「ネグレクト」の意味と種類とは?定義・原因や子供への影響も解説

「ネグレクト」は近年大きな社会問題の一つになっています。子供に与える影響はもちろん、「ネグレクト」に至る原因は複雑化しており、ますます解決が困難になりつつあるのが現状です。

今回は「ネグレクト」という言葉の意味を深掘りしつつ、「育児ネグレクト」を中心にその原因や子供への影響を解説していきたいと思います。

「ネグレクト」の意味とは?

「ネグレクト」の意味は「ほったらかしにしてしまうこと」

全体的に「neglect」で言えるのは「人やものごとに対しての配慮おろそかである」ということです。つまり、意図的であっても、意図的でなくとも、ほったらかしの状態にしてしまうことを「ネグレクト」と言います。

「ネグレクト」の語源は英語の「neglect」

「ネグレクト」は英語の「neglect」のことで、「無視する」「ないがしろにする」「ほったらかしにする」「顧みない」「軽視する」などが意味として挙げられます。

また、不注意で「やり忘れる」仕事や役割を「怠慢にする」などの意味もあります。

「ネグレクト」の使い方の例

  • プロジェクトについて、先方から連絡がなく、ネグレクトされているようだ。
  • ネグレクトされている幼い子供は、どのようにして助けを求めれば良いのだろうか。
  • 洋服で隠れるような部分にできている複数のアザを発見して、ネグレクトを疑った。

ネグレクトの種類と定義

ビジネスで使われる「ネグレクト」

ビジネスシーンで「ネグレクト」を使う場合には、「署名を1000通集めたが、結局ネグレクトされた」「報告書を提出したが、未だにネグレクトされている」というように「無視」「ないがしろ」というニュアンスで使う場合がほとんどです。

職場では忙しさのあまり、一部の業務を「ネグレクト」してしまうこともあるでしょう。しかし、これは自分の不注意や判断ミスによるもので、のちにキャッチアップすることが可能です。

育児に対する「ネグレクト」

保護者が子供などの弱者に対して育児や養育を放棄してしまうのが「育児ネグレクト」です。この場合の意味はもっと深刻で「育児を放棄すること」となります。

育児ネグレクトの恐ろしいところは、状況が一転して「身体的」「心理的」「性的」虐待へとつながってしまうことです。

自分自身に対する「セルフネグレクト」

「セルフネグレクト」(自己放任)とは、自分自身に対してなげやりになり、日常生活を維持する意欲すらない状態に陥ってしまうことです。周囲へ助けを求めないことも特徴で、しばしば「自分へのゆるやかな虐待」とたとえられます。

極度のストレスや喪失感、社会的孤独などが要因で起こると考えられており、適切な支援が必要です。

育児ネグレクトが起こる原因と種類とは

育児ネグレクトの原因は「貧困」や「育児ストレス」など

育児を放棄してしまう「ネグレクト」の原因はさまざまですが、親の置かれた状況によって、複雑化してしまう事例も増えています。

原因を挙げると「貧困」「アルコール問題」「シングル・ペアレント(片親)」「育児ストレス」「精神障害」などです。加えて、核家族化が進み「周囲に育児の相談ができない」ことも大きな原因の一つといわれています。

「ネグレクト」の原因を追究するには、専門のカウンセラーや心療内科などで診察を受けるのが一番ですが、そこまでたどり着かないのが現状と言えるでしょう。「ネグレクト」は自分自身で気が付かない場合が多く、放棄しているという自覚症状がないのが特徴とされています。

育児ネグレクトをする親の特徴

もう一つ、「ネグレクト」をしてしまう原因として挙げられるのが「幼い頃に自分自身がネグレクトを経験している」ことです。愛情不足で育った人は自己否定感が強く、自分自身を受けいれることが困難な場合が多いと言われています。社会に対して嘘をつき、他人を受け入れることができない大人、つまり「アダルトチルドレン」へと化してしまうためです。

「ネグレクト」の原因にもなっている「アダルトチルドレン」から脱出するためには、「何も隠さず生きる決心」と「素っ裸になるための努力」が必要であると言われています。

育児ネグレクトの種類

子供に対する「ネグレクト」の種類は「家に閉じ込める」「食事を与えない」「ひどく不潔にする」「車の中に置き去りにする」「重病でも病院に連れて行かない」というものです。

また、子供の意思や要求を無視したり、親の都合だけを通し生活をコントロールしたり、義務教育である小学校や中学校に行かせない、予防接種を受けさせないことなども「ネグレクト」として考えられる行動です。残念ながら、これらの「ネグレクト」が原因で、命を落としてしまう子供もいます。

育児ネグレクトへの対応は「相談」または「通報」

まず自分自身に「ネグレクト」の傾向が見られたら、誰かにすぐ相談をして下さい。相談をする相手は家族、友達、地方自治体にある相談窓口、また児童相談所でも良いでしょう。肝心なのは誰かに話すことによって、自身の「ネグレクト」に気づき、意識し、改善に向かうプロセスが踏めることです。

また、第三者のネグレクトを発見した時は、迷わず「児童相談所」に通報しましょう。通報は匿名でできる上、相談内容の秘密は守られます。児童相談所が設けた全国共通ダイヤルは「189=いちはやく」で、ダイヤルすると住まいの最も近い児童相談所へつながるシステムとなっています(2020年11月現在)。通話料は無料です。

まとめ

「ネグレクト」の意味は「無視する」「軽視する」「ほったらかしにする」「怠る」などですが、日本での「ネグレクト」は、子供の育児や養育に対しての「育児ネグレクト」を指していることがほとんどです。

ビジネスシーンではあまり登場してこない言葉ではありますが、上司に「先週の課題、ネグレクトしてないか?」と言われたら「うっかり放置していないか?」という意味です。

「ネグレクト」は言葉が放たれる環境で意味合いが異なります。正しい使い方を修得して、誤解のないコミュニケーションを心がけましょう。