「プロセス」といえば「プロセスチーズ」「プロセスを踏む」などさまざまな言葉が頭をよぎりますが、もともと英語の「process」が語源で、カタカナ語として確立しました。
ここでは「プロセス」について意味と使い方を確認しながら、IT分野でのプロセス、ビジネスで知っておきたいプロセスの熟語などを紹介しています。これを機に、ぜひ言葉の理解を含めましょう。
「プロセス」の意味と使い方は?
はじめに「プロセス」の正しい意味と使い方について解説します。
意味は「経過」「手順」など多様
「プロセス」の意味は「目的に向けての一連の行為」です。細かく言えば、その一連の行為にある「経過」「過程」「手順」「方法」「変化」「作用」なども「プロセス」となります。
たとえば製品の製造においては「処理」「加工」、出来事や計画などにおいては「進行」「経過」「推移」、フィルムや写真においては「現像」などとなり、使われる分野や環境において意味が異なるのが特徴と言えるでしょう。
使い方は状況に応じて
「プロセス」という言葉は日常で無意識のうちに放たれる言葉でありながら、異なる意味と使い方を数多く持つ言葉の一つです。前述した意味にそぐう状況で使われるのがベストですが、あやふやな感覚で使ってしまうと相手に誤解を与えてしまうことがあります。
おもにビジネスでは仕事や業務の「進行」「経過」「手順」など、製造分野なら「処理」「加工」の意味で使うことがほとんどです。予備知識として抑えておきましょう。
「プロセス」の5つのビジネス例文
それでは続いて「プロセス」を使ったビジネス例文を5つ挙げてみます。
応用できる「プロセス」のビジネス例文
- 新事業の展開において、プロセスの見直しをすべきである。
- 営業戦略のプロセスを構築していこう。
- 各プロセスにおける担当者を決めてほしい。
- 成功への道のりは一つ一つプロセスを確実に踏むことにある。
- 一体どうしてこんなトラブルになったのかね?ことのプロセスを聞かせてくれ。
ITにおけるプロセスとは?
続いて「IT分野」における「プロセス」の意味について紹介しましょう。
ITでの「プロセス」は実行単位
IT分野での「プロセス」はコンピューターにてプログラムを使う時、CPUが実行する「実行単位」のことです。複数のプログラムに対し並列処理ができるのが特徴でしょう。
スレッドで構成されるのが「プロセス」
「プロセス」を細分化したのが「スレッド」です。ちなみにプロセス内では、同じプログラムを並列処理することができません。そのため「スレッド」を用いて正しく処理することが必要なのです。
「プロセス」はメモリを管理
「プロセス」はメモリを管理しています。プログラムでは実行コードとデータがメモリ上にありますが、通常CPUによって必要な時に取り出された後、実行されます。つまりコードとデータ両方の実行単位です。
またコンピューターのメモリ管理をしているのはOSであり、プロセスは処理単位であるため、メモリを管理する単位であることがわかります。言い換えれば「プロセス」がメモリを管理しているということになります。
「プロセス」3つの熟語表現
「プロセスレコード」の意味
「プロセスレコード」は看護師と患者との間のやりとりや経過が残る文章記録のことです。看護全般において患者の反応や行動、互いの認識の違い、患者の感情の変化など記録し、分析することで、より成熟した豊かな人間関係を学ぼうとするメソッドの一つです。
「プロセスアプローチ」の意味
「プロセスアプローチ」とは、組織の中での業務フローを「プロセス」と呼ばれる仕事単位で管理するという概念のことです。「プロセス」は「ISO9000-2000の4.1項」に挙げられた条件を満たしていることが前提です。
「プロセスバリデーション」の意味
「プロセスバリデーション」は医薬品を製造する過程や設備において、目標とするクオリティーに到達できるかを検討し文書化するものです。
人々の健康へと直接つながる医薬品では、さまざまな厳しい規定が設けられています。ちなみに「バリデーション=validation」は「妥当性を確認すること」という意味です。
「プロセスチーズ」の意味
チーズには大きく分けて「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類に分かれます。
「ナチュラルチーズ」は生乳を乳酸菌などで固め、乳清を一部除去したチーズのことで、熟成と非加熱の2つのタイプがあります。一方「「プロセスチーズ」は別名「加工チーズ」と呼ばれるもので、ナチュラルチーズに乳化剤を加え加熱して溶かした後、再度形を整えたチーズのことです。プロセスチーズは加工処理の段階で乳酸菌が死滅しているため、ナチュラルチーズに比べて保存できる期間は長くなります。
まとめ
「プロセス」はビジネスにおいては「経過」「進行」「変化」などを含む一連の行為を意味し、製造分野では「加工」「処理」、写真やフィルムの分野では「現像」という意味で使われています。
「ビジネスプロセス」「業務プロセス」などの熟語はビジネスシーンでもよく聞かれると思いますが、「プロセス」のビジネスでの意味が「経過」「過程」「手順」「方法」であることを知っていれば、困惑することもないでしょう。
また、IT業界では「プロセス」が実行単位を示すため、日常的な使い方とはかけ離れていることも理解できます。「プロセス」を使う時は状況や使い方を確認して用いたほうが良さそうです。