「イディオム」は慣用句や成句、熟語などを指し英語学習でよく聞かれる言葉です。英語のイディオムにはかっこいいイディオムがたくさんありますが、覚えられなくて悔しい思いをしたことはありませんか。
この記事では「イディオム」の意味や英語の「idiom」との違いのほか、イディオムのおすすめの覚え方を紹介します。
「イディオム」の意味とは?
「イディオム」の意味1「慣用句」
「イディオム」とは「慣用句」のことで、「一続きにまとまった特有の言い回し」という意味です。文法や論理的な表現とは関係なく、習慣的に使われている言葉のつながりで意味も通っている表現を指します。一般的には2語以上の言葉が結びつき、1つの特定の意味を表しています。
「イディオム」には結びついた言葉のそれぞれの意味からイディオムとして使われた時の意味を推測できるものもあれば、推測できない全く違う意味のものもあります。
- 「相づちを打つ」:相手の話にあわせて受け答えをすること
- 「足を引っ張る」:他人の成功や他人が前に行こうとするのを妨げること
- 「顔が広い」:知り合いが多いこと
「イディオム」の意味2「成句」
「イディオム」には「成句」という意味もあります。「成句」とは「一続きにまとまった特有の言い回し」という慣用句と同じ意味もありますが、同時に「古くから伝わる文句」という意味もあります。例えば、ことわざや格言も成句のひとつです。
- 「時は金なり」:時間は貴重で大切
- 「人の振り見て我が振り直せ」:他人の振る舞いを見て、正しい振る舞いを覚えること
「イディオム」の意味3「熟語」
「イディオム」には「熟語」の意味もあります。「熟語」とは2語以上の言葉が結びついて1つの単語として使われている言葉のことです。
その一方で「熟語」は「複合語」という意味もあります。「複合語」とは、2つ以上の要素に分かれる言葉が結びついて新しい単語となった言葉で、「男女」「水筒」「本棚」などが例として挙げられます。複合語の反対語は「単純語」で、「父」「姉」などそれ以上は分けられない言葉を指します。
「イディオム」と英語「idiom」の違いとは?
英語「idiom」の意味は「熟語」
「イディオム」の語源となった英語の「idiom」ですが、「idiom」の意味は「2つ以上の語が結びつき特有の意味のある表現」です。
例えば、“turn up”は「現れる」という意味の「idiom」です。この「現れる」という意味は、「turn」と「up」のそれぞれの意味からは想像しにくいでしょう。このような表現を「idiom」と言います。
- “once in a while”:しばらくの間
- “a piece of cake”:簡単にできるタスクのこと
「イディオム」と「idiom」の違い
日本語の「イディオム」は「2語以上の言葉が結びついた表現」という広い意味がある言葉で、慣用句から成句、熟語も含まれます。
一方、英語の「idiom」は「熟語」という意味であり、かつ「特有の意味を持つ表現」に限定される点で「イディオム」とは違います。
イディオム集には句動詞や定型表現も含む
英語のイディオム集やイディオム辞典などでは、日本語の「イディオム」に分類される言葉が掲載されています。
英語のイディオムを覚えるために「idiom」だけが収集されているように思われますが、実際には「idiom」に分類される熟語以外にも「take away」のような動詞と前置詞または副詞から成る「句動詞」、決まり文句のような「定型表現」、ことわざや慣用句なども掲載されているのが一般的です。
- “Failure teaches success.”:失敗は成功の母である
- “No pain, no gain.”:痛みなく得るものはない
イディオム(熟語)の覚え方とは?
覚え方1:短文を作って何度も発音する
「イディオム」だけを並べて丸暗記する方法は、覚えにくいだけでなく覚えたことが定着しにくい覚え方です。効率的なイディオムの覚え方は、イディオムを入れた短文を作り何度も発音してみることです。
短文を作ることでイディオムの意味だけでなく使い方も覚えられます。さらに作った短文を発音してアウトプットすることで、記憶に残りやすくなります。自分の身近なことなどを取り入れた文章だと、より一層覚えやすくなるでしょう。
覚え方2:テーマ別にイディオムをまとめる
イディオムを無差別に並べるよりも、テーマごとにイディオムまとめます。例えば、「食べ物を使ったイディオム」というようにまとめることで、イディオム同士を関連付けられて覚えやすくなります。
- “Spice things up”:(直訳:スパイスを加える)楽しくする
- “to be cool as a cucumber”:(直訳:きゅうりのように涼しくなる)リラックスする
- “to bring home the bacon”: (直訳:ベーコンを家に持って帰る)生計を立てる
覚え方3:基本単語を中心にまとめて覚える
英語には、基本となる動詞に前置詞や副詞が変わることで意味が変わるイディオムがたくさんあります。そうしたイディオムを並べて比較すると、それぞれの意味が明確になり覚えやすくなります。
- “look at”:注意深く見る、意見を持つ、決断するためによく見る
(例文)“My mother looks at my face.” - “look back”:後ろを見る、思い出す
(例文)“Because I looked back, I could find what we went wrong.” - “look down on”:見下す、軽蔑する
(例文)“My brother looks down on me.” - “look into”: 問題や状況に関する事実を調べる
(例文)“I look into buying a new smartphone.
まとめ
「イディオム」とは慣用句や成句、熟語という意味がありますが、英語の「idiom」は熟語でも特に特有の意味を持つ熟語と言う意味になります。「イディオム」は「idiom」が語源の言葉ですが、「イディオム」と「idiom」では意味が違うことを覚えておきましょう。