプル」「ミニマム」を基本としていることが多いと言われています。
「モダン」の対義語は?
それでは「モダン」と正反対の意味を持つ対義語についてみてみましょう。
対義語は「クラシック」「レトロ」
「モダン」の対義語に該当する言葉は「クラシック」「古典的」「レトロ」、広い意味で考えるなら「伝統的」「トラディショナル」なども含まれるでしょう。
- レトロな趣に風情を感じる。
- 上司の考え方は、実に古典的である。
- ポロは英国を代表するトラディショナルなスポーツの一つです。
- モダン・アートより、伝統的な鉛筆画に興味を引くのはなぜだろう。
「レトロ」の魅力は居心地の良さ?
「モダン」の対義語に「レトロ」がありますが、レトロは「レトロ感がある」「昭和レトロ」などのように、懐かしさやホッとする感覚が味わうことができるのが魅力です。
そして何といっても、なぜか古さの中に「新しさ」をも感じることができるのが、レトロの不思議さでもあるでしょう。
たとえば、だるまストーブ、水玉模様の湯飲み、ちゃぶ台、ホーロー鍋、鳩時計、黒電話、ラジカセ、ブラウン管テレビなど、レトロを感じるアイテムを部屋に置いてみれば、言葉にできない居心地の良さをじんわりと体験できるかもしれません。
まとめ
「モダン」は「現代的な「近代的な」「最新の」「今風の」などを意味するカタカナ語で、英語の意味とほぼ同じように使われています。
「モダン建築」「モダニズム」など、「モダン」を使った言葉はたくさんありますが、本来の意味が理解できれば、言葉の使い方にも自信を持つことができるでしょう。
そして、豊かな発想を駆使すれば「モダン社員」「モダン上司」など、職場でも「モダン」の特性を生かした新語を創り出せるかもしれません。どうぞ、チャレンジしてみて下さい!