「職安」とは「公共職業安定所」の略です。求人紹介や失業給付、職業訓練の斡旋などの業務を行っています。1990年以降は「ハローワーク」の名称がよく使用されますが、職安と違いがあるのでしょうか?「職安」と「ハローワーク」の関係や、職安の業務を紹介します。
「職安」とは?
「職安(公共職業安定所)」は就職・雇用に関する行政機関
「職安(しょくあん)」は「公共職業安定所」を略した言葉です。厚生労働省が運営していて、就職・雇用に関する業務を行っています。誰でも利用でき、利用料は無料です。
主な業務は求人情報紹介や、就職活動のサポートです。他にも、失業給付金などの雇用保険業務も担当しています。
「ハローワーク」は愛称のため意味は「職安」と同じ
「ハローワーク」とは職安の愛称です。呼び方が違うだけなので、職安とハローワークの内容に違いはありません。
職安のイメージアップのために公募で決まった愛称で、1990年以降は厚生労働省でも一般的に使用しています。現在ではハローワークの方が馴染みがある人も多いでしょう。
全国どこの職安でも利用できる
職安は各地に点在しています。地域ごとに管轄する職安が決まっていますが、求人応募などの基本的な業務ならどこでも利用可能です。例えば「地元の職安は駅から遠くて不便」という場合は、通いやすい別の職安を利用できます。
雇用保険に関する手続きのみ、管轄する職安でしか行えません。ただし「就活を同じ職安に統一するか」は利用者の自由です。「月に一度の雇用保険手続きのみ管轄の職安に行き、普段の就活は通いやすい職安で行う」ことが可能です。
特定の利用者に特化した職安がある
職安(=ハローワーク)の中には、特定の利用者に特化した職安があります。通常の職安より細やかな支援が期待できますので、通える範囲にないか調べてみるのもよいでしょう。通常の職安と同じ建物内に併設されていることもあります。
就職に関する職安の業務
職安では求人の管理・紹介を行う
職安では求人情報の管理・紹介を行っています。一般的な求人情報誌やWebサイトと違い無料で掲載できるため、求人数が多い傾向があります。また、面接の予約電話を相談員が代行してくれるため、電話が苦手な人も安心です。
求人情報の閲覧だけなら、自宅からでも可能です。「ハローワークインターネットサービス」を無料で利用できます。
職安から応募する場合の流れ
職安から求人へ応募する場合、先に求職申し込みをする必要があります。職安へ行く前に、ハローワークインターネットサービスを利用して申し込みすることも可能です。
申し込み後は、自分で応募したい求人を探します。インターネットサービス、あるいは職安内の端末で求人検索が可能です。見つかったら、窓口で相談員と内容を確認し、問題がなければ応募になります。このとき発行される紹介状は、履歴書などに同封して企業へ渡しましょう。
就職・労働問題の相談もできる
職安の窓口では、求人応募以外の相談も可能です。履歴書・職務経歴書の添削や、就職・転職に関する悩みを相談できます。
他にも、雇用された後の労働問題の相談も受け付けています。解雇やパワハラ、セクハラなど、社内で解決できない場合に相談するのもよいでしょう。
就職活動のセミナーや職業訓練斡旋も行う
職安では、就活セミナーや職業訓練の斡旋も行っています。受講料は無料です。ただし、テキスト代や資格試験受験料が自己負担のこともあります。
職業訓練は、雇用保険の受給中かどうかで応募できるものが分かれます。自分が何に応募可能か事前に確認しておきましょう。
雇用保険に関する職安の業務
職安では雇用保険(失業給付)手続きができる
職安では雇用保険の失業給付金(基本手当)の手続きを行えます。失業給付金は、生活費を心配せずに転職活動を行うために雇用保険から支払われるものです。「雇用保険の加入期間が一定以上ある」「積極的に就活している」の両方を満たさければ、支給されません。
実際に給付金が振り込まれるまでの期間は、仕事を辞めた理由で変わります。正当な理由がある場合を除き、自己都合の場合は3ヶ月ほどかかるため、辞める前に貯金に余裕を作っておくと安心です。
雇用保険手続きの流れ
失業給付金を受給するには、住んでいる地域を管轄する職安で申請する必要があります。その際、求職申し込みがまだの場合は、先にそちらを行うことが一般的です。
申請後は、受給説明会に参加します。基本的には職安で行いますが、コロナ禍では感染症対策のため中止になったこともあるようです。
説明会の後は、定期的にある「失業認定日」に職安へ行き、就活の状況を報告します。基本的には4週間ごとです。認定後は5営業日前後で給付金が振り込まれます。
まとめ
「職安」は現在では「ハローワーク」と呼ぶことが一般的になりました。呼び方が違うだけで、同じ行政機関を意味します。就職・雇用に関するさまざまなサービスを無料で受けられるので、就活中の人はぜひチェックしておきましょう。
正社員を目指す若者(35歳未満が目安)の就職支援を行う。
日本での就職を目指す外国人の留学生・労働者を支援する。
子育て中の人の就職を支援する。保育園の紹介なども。
就職氷河期(1993年~2004年頃)に学校を卒業した人を支援する。