マストとはどういう意味?ウォントとの強弱の違いと例文10選

ビジネスシーンには日々たくさんのカタカナ語が飛び交っていますが、「マスト」もそのうちの一つではないでしょうか?「返事、2時までにマストね」と、日本の職場の光景も本当に変わりつつあります。

ここでは「マスト」の意味を確認しながら、ビジネスでの使い方と似た言葉「ウォント」との使い分けについて紹介しています。今回は現代のビジネス必須用語「マスト」を取り上げてみましょう。

「マスト」の意味とは?

早速「マスト」の意味と使い方について紹介しましょう。

「マスト」の意味は「絶対に必要なこと」

「マスト」の意味は、「絶対に必要なこと」です。

ビジネスで使われる「マスト」はおおむね「なくてはならないもの」「必需品」「必須」というニュアンスで用いらることがほとんどです。「マスト」とは英語の「must」のことで、「しなければならない」「義務である」「必要である」という意味があります。

「マストで提出する」「訪問するのはマストだ」など、職場やビジネスシーンでは「マスト」という言葉が矢のように飛び交っています。しかし、同じ意味を持つ「have to」がカタカナ語として確立されないのは、ひょっとしたら「言いにくさ」にあるのかもしれません。

もう一つの意味「船の帆柱」

ビジネスシーンでは「must」の意味での「マスト」を使うことがほとんどですが、もう一つ、スペルは異なるものの、同じ言い方をする「マスト」があります。英語では「mast」で意味は「船の帆柱」です。

船舶関係の仕事をしていたり、趣味で船に乗る人なら周知の言葉ではあります。しかし、同音異義語であり、「マスト」とカタカナ語で表記をするため混同してしまうことがあるかもしれません。言葉を使う場面に気を付けて、それぞれ適切に用いるようにしましょう。

「マスト」と「ウォント」の違いとは?

それでは「マスト」と似たような意味を持つ「ウォント」について、違いをみてみましょう。ビジネスシーンでは多用される2語ですが、上手に使い分けをして相手に内容の「強弱」を伝えるようにしましょう。

「ウォント」はあくまで「要望」

「ウォント」は英語の「want」のことで、意味は「希望する」「欲しい」「望む」などになります。簡単な英語の文章を思い出せば、「I want a break=休憩が欲しい」を例に、あくまで「希望」や「要望」だということがわかります。

つまり「ウォント」は言い換えれば「義務」ではないということになり、意味的には「弱く」なります。

「マスト」は「必須」「義務」

一方、「マスト」は「しなければならない」という意味があり、「必須」「義務」を表す言葉です。「ウォント」に比べて意味合いが「強く」なり、不可避的なものごとや状況を表す時に使われます。「するべきだ」の「should」に近いニュアンスでも使われますが、「ウォント」に比べると、やはり緊迫度が違います。

「ウォント」との決定的な違いは「する、しないの選択技があるかどうか」です。「ウォント」は必須ではなく純粋な望みに過ぎないので「しなくても許される」のですが、「マスト」は義務であるため、やや厳しい見方になりますが「しないと許されない」というニュアンスになります。

「ニード」はその中間にある言葉

また、意味や言葉の強弱において「ウォント」と「マスト」のちょうど間に位置するのが「ニード=need」です。「ニード」は「必要がある」ことを表す言葉ですが、カタカナ語では「ニーズ=needs(必要性)」で世間一般には知られているでしょう。

総じて、言葉の強弱を改めてまとめるなら、弱い順に「ウォント」「ニード」「マスト」となります。ビジネスシーンで使う時は、重要性がどれくらいあるのかを考えた上で、適語を選ぶようにして下さい。

「マスト」を使った例文とは?

ビジネスシーンで応用できる例文10選

続いて、「必須」「しなければならない」の意味での「マスト」について、ビジネスシーンで応用できそうな例文を10文挙げてみます。

  • 顧客への返事は3時がマストでお願いします。
  • 業務におけるPCはマストアイテムでしょう。
  • マストで頼んだ打ち込み、もう終わりましたか?
  • 相手にマストな条件を出してみよう。
  • 残業がマストであるとは限らない。
  • 接待では然るべきマストな振る舞いでよろしく頼むよ。
  • 部長が出席するのはマストでしょう。
  • マストだからと言って、従う義務は実際にあるのでしょうか?
  • 情報の更新は毎日マストで行っています。
  • マスト、マストって、どれも本当にしなくてはならない課題ばかりなのだろうか。

まとめ

「マスト」は「しなければならない」「義務」「必須」などの意味があり、「ウォント」より言葉の意味合いが強くなる表現となります。もしかしたら「マスト」こそが、現代のビジネス用語を代表するカタカナ語とも言えるかもしれません。

「マスト」は活舌がよく言いやすい言葉であるため、ビジネスシーンで濫用しがちです。しかし、あまり使い過ぎてしまうと「マスト」の意味において言葉の効力が失われてすることが懸念されます。「マスト」はものごとが本当に不可避な状態で「するしかない」「どうしてもしなければならない」と思う時だけ使うようにしましょう。