「敏捷」とは主に「動作が素早い」という意味で用いられています。「敏捷」の意味があるカタカナ語「アジリティ」は、ビジネス用語としても定着しているため覚えておくと便利です。「敏捷」の意味や例文、また類語「俊敏」との違いや敏捷トレーニングの基本もご紹介します。
「敏捷」の意味と読み方
「敏捷」の意味は「動作が素早い」「判断が早い」
「敏捷」の意味には2つあります。主に用いられる意味は「動作が素早いこと、素早い様子」です。もう1つの意味は、現在ではあまり使用しませんが「理解・判断が早いこと」やその様子を表します。
「敏捷」の読み方は「びんしょう」
「敏捷」の読み方は「びんしょう」です。基本的には他の読み方はしませんが、人名の場合は「としかつ」と読むこともあります。
「敏捷い」と書く場合の読み方は「はしこい」
「敏捷い」と書く場合「はしこい」と読みます。利口で素早いことや、判断が早いことを意味する表現です。
基本的にはあまり使われない漢字表記ですが、過去の文芸作品などで目にすることもあります。読書が好きな方や、仕事で歴史や古い本に接する方は覚えておくとよいでしょう。
「敏捷」の使い方と例文
「敏捷」は主に「動作が素早い」意味で使う
「敏捷」には2つの意味がありましたが、主に使う意味は「動作が素早い」です。スポーツ以外にも、日常や仕事の中の動作に使用可能ですが、日常会話で使うことはあまりありません。
スポーツやゲームの用語としても用いられ、キャラクターの素早さを表すパラメーターを「敏捷」や「敏捷性」と表現します。
「敏捷」を意味する「アジリティ」はビジネスで使う
「敏捷」という意味の英単語を元にした「アジリティ」は、ビジネス用語として用いられています。「企業などの環境・状況の変化に適応する素早さと柔軟性」という意味で、「ビジネスアジリティ」とも呼びます。
仕事を進めるスピードと「アジリティ」は分けて考えられるのが一般的です。アジリティは、臨機応変な対応や組織としての意思決定の速さを意味しています。
「敏捷」を使った例文
- 彼の敏捷な身のこなしを見て、サッカー部に勧誘しようと決意した。
- そのゲームは、敏捷性の低いキャラクターでも簡単にクリアできるよ。
「敏捷」と「俊敏」の違い
「俊敏」は「判断が早い」の意味合いが強い
「敏捷」の類語は「俊敏(しゅんびん)」です。どちらも素早いことを意味する言葉ですが、違いは「素早さの対象」にあります。「敏捷」は単純に動作の素早さや運動神経の良さを表現します。
一方、「俊敏」が表するのは「判断の早さや判断を元にした行動の素早さ」です。また「俊敏」には判断力だけでなく「頭の回転が早い」「才知に優れる」などのニュアンスもあります。
「俊敏性」はスポーツの「動き始めの瞬間的な早さ」
スポーツの分野では、「俊敏」や「俊敏性」は「動き始めの瞬間的な早さ」という意味で用いられています。日常的な「俊敏」とは意味が異なるため注意しましょう。
ちなみに「俊敏性」自体が、スポーツ分野でしか使わない用語(一般的には俊敏に「性」をつけない)という意見もあります。
「敏捷」の類語と対義語
「敏捷」の類語は「敏速」や「敏活」
「敏速(びんそく)」「敏活(びんかつ)」も、俊敏の類語になります。どちらも行動が素早いことや、その様子を意味します。
使い分けのポイントは「素早さの対象」です。「敏速」「敏活」は、頭の回転の良さから行動や反応が早いことを意味するため、前述した「俊敏」に近いニュアンスがあります。
「敏捷」の対義語は「鈍重」「緩慢」
「敏捷」の対義語には「鈍重(どんじゅう)」「緩慢(かんまん)」があります。どちらも動きがゆっくりしていることやその様子を表現する言葉です。
「鈍重」と「緩慢」の違いとして、「鈍重」には動きだけでなく「反応が鈍い」というニュアンスも含まれています。
「敏捷性」を鍛えるトレーニング
敏捷性を鍛える「ラダートレーニング」
敏捷性を鍛えるさまざまな方法がありますが、代表的なものがラダーを使用する「ラダートレーニング」です。ラダーと呼ばれるはしご状の機器を地面に置き、ジャンプやステップをしてトレーニングします。敏捷性だけでなくバランス力や体幹も強化することが期待できます。
敏捷性を高めるには「バランス力も必要」
敏捷性トレーニングをする前に「バランス力」をしっかり鍛えた方が良いという意見もあります。「バランス力」とは、姿勢をコントロールして任意の構えを維持する能力です。バランス力が低いと身体が素早い動きに対処できず、転倒や怪我につながる可能性があります。トレーニングをする場合は、信頼できるトレーナーや医師などに相談してから行いましょう。
まとめ
「敏捷」はスポーツやゲーム用語の他、英語を元にしたカタカナ語「アジリティ」としてビジネスシーンでも用いられる言葉です。また、類語の「俊敏」は「頭の回転や判断の早さ」を表すため「敏捷」とはニュアンスが少し異なります。分野によって意味が変わるため、しっかり把握しておきましょう。
(動きに無駄がない素早い仕事ぶりを表す)
(頭の回転や判断が早い仕事ぶりを表す)