「ドラスティック」という言葉はビジネスや経済分野などで使われるカタカナ語ですが、意味がよくわからないという場合もあるでしょう。今回は「ドラスティック」の意味、使い方とビジネス例文、「ドラマティック」との違いと反対語を紹介しています。
「ドラスティック」とは?
さっそくですが「ドラスティック」の意味から説明していきましょう。
「ドラスティック」の意味は「現状がひっくり返るほどの変化」
「ドラスティック」の意味は、「現状までもがひっくり返るほどの変化」です。
たとえば、ビジネスシーンなら「ドラスティック・アクション=思い切った行動」「ドラスティック・アプローチ=過激なアプローチ」また、経済分野においては「ドラスティック・チェンジ=抜本的な改革」「ドラスティック・ポリシー=抜本的な具体策」などように使われます。
ちょっとした変化なら日常でも職場でもよくありますが、ものごとや状況を「根底から覆すほどの急激な変化」となる状況は頻繁にはないでしょう。そのような滅多にないような変化、つまり「価値観すら変わるほどの猛烈な変化」を「ドラスティック」と呼びます。
語源は英語の「drastic」
「ドラスティック」は英語の「drastic」のことで、変化に対して「極端な」「思い切った」「過激な」「急激な」「猛烈な」という意味がある言葉です。また、薬に関しては効き目や効果が極めて高い「劇薬」という意味があります。
「ドラスティック」に悪い意味はない
「ドラスティック」には「現状までもがひっくり返るほどの変化」という軸の意味合いがありますが、どちらかと言えば「進歩」「進化」に対して使われことが多いです。どちらかと言えば、良い方向への急激な変化を意味する言葉として解釈しておいた方が良いでしょう。
急激に落ちる、急激に下がる、などの表現に「ドラスティック」を用いるのは不適切です。そのため「ドラスティック」には意味的にも悪いニュアンスはないと言えます。ちなみに、同義語で考えるなら「radical=徹底的な」「progressive=進歩的な」などが意味的にはピッタリでしょう。
「ドラスティック」の使い方とビジネス例文とは?
続いて「ドラスティック」の正しい使い方とビジネス例文を紹介します。
「ドラスティック」は余程の出来事のみに使う
「ドラスティック」はちょっとした変化や出来事に対して使う言葉ではありません。たとえば、通常のビジネスプランにおいて、日程や人数を変更する程度では「ドラスティックな変化」とは言えないでしょう。しかし、常識を覆すような条件で取引先にアプローチをかける、など価値観を根底から覆すような状況であれば「ドラスティック」という言葉は輝いてきます。
「ドラスティック」は一般的に多用すべき言葉ではありません。本当に猛烈な変化に出会った時にだけ使うようにしましょう。
「ドラスティック」を使った例文
- 部長が打ち出したビジネス戦略は、かなりドラスティックである。
- ドラスティックなアイデアを出して、顧客を驚かせよう。
- 政府はドラスティックな改革を発表した。
- ドラスティックな計画案だが、やってみる価値はあると思う。
- 今までのグラフィックデザインにはない、ドラスティックな曲線を作り出そう。
「ドラスティック」の反対語とは?
それでは「ドラスティック」の反対語を見てみましょう。
反対語・対義語は「中庸」「マイルド」「末梢的」
「ドラスティック」の反対語、もしくは対義語にあたる言葉は「中庸」「マイルド」「末梢的」などです。「極端」に対し「中庸」、「過激」に対して「マイルド」、また「抜本的」に対し「末梢的」が挙げられます。
- 君のアイデアは理解できるが、やや末梢的な感じもする。
- 過激な発言はやめて、マイルドに事態を収めようじゃないか。
「ドラスティック」と「ドラマティック」との違いとは?
「ドラマティック(dramatic)」は感情に対して使う
「ドラスティック」に似た言葉に「ドラマティック=dramatic」がありますが、それぞれ意味が異なるため混同をしないように気を付けましょう。
「ドラマティック」は「劇的な」「飛躍的な」「目覚ましい」「印象的な」という意味の言葉です。細かく言えば、「ドラスティック」は思考やアイデアに対して使われるのに対し、「ドラマティック」は人の感覚や感情に対して使う言葉です。突然ものごとが起こりワクワクする、美しい光景などが目に焼き付くというように、心が大きく動く様子を表す時などに「ドラマティック」を使うと良いでしょう。
まとめ
「ドラスティック」は「思い切った」「急激な」「猛烈な」という意味で使われるカタカナ語です。おもに「急激な変化」を意味しますが、中でも「常識や価値観が根底から崩れるようなとんでもない変化」を表す言葉であるため、小さな出来事や変化に対して多用するのは避けるようにしましょう。
ビジネスで「ドラスティック」という言葉を使う時は、ほとんど「アイデア」「思考」「計画案」などだと考えられます。大きな進歩や改革を必要としている時には急激な変化を余儀なくされることもあるでしょう。
ドラスティックなアイデアとドラスティックな計画は、時として企業を奇跡的に成長させることもあります。