「恥ずかしい」と「気恥ずかしい」はどちらも「照れくさい」という意味ですが、恥ずかしさの程度に違いがあります。この記事では「恥ずかしい」と「気恥ずかしい」の意味の違いや、使い分け方を例文とあわせて解説します。また、類語や英語表現も紹介しましょう。
「恥ずかしい」の意味と使い方は?
「恥ずかしい」の意味は「照れくさい」「体裁が悪い」
「恥ずかしい」には主に2つの意味があり、1つ目の意味は「照れくさい」です。体裁が悪いと感じられるので人目につきたくないという気づまりな状態を表しています。良いことや悪いことなどとは関係なく、何かをすれば気まずくなるような感情です。
「恥ずかしい」のもう一つの意味は、「体裁が悪く感じること」です。自分のミスや短所、苦手なことなどを自覚して、それを人前などで行うときに分が悪く感じたり、体裁が悪く感じたりすることを「恥ずかしい」と表現します。
- 初めて手を握られ時、恥ずかしい思いがした
- そんな変な行動をして、恥ずかしくないのか
- サッカーの試合でPKを外して、恥ずかしかった
- 同期は昇進するのに、自分は平社員のままで恥ずかしく感じた
使い方①「恥ずかしながら」
「恥ずかしながら」とは「恥ずかしいことですが」という意味の表現で、ビジネスシーンでよく使われています。自分のしたことや勤務している会社や部署のミスを謝るときや、謙遜するときなどに使われます。
恥ずかしながら、今月の売り上げがトップで表彰されました
使い方②「お恥ずかしい限り」
「お恥ずかしい限り」とは「大変恥ずかしい」という意味で、相手に対して恥ずかしいことを打ち明けるときや謙遜するときなどに使われます。「お恥ずかしい」の「お」は敬語の意味を表す接頭辞で、「限り」が程度の限界を表しているので、「お恥ずかしい限り」は相手を敬う気持ちを込めて恥ずかしいと伝えるときに使います。
この度の失態はお恥ずかしい限りです
「恥ずかしい」と「気恥ずかしい」の違いとは?
違いは「恥ずかしさの程度」
「恥ずかしい」と「気恥ずかしい」との違いは、「恥ずかしい」という気持ちの程度の問題です。どちらも恥ずかしいという気持ちを表しているのですが、「恥ずかしい」の方が「気恥ずかしい」よりも恥ずかしいという気持ちが強くなります。
「恥ずかしい」は体裁が悪い時にも使える
また「恥ずかしい」は体裁が悪いときにも使えます。自分の欠点などを自覚しているときに、人前に出るには具合が悪い、面目が立たないというようなときに使われます。このような意味での使い方は、「気恥ずかしい」にはありません。
「気恥ずかしい」の意味は「なんとなく恥ずかしい」
「気恥ずかしい」とは「すこし照れくさく、なんとなく恥ずかしい」という意味です。「恥ずかしい」の前につく「気」は「心に感じるあたりのようす」という意味なので、「気恥ずかしい」は「少し恥ずかしい」という気持ちを表しています。
「気恥ずかしい」は少し恥ずかしい時に使う
「気恥ずかしい」は、少し恥ずかしいと思うときに使われます。小さな出来事やちょっとしたミスなど、恥ずかしがるほどではないけれど、少し恥ずかしいという気持ちのときに使います。
- 直接、本人に言うのは気恥ずかしい
- 初めての子どもの発表会は、見ているこっちが気恥ずかしい
- みんなの前で褒められて、気恥ずかしくなった
「恥ずかしい」の類語とは?
「恥ずかしい」の類語①「照れくさい」
「恥ずかしい」の類語には「照れくさい」と「面映ゆい(おもはゆい)」があります。「照れくさい」とは「きまりが悪く、恥ずかしい態度や顔をすること」という意味で、「恥ずかしい」の言い換え表現としてよく使われます。
「恥ずかしい」との違いは、「照れくさい」は恥ずかしいという気持ちのあまり態度や表情が変わることに着目されていることですが、意味上はほとんど違いがありません。
「好き」と言うのは照れくさい
「恥ずかしい」の類語②「面映ゆい」
「面映ゆい(おもはゆい)」とは「照れくさい」という意味ですが、「特に何かをしたり、何かをされたりしたときに、相手に向かって行うときは照れくさい」というときに使われる言葉です。
「恥ずかしい」との違いは、「恥ずかしい」は恥ずかしいと思うときの状況に関係ありませんが、「面映ゆい」は人前で何かを行うときにのみ使われることです。
みんなの前で名前を呼ばれたので、面映ゆかった
「気恥ずかしい」の類語とは?
「気恥ずかしい」の類語①「小恥ずかしい」
「小恥ずかしい」とは「少し恥ずかしい」という意味で、「小」が恥ずかしさの程度が少ないことを表しています。「こはずかしい」だけでなく、「こっぱずかしい」と言われることもあるでしょう。
「気恥ずかしい」の類語②「うら恥ずかしい」
「うら恥ずかしい」とは「恥ずかしいことはしていないのに、恥ずかしく感じる気持ち」という意味です。「うら」が物事の反対側という意味だからといって、「うら恥ずかしい」は「恥ずかしくない」という意味ではなく、「恥ずかしいことはしていないのに恥ずかしい」という意味で解釈されます。
「気恥ずかしい」の類語➂「きまりが悪い」
「きまりが悪い」とは「照れくさい」という意味です。本人がバツが悪い、体裁が良くない、みっともないと思われるときに使われます。
上司が込み入った話をしているときにドアを開けてしまって、きまりが悪かった
「恥ずかしい」の英語表現とは?
「恥ずかしい」は英語で「embarrassed」
「恥ずかしい」は英語で「embarrassed」、文章では「be embarrassed」のかたちで用います。なお、「気恥ずかしい」も「embarrassed」を使って訳されることが多いです。
少しだけ恥ずかしいというニュアンスを伝えたい場合は、動詞を工夫して「be」の代わりに「感じる」という意味の「feel」を使うことで少し内気な感じが表せます。
その他「embarrassed」の類義語には、「ashamed」や「sky」もあります。
「恥ずかしい」の英語例文
- “I was embarrassed, because I made a mistake in front of audiences.”
「観客の前で失敗をしたので、恥ずかしかった」 - “I felt embarrassed, because she stared me.”
「彼女が見つめるので気恥ずかしかった」
まとめ
「恥ずかしい」と「気恥ずかしい」の違いは、「気恥ずかしい」のほうが「恥ずかしい」という気持ちが少なめだということです。どちらの言葉がふさわしいか、自分の気持ちを確かめながら使い分けるといいでしょう。