「休憩」とは「ひと休み」という意味ですが、勤務中の休憩時間は労働基準法にも定められている労働者に与えられている権利です。この記事では、「休憩」の意味のほかに、「休憩時間」の法的な意味や休憩時間を与えるためのルールなどを解説します。類語や英語などの外国語表現も紹介しますので、ご参照ください。
「休憩」の意味とは?
「休憩」とは「ひと休み」のこと
「休憩」とは「ひと休み」という意味です。仕事や勉強、運動など、何らかの活動をしている途中で、一度、活動することをやめて休むことです。
「休憩」の「憩」という漢字は訓読みで「いこ(う)」と読み、その意味は「くつろぐこと」です。「休」は「心身ともに楽にすること」なので、「休憩」とは「ゆったりとくつろぎ、心身ともに楽にすること」という意味になります。
「休憩」の例文
- 今は休憩の時間です
- 休憩をとりながら、作業をすすめた
- 休憩後に、仕事に戻る
労働基準法で定めた「休憩」の意味とルールとは?
「休憩時間」とは「業務から完全に離れる時間」
労働基準法で定める「休憩時間」とは、「労働者が業務から完全に離れられる時間」です。休憩中の労働者は仕事をすることはできませんので、業務の一環と考えられる電話対応なども禁じられています。
会社が従業員に休憩時間を与えることは義務です。もしも規定のとおりに休憩時間を与えていなかった場合には、6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられます。
休憩が必要な理由は健康管理と作業効率の向上
休憩時間が必要な理由は、労働者の健康管理と作業効率の向上のためです。適度に休憩をとることで、労働者の精神的または肉体的な疲労をとり、労働者の健康を保ちます。また休憩すればリフレッシュもできるので、作業効率が上がります。
6時間勤務での休憩時間は45分
労働者が与えられるべき休憩時間は、法的に定められています。
労働時間 | 休憩時間 |
6時間以下 | 休憩を与える義務はなし |
6時間~8時間以下 | 45分以上 |
8時間超 | 1時間以上 |
休憩時間は就業規則に規定する
休憩時間については会社の就業規則に記載されなくてはいけません。絶対的必要記載事項として、盛り込むことが義務付けられています。
また、労働時間に対する休憩時間の原則は、契約社員やパートタイム、アルバイトなどの雇用形態とは関係なく、全ての労働者に適用されます。
「休憩の3原則」は休憩に関するルール
「休憩の3原則」とは、労働基準法により定められた休憩に関するルールのことです。「休憩の3原則」とそれぞれの主旨は次の通りです。
- 途中付与の原則:労働時間の途中に休憩を設けること
- 一斉付与の原則:労働者全員に一斉に休憩を取らせること
- 自由利用の原則:休憩時間の使い方は労働者が自由に決められること
途中付与の原則により休憩時間は労働時間中に取ることになっています。そのため、仕事始めや終わりにまとめて休憩をとれません。
一斉付与の原則がありますが、この原則が適用されない業種もあります。例えば、運輸業や商業、金融広告業、映画演劇業、接客業、保健衛生業などです。
また自由利用の原則では、プライベートな理由で社屋に出ることなどが許されています。しかし、職場の規律を乱したり、ほかの従業員に迷惑をかけたりする行為は禁止されています。
休憩時間ではない「手待時間」と「ランチミーティング」
休憩しているように見えても休憩時間の扱いにならないのが、「手待時間」と「ランチミーティング」です。
「手待時間」は労働者が待機している時間のことで、はたから見ると従業員が休憩しているように見えますが、労働時間として扱われます。また、「ランチミーティング」も出席義務がある場合は業務の一環として考えられるので、休憩時間にはなりません。
「休憩」の類語
「休み」とは「休むこと」
「休み」とは「休むこと」という意味で、仕事や運動などをやめて、心身ともにリラックスすることです。「休み」は「休憩」だけでなく、「休み時間」や「欠勤や欠席」、「寝ること」などの意味もあり、ある活動をやめる行為全般を指して使われる言葉です。
「休息」とは「くつろぐこと」
「休息」とは「くつろぐこと」で、仕事や運動などをやめてリラックスするという意味になります。「休憩」との違いは休んでいる時間で、「休息」の方が「休憩」よりも休んでいる時間が長くなります。
「休養」とは「休業して休むこと」
「休養」とは「仕事などを休んで体力を養うこと」という意味です。「休憩」との違いは、「休憩」は仕事中などに休み、一時的に業務から離れることですが、「休養」とは短長期的に休業して活力を養うことです。
また「休養」は、「休憩」よりも、さらには「休息」よりも長い休みのことを指します。
「休憩」の外国語表現
「休憩」は英語で「break」
仕事の合間に取る「休憩」は、英語で「break」と言います。「break」は、折るや折れるという意味の動詞としてよく使われますが、「休憩」が仕事を中断すると解釈されることから「break」に「休憩」の意味があります。
また「休憩中」は「at the break」、または「during the break」です。前置詞「at」は「~ときに」という意味を表し、「during」も前置詞で「~の間」という意味です。
- “He took a bread with a cup of coffee.”
「彼はコーヒーを飲みながら休憩した」 - “At the break I talked with my boss.”
「休憩中に上司と話をした」
「休憩」は韓国語で「휴식」
仕事中の「休憩」は、韓国語で「휴식」です。ただし「休憩室」では「휴게」という字が使われて「휴게실」と書き表すことに、注意しましょう。
그는 휴식한다
「彼は休憩します」
まとめ
「休憩」とは「ひと休み」のことで、仕事など活動しているときに一時的に休むことです。労働時間が6時間を超える場合には、労働基準法によって休憩は45分以上取ることが義務付けられています。もしもこの規定に従わない会社には罰則が与えられます。