「ご健勝」の意味は?類語「ご多幸」や「ご清祥」との違いと例文も

「ご健勝」とは「健康で元気なこと」という意味ですが、「ご清栄」や「ご多幸」などの似た言葉との違いがわかりにくいですよね。この記事では「ご健勝」の読み方や意味、類語のほか「ご健勝」の使い方を例文とあわせて解説します。また「ご健勝」を使うときの注意点も紹介します。

「ご健勝」の読み方と意味とは?

「ご健勝」の意味は「健康で元気なこと」

「ご健勝」の読み方は「ごけんしょう」で意味は「健康で元気なこと」または「健康で元気なさま」です。「健」には「体がじょうぶ」や「健やか」という意味があり、「勝」は「まさる」や「優れている」という意味があります。

「ご健勝」は目上にも使える尊敬語

「ご健勝」には尊敬の意味を表す接頭辞の「ご」がついているので敬語表現です。

「健勝」と使われることは少なく「ご健勝」として相手の健康を祝い、相手が健やかに過ごせることを願う気持ちが込められています。メールや手紙、スピーチなどでよく使われます。

「ご健勝」の使い方とは?

「ご健勝」は「個人」に対して使う

「ご健勝」は個人に対して使われる言葉です。相手の健康を気遣い、また相手が健康であることを願うときに使われます。

「ご健勝」はメールの挨拶やスピーチの結びにも

「ご健勝」はビジネスメールやビジネス文書の挨拶文に使われることが多いです。時候の挨拶に続けて、相手の健康を気遣うときに「ご健勝」がよく使われます。

また、結びの言葉としてもよく使われます。メールなどの書き言葉としても使われますが、スピーチでは結びの言葉としても使われます。ビジネスシーンや結婚式などのお祝いの席でも使われることがあるでしょう。

「ご健勝」を使った表現と例文

「ご健勝のことと存じます」

「ご健勝のことと存じます」は、主にビジネスメールやビジネス文書で使われる挨拶文です。相手の健康を気遣い、「健やかにお過ごしのことと存じますが、いかがですか」という意味合いで使われます。

「ご健勝のことと存じます」の例文

○○様におかれましては、ご健勝のことと存じます。

「ご健勝のこととお慶び申し上げます」

「ご健勝のこととお慶び申し上げます」も、主にビジネスメールやビジネス文書の書き出しに使われる表現で、「ご健勝のことと存じます」よりも丁寧な表現です。

「お慶び申し上げます」とは「祝福する」という意味で、「申し上げる」という謙譲語を使った敬語表現なので、格別敬意を表すべき相手に対して送る文書などでも使われます。

「ご健勝をお祈り申し上げます」

「ご健勝をお祈り申し上げます」は「ご健勝」を使った締めの文章としてよく使われる一文です。相手の健康を願う気持ちを込めて、ビジネスメールやスピーチの結びに使われます。

例文

皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。

「ご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」

「ご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」は、ビジネスメールやスピーチの結びに使われる表現です。「相手の健康と益々の活躍を祈る」という意味の言い回しですが、「ご健勝」のほかに類語である「ご活躍」や「ご多幸」などを使って、相手にさまざまな角度から気遣いを見せた言い回しもできます。

ただし、「ご健勝」に続ける語は1つまでです。「ご健勝とご活躍とご多幸をお祈り申し上げます」のように3語以上を重ねるとくどくなりますので、言葉の重ねすぎには注意しましょう。

「ご健勝」の類語や類義語とは?

「ご清祥」とは「健康で幸せに暮らしていること」

「ご清祥(せいしょう)」とは「健康で幸せに暮らしていること」という意味で、相手の健康と幸せな暮らしを喜ぶ挨拶の言葉として使われます。

「ご健勝」と同じく個人に対して使われますが、「ご清祥」は相手の健康だけでなく相手の幸せを想うときに使われます。また「ご健勝」はスピーチでも使われることがありますが、「ご清祥」は主にメールやビジネス文書などの書き出しの言葉に用いられます。

「ご清祥」の例文

薫風の候、○○様におかれましては、ますますのご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

「ご多幸」とは「とても幸せなこと」

「ご多幸(たこう)」とは「とても幸せなこと」という意味で、相手の幸せを願うときに使われる表現です。結婚式でのスピーチや年賀状や新年の挨拶などのおめでたい場面で、締めの言葉としてよく使われます。

「ご多幸」の例文

皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。

「ご活躍」とは「いきいきと活動すること」

「ご活躍(かつやく)」とは「いきいきと活動すること」という意味です。相手がますます活動し、商売繁盛を願う場合や祝うときに使われます。ビジネスシーンで使うと「その第一線で活動する」という意味合いも含まれます。

「ご健勝」のように個人に宛てたメールやビジネス文書で使われますが、「ご活躍」は目上の人には避けたほうがよい表現です。敬語表現ですが、「活躍」という言葉が上から物を言っているように思われて不快に感じられる人もいます。そのため、目上の人に対しては「ご健勝」を使うことをおすすめします。

「ご活躍」の例文

今後なお一層のご活躍をお祈り申し上げます。

「ご清栄」とは「清く栄えること」

「ご清栄」とは「清く栄えること」という意味で、相手の健康と繁栄を祝う言葉として使われます。ただしビジネスシーンでは、相手の繁栄、特に商売繁盛を願う言葉として使われることが多いでしょう。主にメールや手紙などの書き言葉として使われます。

「ご健勝」との違いは、個人に使えるだけでなく、会社などのグループや組織にも使えることです。

「ご清栄」の例文

貴社ますますのご清栄をお慶び申し上げます。

「ご盛栄」とは「商売が繁盛すること」

「ご盛栄」とは「商売が繁盛すること」という意味で、相手の商売がうまくいっていることを祝い、また商売がうまくいくことを祈るために使われる言葉です。個人に対してよりも、会社などのグループや団体へのビジネス文書の挨拶文としてよく使われる表現です。

「ご盛栄」の例文

貴社におかれましては、益々のご盛栄のこととお慶び申し上げます。

「ご健勝」を使うときの注意点とは?

「ご健勝」は会社やグループなど団体に使わない

「ご健勝」は個人に対して使う言葉なので、会社やグループなどの団体、組織に送るメールやビジネス文書では使いません。「貴社のご健勝をお祈り申し上げます」のような使い方は誤りとなるため、ご注意ください。

会社宛てのビジネス文書の場合は、「ご健勝」の代わりに「ご清栄」や「ご盛栄」など相手企業の繁栄を意味する言葉を使った方がよいでしょう。また「ご発展」のように「よりよくなる」という意味の言葉を使うと、経営全般においてよくなっていくことを願うこともできます。

「ご健勝」は体調が悪い相手に使わない

「ご健勝」は「健康で元気なこと」という意味の言葉です。そのため、体調の悪い相手やケガをしている相手には使いません。お年を召されている方や持病のある方に対して送るメールや手紙では、「ご健勝」が使えるかどうか気をつける必要があります。

もしも相手の体調が悪いことがわかっている場合には、メールや手紙の書き出しでは「お身体の具合はいかがですか」、締めの言葉には「ご多幸をお祈り申し上げます」のような表現を使うとよいでしょう。

まとめ

「ご健勝」とは「健康で元気なこと」という意味で、相手の健康に対して使われる言葉です。メールやビジネス文書での挨拶文、またスピーチでは結びの言葉としても使われます。「ご健勝」は会社などの組織に対してではなく、個人に対して使われる言葉だということも覚えておきましょう。