「生家」の意味と正しい読み方は?類語「実家」との違いや対義語も

生まれた「家」のことをさして「生家」といいます。読み方は一般的に「せいか」ですが、「しょうか」とも読みます。似た意味の言葉に「実家」がありますが、どう違うのでしょうか。

「生家」の意味と使い方を例文とともに解説します。また「故郷」や「出身」など類語との違いや対義語、英語訳も紹介しましょう。

「生家」の意味とは?

「生家」の意味は「生まれた家」

「生家」とはその人の「生まれたときに住んでいた家」をさす言葉です。結婚や養子縁組などで他家へ出た人が自分の生まれた家をさして使います。

基本的に建物自体をさしており、実際に生まれた時に住んでいた家が「生家」です。

読み方は「せいけ」ではなく「せいか」「しょうか」

「生家」の読み方は「せいか」ですが、他に「しょうか」と言う読むこともあります。「しょうか」も間違いではありませんが、一般的には「せいか」が使われています。

「せいけ」という読み方は誤りとなるため注意しましょう。

「生家」の使い方と例文

「生家」は「生まれた家自体」を表す

「生家」は、「生まれた家」に対して使う言葉です。他人の生まれた家をさす場合にも「ここは有名な音楽家の生家です」のように使います。

結婚や養子縁組などで他の家に出た場合にも、自分が生まれた時に住んでいた家を「生家」と言います。この場合には「実家」とほぼ同じ使い方です。その人が生まれた時の建物であるという意味で「生家」と表現するため、継続して両親や家族が住んでいなくても問題ありません。

「生家」を使った例文

  • ここは彼女の生家です
  • あの文豪の生家がこの街にあります
  • 子どもの頃から何度も引っ越しているので、生家がどこかわかりません

「生家」と「実家」の違いは?

「実家」の意味は「生まれた家・実父母の家」

「実家(じっか)」は「自分の生まれた家」という意味です。また「実の両親が住んでいる家」もさします。結婚で他家へ出るなど、別の場所に住んでいる人から見て「現在両親が住んでいる家」が「実家」です。

親族や身内が住んでいるなら「実家」と言えますが、売却して他人が住んでいる場合は「実家」とは言いません。

「生家」と「実家」の違い

「生家」も「実家」も「生まれた家」をさす点は同じです。「実家」には実の両親が住んでいる家という意味もあります。そのため、生まれた時とは違う家であっても、実の両親が住んでいればそこが「実家」です。

しかし、「生家」には「生まれた時に住んでいた家(建物)」という意味しかありません。引っ越した後、現在は他人が住んでいたとしても「生まれた時に住んでいた家」は「生家」です。ここが大きな違いと言えるでしょう。

「生家」の類語・対義語は?

「生家」の類語は「故郷」

「故郷(こきょう)」とは「生まれ育った場所」のことです。「故」には「ふるい」や「もとの」という意味があり、「郷」には「さと」や「いなか」という意味があります。

自分が生まれ育った街や集落などをさして「私の故郷はあの街です」などと表現します。すでにそこに自分の実家がなくても、関係なく使える言い回しです。

「生家」は生まれた家自体をさしますが、「故郷」は生まれ育った場所や地域をさすのが大きな違いです。

「出身」も「生家」の類語

「出身(しゅっしん)」とは、「その場所や地域の生まれ」であることを表します。また、学校や身分・団体などに所属していたことをさして「〇〇出身」などとも使う言葉です。

自分が生まれ育った場所が大阪なら「僕は大阪の出身です」と表現します。また、卒業した学校については「〇〇大学出身」のように言い回します。「出身」は生まれた場所や所属した団体など、広く使うことができる言葉です。

「生家」の対義語は「養家」「婚家」

「生家」の対義語には「養家(ようか)」や「婚家(こんか)」が当てはまります。

「養家」とは養子縁組で入った家のことで、養親が住んでいる家もさします。また「婚家」は結婚で嫁いだ先の家のことをさします。嫁入り先でも婿入り先でも同じです。

「養家」と「婚家」は、どちらも基本的に自分が現在戸籍上で属している家や家族が住む場所をさしています。

「生家」の英語表現は?

「生家」の英語表現には「parents」を使う

「生家」の英語表現には「両親」という意味の「parents」を使って「parents’ home」や「parents’ house」と表現します。どちらも「両親の住む家」のことであり「実家」とも訳せます。

「house」は家そのものをさしており、「生家」の「生まれた家」というニュアンスに近いと言えるでしょう。「home」は家だけではなく生まれ育った場所という意味も含みます。

「born」や「birth」を使って表現も

「生家」の「生まれた家」というニュアンスをより表現するには、「生まれた」という意味の「born」や「誕生」「出生」という意味の「birth」を使うと、より近い表現ができます。

例文
  • This is the house where he was born(これは彼の生家です)
  • This is the house of my birth(これは私の生家です)

まとめ

「生家」とは「生まれた家」という意味の言葉で、家(建物)自体をさして用いられます。類語の「実家」も「生まれた家」という意味を持ちますが、「実の両親が住んでいる家」という意味もあります。

現在他人が住んでいたとしても、生まれたときに住んでいた家自体をさして「あの著名人の生家が残っている」のように使う例が多いです。