「自身」の意味や使い方は?例文や類語「自分」「自体」との違いも

日常会話でも何気なく使っている言葉のひとつに「自身」があります。一般的には「おのれ」や「みずから」などの意味で、他の代名詞などにつけて使う場合にはその代名詞を強調します。

ここでは「自身」の意味や使い方と例文、類語である「自分」や「自体」との違いを解説。英語や韓国語での表現も紹介します。

「自身」とは?

「自身」の意味は”おのれ・みずからのこと”

「自身(じしん)」の意味は“おのれ・みずから”です。その他にも”そのもの・そのひと”など他人のことを指す意味があります。一般的に「自身」の前に代名詞などをつけ、その代名詞を強調する意味合いとして使われる言葉です。例えば「私自身」や「彼自身」などと使います。

「ご自身」は”自身”の丁寧な言い回し

「ご自身」は、「自身」に接頭語である「ご」をつけた丁寧語です。ビジネスシーンや接客などのシーンで、取引先や客に向かって相手のことをさす場合に「ご自身でお尋ねください」などと使います。「自分でお尋ねください」や「あなたがお尋ねください」などでも伝わりますが、より丁寧な言い回しです。

「自身」の使い方や例文とは?

「自身」がさす相手を強調する(単体で使う場合)

「自身」を単体で使う場合には、「おのれ」や「みずから」などの意味。

例えば話し手が「それはご自身の目で確認してください」と言った場合、「自身」は相手のことをさしています。「あなた(相手)の目で確認してください」とするよりも、より相手が強調されます。

「自身」がさす代名詞を強調する(代名詞につける場合)

「自身」という言葉は、他の代名詞などにつけて使うことが一般的です。この場合、「そのもの」や「それ自体」という意味で使われ、その代名詞を強調する意味合いがあります。

例えば「彼は何を考えているのかわかりません」でも成立する文章です。しかし、「彼自身がどう考えているのかはわかりません」と「自身」を加えることで、「彼」をさらに強調します。

「自身」を使った例文

「自身」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • それはご自身で確かめていただけますか。
  • これは私自身の考えです。
  • 彼自身が考えていることは彼しかわからない。
  • このプレゼントは彼女自身が購入したものです。
  • あの時の自分自身の行動を振り返ると、とても恥ずかしいです。

「自身」と類語「自分・自体」との違い・使い分けとは?

「自分」とは”その人、おのれ”という意味

「自分(じぶん)」とは、”その人・おのれ”という意味の言葉です。話し手が自分のことをさす代名詞としても使われ、この場合は「私」や「僕」と同様の使い方です。

「おのれ」という意味は”自身”と”自分”のどちらも持っている共通する意味です。しかし、「自身」には”そのもの”や”そのひと”などの意味があるのに対し、「自分」には”話している本人”をさす意味があるのが、大きな違い。話す側が本人をさす場合には「自分」を使うほうが伝わりやすいです。

例文
  • いま話したのは、自分の考えです。
  • 自分が考えていることは自分しかわからない。
  • このプレゼントは自分で購入したものです。

「自体」とは”そのもの、もともと”

「自体(じたい)」とは、”そのもの”や”もともとの”という意味です。多くは他の名詞などにつけ、その名詞を強調する意味として使います。

例えば、「会社のルールに問題がある」としても意味は伝わる文章です。これに「自体」をつけて「会社のルール自体に問題がある」とすると、「自体」がさしている「ルール」が強調されます。

一般的に「自体」が強調するのは「物」であり「人」に対しては使いません。ただし、相手が個人でなく団体などであれば使用します。「自身」は一般的に人に対して使用するところが大きな違いです。

例文
  • いま話したのは、会社自体の考えです。
  • このプレゼント自体がサプライズです。

「自身・自分・自体」の使い分け整理

「自身」は前に代名詞などをつけて、代名詞を強調する意味合いとして使います。「自分」は「おのれ」という意味であり、一人称である「私」や「僕」などと同様の人代名詞です。「自体」は「そのもの」や「もともとの」という意味で、他の名詞などにつけ、その名詞を強調する意味合いとして使用します。

「自身」の外国語表現とは?

「自身」は英語で”self”を使う

「自身」を英語では“self”を使って表現しましょう。日本語と同じように、一般的に他の代名詞などにつけて使います。

例文
  • oneself:自分だけではなく他人も含む自分自身を表現する場合
  • myself:わたし自身
  • yourself:あなた自身
  • herself:彼女自身
  • himself:彼自身

「自身」は韓国語で”자신(チャシン)”

「自身」は韓国語では“자신(チャシン)”と言います。「자신(チャシン)」は「自身」の他に「自分」という意味も持っているフレーズです。

まとめ

「自身」は「おのれ」や「みずから」という意味の言葉。一般的に他の代名詞などにつけてその代名詞を強調します。話し手が本人のことをさす場合には「自分」を使うほうが伝わりやすいです。

また「自体」は主に物に対して使用しますが、「自身」や「自分」は基本的に人に対して使うのが大きな違いです。