契約書の収入印紙の貼り方は?貼る場所や必要金額と不要の条件も

契約書を作成したとき収入印紙の貼付が必要な場合があります。収入印紙の種類は200円から10万円まであり、必要金額を貼付します。また、契約書を2部作成した際には両方に貼付が必要です。

この記事では、契約書に必要な収入印紙について、貼り方や金額などを解説。どちらが負担するのかについても紹介します。

契約書の収入印紙の貼り方や貼る場所とは?

収入印紙の貼る場所は契約書の左上

契約書に収入印紙を貼る場合、貼る位置までは定められていません。空いているスペースに貼って問題ありませんが、一般的には契約書の左上などわかりやすい場所に貼付します。複数ページある契約書の場合は1枚目の上部に貼付しましょう。契約書に貼り付け欄が設けられている場合には、貼り付け欄に貼ります。

また、収入印紙を複数枚貼る場合には、重ならないよう並べて貼付します。

収入印紙を貼ったら消印を押す

契約書に収入印紙を貼付したら、必ず「消印(けしいん)」を押しましょう。消印とは、文書と印紙の両方にまたがって押す印鑑のこと。はがきや封筒の切手などに押される印鑑と同様で、収入印紙の再使用を防ぐためのものです。収入印紙は模様の部分にまでかかるようにします。印鑑は認印で問題ありません。また、印鑑がなければボールペンなどで署名を行ってもOKです。

文書と収入印紙にまたがり印鑑を押すことを「わりいん(割り印または割印)」という人もいますが、消印と割印は異なります。「割印(割り印)」は、ふたつの文書にまたがるように印鑑を押すことで改ざんや不正コピーを防ぐためのもの。文書と収入印紙に押すのは「消印」ですので混同しないようにしましょう。

契約書を2部作成した場合は両方に収入印紙が必要

一般的に、契約書は2部作成され契約をした双方が1部ずつ保管します。この時、作成した2部の契約書の両方に収入印紙の貼付が必要です。収入印紙を貼付したら、2部ともに消印を行っておきます。

「契約書」と「収入印紙」とは?

「契約書」とは”契約の成立を意味する書類”

「契約書」とは、”契約の成立を意味する書類”です。原則としてお互いの意思が合致すれば口頭でも契約は成立します。しかし、口頭だけでは契約内容を誤解していたり言った言わないなどのトラブルが発生する危険も。また、口頭で契約をした本人以外に内容を伝達する必要もあります。

契約内容やお互いの意思の確認のためにも文書としての契約書があれば安心です。トラブルの際には証拠にもなります。

「収入印紙」とは”課税文書に対する印紙税を払うもの”

「収入印紙」とは、”契約書や受取書などの課税文書に対して課せられる印紙税を支払うもの”です。印紙税を納税した証明として、必要な金額の収入印紙を課税文書に貼付します。

収入印紙は、郵便局をはじめ切手やはがきを扱っている商店で販売されています。コンビニエンスストアでも扱っていることが多いですが、高額な収入印紙は扱っていない場合もあります。

契約書の収入印紙の金額とは?

契約書の種類や取引の金額により異なる

契約書に貼付する収入印紙の金額は、契約書の種類や取引の金額により異なります。そのため、作成する契約書がどの文書に該当するかを確認が必要です。詳しくは国税庁のホームページで確認できます。

請負契約の契約書は200円から60万まで分かれている

請負契約の契約書の場合、印紙税は契約金額によって異なります。1万円以上から課税され、50億円を超える場合には60万円の印紙税が必要です。

工事請負契約書や広告契約書などがこれにあたります。

請負契約の印紙税の一例
  • 1万円以上100万円以下:200円
  • 100万円超え200万円以下:400円
  • 200万円超え300万円以下:1千円
  • 300万超え500万円以下:2千円

継続的な取引の契約書は一律4,000円

特定の相手と継続的に行う契約書の場合には、印紙税は契約金額に関係なく一律4,000円です。ただし、契約期間が3カ月以内で更新が定められていない契約書の場合には非課税になります。

売買取引基本契約書や特約店契約書などがこれにあたります。

契約書の収入印紙代はどちらが負担する?

印紙代は文書を作成した者が負担するか折半する

契約書の収入印紙代を負担するのは、原則として文書を作成した者が負担することになっています。契約書を1部のみ作成した場合には、作成した者が貼付することが多くなります。契約書を2部作成して双方がそれぞれを保管する場合には、それぞれが1部分の収入印紙を貼付するなど折半で負担することが一般的です。

後でトラブルにならないように、当事者間で事前に決めておくと良いでしょう。

契約書の収入印紙が不要な場合がある?

電子文書の契約書には収入印紙は不要

契約書をクラウド上で締結する電子文書を使用して作成した場合には、収入印紙は不要です。

電子文書を使用する場合には、相手が合意ボタンを押すだけで契約の締結が可能のため紙への印刷を必要としません。印紙税は紙の書類での契約締結の場合にのみ必要なため、紙で印刷をしない電子文書の場合には、収入印紙を貼付する必要がありません。

まとめ

契約書に必要な収入印紙の金額は、契約書の種類や契約の種類によって異なります。正しい金額の収入印紙を用意し貼付しましょう。貼付した収入印紙と文書にまたがるように押す消印も忘れないようにします。契約書を2部作成した場合には、両方に収入印紙の貼付が必要ですので、気をつけましょう。