「ファンダメンタル」とは「根本的」という意味なのですが、投資業界では「ファンダメンタルズ分析」という手法が使われているなどビジネスシーンではよく聞かれる言葉です。この記事では、「ファンダメンタル」の意味と使い方に併せて、「ファンダメンタルズ分析」をわかりやすく解説します。
「ファンダメンタル」の意味と英語表現
「ファンダメンタル」の意味は「根本的」
「ファンダメンタル」とは「根本的」という意味の形容動詞です。物事が成り立っている基礎や基本となるものを指しています。
- 状況が込み入っているから、まずはファンダメンタルな問題から分析してみよう
- ファンダメンタルな解釈はできているので、応用問題に取り組んでみる
- 始めたばかりで、まだファンダメンタルなテクニックを学習しているところ
「ファンダメンタル」の語源は英語「fundamental」
「ファンダメンタル」の語源は英語の「fundamental」です。「fundamental」は「基礎の」「基本の」「根本からの」などと訳される形容詞であると同時に、「基本」や「根本」と訳される名詞です。
- “He has fundamental skills of computer programming.”
「彼はコンピュータープログラミングの基本的なスキルがある」 - “She learns fundamentals of law.”
「彼女は法律の基礎を学ぶ」
「ファンダメンタル」と「ファンダメンタルズ」の違い
「ファンダメンタル」には、「ファンダメンタルズ」という表現もあります。2つに意味の違いはなく、主にビジネスや投資などで複数形「ファンタメンタルズ」として使われています。
「ファンダメンタル」の使い方と例文
ビジネスでは「経済における基礎的条件」を意味する
「ファンダメンタル(ファンダメンタルズ)」は、ビジネスにおいて「経済での基礎的条件」という意味で使われます。「経済での基礎的条件」とは、国や企業の経済状態がわかる指標という意味です。その国の経済成長や物価の上げ下げ、企業単位では企業の売上状況などを指しています。
- その国の経済状態を把握するためにファンダメンタルズを収集する
- ファンダメンタルズの分析を行い、その企業の経営状況を知る
バスケなどのスポーツでは「基礎テクニック」の意味
「ファンダメンタル」という言葉は、バスケやアメフトなどのスポーツ業界でも使われています。意味は「基礎となるテクニック」です。バスケでの「ファンダメンタル」は、基礎のテクニックであるドリブルやバス、シュートのことを指します。
- ファンダメンタルを鍛えるためのトレーニング
- 優勝するために、もっとファンダメンタルを強化しよう
「ファンダメンタルズ分析(ファンダメンタル分析)」
「ファンダメンタルズ分析」とは株式やFXの投資分析
「ファンダメンタル分析」または「ファンダメンタルズ分析」とは、株式やFXなどの投資業界で使われる手法のひとつです。「ファンダメンタルを基に株値や為替の値動きを予想すること」を意味します。
「ファンダメンタル(ファンダメンタルズ)」は、経済状態を見るための指標です。ある国家のファンダメンタルズ分析を行う場合、その国の経済成長や株価の上昇率などを分析します。また、企業のファンダメンタルズ分析では、企業の業績や売上高などの分析を行います。
「ファンダメンタルズ分析」は中長期投資に向く
ファンダメンタルズ分析では投資対象となる銘柄を細かく分析することから、中長期投資に役立つ情報が得られます。
投資先となる企業の売上高や利益、資産や負債状況などの財務状況の情報を集めて、その銘柄の株価が割高なのか、それとも割安なのかを判断します。ファンダメンタルズ分析によって、投資対象を知れるだけでなく、投資先としての価値も知ることができます。
また、ファンダメンタルズ分析をするようになれば、経済指標を見る癖がつくというメリットもあります。
「ファンダメンタルズ分析」は銘柄分析が難しい
「ファンダメンタルズ分析」では、投資対象先に関するあらゆる情報を収集するため時間がかかります。投資先の情報だけでなく、社会の動向や国家間の力関係、金利など多岐にわたるためです。また、多角的に銘柄の分析を行うため、手法として比較的難しいと言われています。
「ファンダメンタル」の対義語「テクニカル」とは
「テクニカル分析」とは過去のデータから予測する手法
「テクニカル分析」とは「過去の値動きを表したチャートから、今後の株価や為替動向を予想する手法」です。過去のチャートから分析・予想するためわかりやすく、専門知識が少なくても使いやすい手法と言えるでしょう。
株式投資において「テクニカル分析」は、投資対象を細かく分析する「ファンダメンタルズ分析」の対義語として用いられることもあります。
「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の違い
「テクニカル分析」は分析する資料がチャートのみで、ファンダメンタルズ分析ほど情報量は多くありません。また、視覚的に値動きを確認しながら過去のデータと比較するなど、ファンダメンタルズ分析よりも取り組やすい分析方法です。
ただし、過去のパターンが将来的に必ず起こるとは限らず、また社会動向なども反映されていません。相場の状況をふまえて予想を出しにくいというデメリットがあります。相場に影響するような突発的な出来事が起きたときは、ファンダメンタルズ分析のほうが有効的だと言えるでしょう。
まとめ
「ファンダメンタル」とは「根本的な」という意味で、「ファンダメンタルな問題」のように使われます。ビジネスシーンでは「経済での基礎条件」という意味の「ファンダメンタルズ」や、投資で使われる「ファンダメンタルズ分析」などでよく聞かれる言葉でしょう。