「コロン」と「セミコロン」は英語句読点のひとつ。「コロン」は「:」、「セミコロン」は「;」と表記します。略語や単語を列挙するなど日本語や論文で使うことも。この記事は「コロン」と「セミコロン」の意味や違い、使い分けについての解説です。「カンマ」や「ダッシュ」などその他の記号についても紹介します。
「コロン」と「セミコロン」の意味や表記とは?
「コロン」と「セミコロン」とは英語句読点のひとつ
「コロン(:)」と「セミコロン(;)」は、どちらも“英語文での句読点のひとつ”です。似たような記号ですがそれぞれに明確な使い方のルールや違いがあります。
「コロン」の意味は日本語で”つまり”や”例えば”
「コロン」の意味は、“つまり・例えば”です。記号では「:」と表記します。
「コロン」は記号の前にある文章の内容について、記号の後ろで説明するための単語などをつなぐ役割として使用。詳しく説明するための単語を列挙する場合や、説明などを引用する場合に使用するのが「コロン(:)」です。
「セミコロン」の意味は”そして”や”または”
「セミコロン」の意味は、“そして・または”です。記号では「;」と表記します。
「セミコロン」は、記号の前にある文章と後ろにくる文章をつなぐ接続詞の役割です。使用する文は独立した文として表記しても問題ありませんが、「セミコロン」で前後につなぐことで、2つの文の関係性を強調させることができます。
「コロン」と「セミコロン」の違いと使い分けとは?
大きな違いは、記号の後ろが完全文か単語か
「コロン」と「セミコロン」の大きな違いは、記号の後ろに入るのが完全文か単語かの部分です。完全文とは、主語と動詞がありそれだけで成り立つ分のこと。どちらも記号の前には完全文が入りますが、後ろは違います。
「コロン」の場合は、記号の後ろは完全文である必要はありません。説明するための単語を列挙したり、補足事項を付け加えたりするためです。
「セミコロン」の場合は、記号の前も後ろも完全文です。2つの文を「セミコロン」が接続詞としてつなぎ、その関係性を強調する役割があります。
「コロン」はリストの列挙や説明文をつなぐ
- リストや例えの列挙する
「コロン」はリストや例えの単語を列挙してつなぎます。例えば、「彼女は甘いものが好きです」という英文に対し、甘いものの例を記号の後ろに列挙します。
- 要約や説明文・引用文・セリフをつなぐ
「コロン」は要約や説明文、引用文をつなげるのにも使います。例えば、「彼女は甘いものが好きです」という英文に対し、なぜ好きなのかの理由など補足や説明を「コロン」でつなぎます。また、引用文やセリフもつなぐことができます。
She likes sweet tooth:because it’s delicious,make her happy.
(彼女は甘いものが好きです。美味しいから、幸せにしてくれるから。)
「セミコロン」は2つの文をつなぐ
- 関連する2文をつなぐ
「セミコロン」は関連する2つの文章をつなぎます。この場合には、2つの文が同じ話題について触れられていることが条件です。
She likes sweet tooth; He likes spicy food.
(彼女は甘いものが好きで、彼は辛いものが好きだ。)
- 接続詞としてつなぐ
「セミコロン」は2つの文を接続詞としてつなぐ役割があります。
He is absorbed in study; therefore he would pass the test.
(彼は夢中で勉強しているので、テストに合格するだろう。)
「コロン」「セミコロン」以外の英語句読点とは?
「カンマ」は文の区切りを表現する
「カンマ」は「コンマ」とも呼ばれ、記号では「,」と表記します。「カンマ」は日本語文章での読点のイメージです。主に、3つ以上の言葉を並べるときに区切りとして使用したり、2つの文章をつなぐ場合に使用します。2つの文章をつなぐという使い方は「セミコロン」と似ていますが、「セミコロン」を使う場合は2つの文章の関係性をより強調する意味合いになります。
- I eat strawberry, banana, and grape yesterday.
(私は昨日、いちごとバナナ、そして葡萄を食べた。)
- He is absorbed in study. Therefore, he would pass the test.
(彼は夢中で勉強している。それゆえテストに合格するだろう。)
「ダッシュ」はカンマやコロンの代わり
「ダッシュ」は、記号では「―」と表記します。「ダッシュ」は文章に対して、挿入句を入れたり情報を補足したりする場合に使用します。「コロン」や「セミコロン」の代わりをしても使えますが、「ダッシュ」の方が形式ばらない印象。そのため、論文など正式な文書への使用は向きません。
「ピリオド(.)」は文末や略語の後ろにつける
「ピリオド」は、記号では「.」と表記します。日本語の句点と同じく、文章の切れるところに打ちます。また、単語を省略する場合にもつけます。
I eat strawberry yesterday.
(彼女は昨日いちごを食べました。)
- Mister → Mr.
- brothers → bros.
まとめ
「コロン」は記号では「:」、「セミコロン」は記号では「;」と表記します。どちらも英語文での句読点にあたる記号です。「コロン」は文章に対しリストの列挙や説明文をつなぎます。「セミコロン」は2つの文をつなぐ接続詞の役割です。
「コロン」は記号の前には完全文を置きますが、後ろにつなぐのは単語の列挙など完全文でなくてもかまいません。しかし、「セミコロン」は前後どちらにも完全文が入るところが、大きな違いです。主に英語文で使う記号ですが、日本語の文章や論文などでも使うことができるため、正しい使い方を把握しておきましょう。
She likes sweet tooth:chocolate,cakes,candy.
(彼女は甘いものが好きです。チョコレート、ケーキ、キャンディ)