「勘定」の読み方は”かんじょう”で、「お勘定」や「勘定科目」などの言い回しがあります。簿記の用語としても使われる言葉のため、ビジネスシーンでもよく聞く言葉です。
この記事では「勘定」の4つの意味や語源をはじめ、使い方や類語「会計・考慮」との違いを解説します。また、英語表記についても紹介しましょう。
「勘定」の意味とは?
「勘定」の意味①数や金銭をかぞえること
「勘定」の意味は、“数量を計算したり、物の個数を数えること”です。金銭を計算することも「勘定」といいます。物品の数を数えてくださいという意味で「商品が何個あるか勘定してください」などと使います。
また、金銭を計算することも「勘定」です。おつりにもらった金額が違っていた場合に「おつりの勘定が合わないですが」などと使います。
「勘定」の意味②代金を払うこと
「勘定」には、“代金を払うこと”という意味があります。買い物をしたりレストランで食事をしたときに、代金を支払うことを「勘定をする」と言います。
また、支払いすることをさす場合には「お勘定」と「お」をつけることも多いです。
「勘定」の意味③先のことを予測すること
「勘定」の意味は“先のことを予測して行動すること”です。周りから受けることや起きるかもしれない不測の事態にそなえて、事前に考えて見積もっておくことをさします。
また、さまざまなことを考えて出した結論のことも「勘定」と言います。
「勘定」の意味④簿記における計算方法のひとつ
「勘定」とは、“簿記においては計算方法のひとつ”です。金額の増減を左右に分けて記録したり計算したりするための形式のことをさす言葉です。
資産・負債・資本の増減と、収益や費用の発生を記録し計算するための形式であり、それぞれの勘定についた名称のことを「勘定科目」と言います。
「勘定」の読み方と語源とは?
「勘定」の読み方は”かんじょう”
「勘定」の読み方は“かんじょう”です。「勘」には”考える・良く調べる”という意味の言葉。音読みでは「カン」、訓読みで「かんが(える)」と読みます。「定」は”決まり事・決める”という意味。音読みで「テイ・ジョウ」、訓読みで「さだ(める)」です。
「勘定」の語源は”考えだした結論”という意味の漢語
「勘定」は中国から入ってきた漢語のひとつです。もともとは「良く調べて考えてだした結論」のことをさしていましたが、次第に金銭や物の個数を数えるという意味が加わりました。さらに、支払いや先の見積もりの意味でも使われるようになり、現代のようなさまざまな意味の言葉として定着しています。
「勘定」の使い方と例文とは?
買い物や飲食店で代金を支払うとき
「勘定」という言葉は、買い物や飲食店で代金を支払うときに使う言葉です。客側が店員に対して「勘定してください」や「お勘定お願いします」などと使います。
行動するときに先のことを考えておくとき
「勘定」という言葉は、何か行動を起こす際に、先のことを考え対策をしておくというシーンでも使います。何かが起きる可能性を考えておくことは「勘定に入れる」という言い回しです。
たとえば、小さな子どもを連れて外出する場合に、途中で子どもが寄り道をする時間を考えておくことを「寄り道の時間を勘定に入れておく」と表現します。
「勘定」を使った例文
「勘定」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- この商品が何個あるか勘定してください。
- 経理に配属されたので勘定科目を必死で勉強しています。
- お勘定お願いします。
- 残業になることを勘定に入れて待ち合わせ時間を決めておこう。
- うっかりミスをすることも勘定に入れて仕事を進めておくと、万が一のときに安心だ。
「勘定」と類語の違いとは?
類語①「会計」とは”金銭の計算や支払いのこと”
「会計(かいけい)」とは、金銭の出入りを数えたり管理すること。「会」には”あう”などの意味の他に「数える」という意味があり、「計」にも”数や物事を数える”という意味があります。
また、買い物や食事の代金を計算するという意味もあり、支払いすることをさす「お勘定」に対して、代金を計算することを「お会計」とも言います。
- お会計はあちらでお願いします。
- あちらのお客さんは、お会計がまだ済んでいません。
類語②「考慮」とは”事前にいろいろと考えること”
「考慮(こうりょ)」とは、事前にいろいろを考えることです。「考」は”かんがえる・おもいはかる”という意味があり、「慮」は”よくかんがえる・用心してかんがえる”という意味があります。何か行動を起こす前に、さまざまなことを考えて周囲にも思いをめぐらせることが「考慮」です。
「先のことを予測すること」という意味の「勘定」と、ほぼ同じ意味と言えます。ただし、調べて考える「勘定」に対し、「考慮」は心配りをするというニュアンスです。
- 彼女の事情も考慮した上で結論を出しましょう。
- 明日は雪の予報なので、電車が止まることも考慮して予定を立てよう。
「勘定」の英語表現とは?
「勘定」の英語表現は、意味によって異なる
「勘定」の英語表現は、それぞれの意味によって異なります。
「数える」という意味の「勘定」の場合は“count”を使って表現できます。「お金を勘定する」ことは“count money”です。また、「代金を払う」という意味での「勘定」は“pay an account”や“pick up the tab”などのフレーズが当てはまります。
まとめ
「勘定(かんじょう)」とは、数を数えること、代金を払うこと、先の予測をすること、そして簿記の計算方法の、4つの意味がある言葉です。
お店で支払いをするときには、店員から客に「お勘定お願いします」などと使います。また、先の予測をするという意味の場合は「○○を勘定に入れる」です。簿記の用語としての意味もあり、経理や会計関係ではなじみのある言葉です。