「考える」の敬語表現とは?ビジネスで使える類語やメール例文も

「考える」の敬語表現には「考えます」や「考えておきます」などがありますが、ビジネスシーンではどのように使い分けるのでしょうか。

この記事では「考える」の丁寧語・謙譲語・尊敬語それぞれの敬語表現を紹介します。また、ビジネスシーンで使える「考える」の敬語表現や類語も解説しましょう。

「考える」の謙譲語・尊敬語・丁寧語

「考える」の謙譲語は「考えております」

「考える」の謙譲語には「考えております」という表現があります。謙譲語とは、自分がへりくだることで相手に敬意を示す表現で、「考えております」の「おります」に「いる」の謙譲語「おる」が使われています。

「考えております」は、自分が考えていることを丁寧ながら相手を敬うときにわれます。

例文

社会貢献をしたいと考えております

「考える」の尊敬語は「考えていらっしゃる」

「考える」の尊敬語は「考えていらっしゃる」です。「いる」の尊敬表現である「いらっしゃる」を使い、相手に敬意を表します。また「考える」の尊敬表現には「お~になる」という形式を使った「お考えになる」という表現もあります。

「考えていらっしゃる」や「お考えになる」は上司などの目上の人や、取引先の顧客などが考えているときに使います。

例文

社長は事業売却を考えていらっしゃいます

「考える」の丁寧語は「考えます」

「考える」の丁寧語は「考えます」です。丁寧語は敬語のひとつで、相手に敬意を表すための表現です。丁寧語は尊敬語ほどに敬意を度合いが大きくないため、目上の人から目下の人にまで丁寧に物事を伝えたい時に使われます。

例文

顧客の信頼を回復することを優先するのが重要だと考えます

「考える」のビジネスで使える敬語表現と例文

「考えます」はビジネスメールで「検討する」

「考えます」とは「考える」の丁寧な表現で、丁寧に物事を伝えたい時に使える便利な表現です。自分の考えていることを主張するときによく使われます。

しかし、会社の見解として外部に考えを伝える場面やビジネスメールでは、あらたまった印象のある「検討する」「一考する」を使った方がよいでしょう。

例文
  • 次回のミーテイングまでに新プロジェクトを考えます
  • 検討したところ、今回はお取引を見送らせていただくことになりました

「考えておきます」には断りの意味合いも

「考えておきます」とは言葉上では「もう少し考える」という意味ですが、ビジネスでは断りの表現として使われることが多いです。

はっきりと断ると相手に申し訳ないという配慮から、「考えておきます」と返事をして答えを保留して遠回しに断ります。もしもビジネスシーンで相手から「考えておきます」という返答をもらったら、その後のいい返事は期待しないほうがいいでしょう。

「考えたいと思います」は正しい敬語表現

「考えたいと思います」は「改めて考えたい」や「検討したい」と思うときに使われます。「~と思います」は「思う」の丁寧語で、「考えたいと思います」は正しい敬語表現です

敬意を高めた表現にしたければ、「考えたいと存じます」や「~したいと考えております」のように謙譲表現を使うといいでしょう。

例文

商品化できるかどうか考えたいと思います。

「考える」ことを依頼する丁寧な表現

目上の人に考えてほしいことを伝えるときには、「考えていただけませんか」という表現を使います。「考えてください」では命令形となり、相手への敬意を欠くため使わないほうがよいでしょう。より丁寧な表現には「ご検討をお願いいたします」「ご検討いただけないでしょうか」もあります。

例文

案件を却下する前に、改めて考えていただけませんか

「お考え」は相手の考えに敬意を示す尊敬語

相手の考えを問う場合は、「お考えですか」「お考えでしょうか」と表現します。「お考え」という尊敬語が使われていますが、使い方によっては相手を攻めているように聞こえてしまうこともあります。目上や社外の人に対しては、「相手の考えをぜひ聞きたい」という姿勢が伝わるよう表現に気をつけましょう。

例文
  • 本サービスの継続利用はお考えでしょうか
  • ぜひ、○○様のお考えを聞かせてください

「考える」の敬語表現の類語・言い換え表現

「ご賢察」とは察するという意味の尊敬語

「賢察」とは事情や心情を「思いやること」「察すること」という意味の言葉です。「ご賢察」で尊敬表現となり、相手に事情を察してもらいたい時などに使われます。

「賢察」に尊敬の意味が含まれているため「ご賢察」にすると二重敬語ですが、慣用的に使われており誤用にはならないと考えられています。

「ご賢察」の例文

当社の事情をご賢察くださいますようお願い申し上げます。

「ご高察」とは優れた推察力を敬う類語

「高察」とは相手を敬った推察するという意味の言葉で、相手の思慮深さが特に深いと感じられたときに使われます。相手を褒める場合や相手に考えてもらいたいとお願いするときなどに、よく使われます。

「ご高察」の例文

わが社の新商品をご高察いただければと存じます。

「拝察する」はビジネスでも使える言い換え

「拝察する」とは、推察するという意味の謙譲表現です。かしこまった表現で、ビジネスシーンや冠婚葬祭でのスピーチなどで使われます。

「拝察する」の例文

貴社におかれましては、ますますご隆盛のことと拝察いたします。

まとめ

「考える」の敬語表現は、謙譲語では「考えております」尊敬語は「考えていらっしゃる」丁寧語なら「考えます」のように、語尾を変えることでさまざまな敬意を表す表現になります。ビジネスシーンでもよく使われる「考えておきます」には断る意味合いがあるなど、特別な意味合いを持つ表現もあります。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。