「草生える」とは「笑える」「面白い」を意味するインターネットスラングです。「草」とだけ使うこともあります。いつから「草生える」が「笑える」の意味で広まったのか、語源や類語とあわせて説明しましょう。「大草原」「苔むす」などの進化した表現も紹介します。
「草生える」の意味
「草生える」は「笑える」を意味するネットスラング
「草生える(くさはえる)」とは、インターネット上で使われるネットスラングです。「笑える」を意味します。面白いと思って笑う用法が一般的です。しかし、皮肉・嘲笑や、呆れた笑いを意味することもあります。
「草生える」の語源は「www」
「草生える」の語源は「www」です。「www」は文章中で笑うことを意味します。半角ではなく、全角のwが一般的です。wwwww…と並べた際の見た目が草に見えることから「草生える」が生まれました。「www」を草と呼ぶのは2000年頃から見られていますが、この頃は一部のコミュニティでしか使われていませんでした。
「www」は「(笑)」を省略したもので、数は固定されていません。発音しないことが一般的ですが、必要がある場合は「わら」「くさ」と読むことが多いようです。日本語入力ができないオンラインゲームで「(warai)」や「(w」と使われたことに由来します。次第に括弧を省略し、wも好きなだけ並べられるように変化しました。
「草生える」が広く使われたのは2016年頃
「草生える」がインターネット上で一般的に使われ始めた時期は、2016年頃です。SNSで頻繁に使われるようになったことで、ライトなネットユーザーも「草生える」を知ることが増えました。
「草生える」の英語表現は「lol」
「草生える」と似た使い方をするネットスラングは「lol」です。「laughing out loud」を略したもので、語尾につけて大笑いすることを表現します。「lolololo…」のように上限なく繰り返す用法もあります。
「草生える」の使い方・例文
「草」だけで使うことも多い
「草生える」はSNSやネット掲示板などで使用されます。「草」だけで使うことも多く、意味は同じです。「草生えた」と過去形にする、「草生えます」と丁寧語にする用法もあります。
「草不可避」は「笑いを堪えられない」
「草不可避(くさふかひ)」とは「笑いを堪えられない」「笑わずにいられない」という意味のネットスラングです。「不可避」は一般的な用語で「避けようがないこと」を意味します。
「不可避」を「不回避」としてしまう人もいますが、誤用になるので注意しましょう。
「草も生えない」は「笑えない」を意味する
「草生える」を否定形にした「草も生えない」は、「笑えない」ことを意味します。面白いことを言おうとして失敗した人に伝えたり、面白さよりも怖さ・呆れの感情が勝った際に使ったりします。
似た言葉に「ぺんぺん草も生えない」という言葉がありますが、こちらは一般的な慣用句です。「荒れた土地」「何も残っていない場所」を意味します。ぺんぺん草は生命力が強く、環境が悪くても育つことから生まれた表現です。
「草生える」の例文
- うしろでふざけ過ぎてて草生える
- 警備員なのにアイドルより顔がいいの草
- うざい荒らしが、ゲーム攻略wikiを寒いギャグだらけにしてて草も生えない
「草生える」を使うときの注意点
カジュアルなやり取りで使用する
「草生える」はネットスラングのため、かしこまったやり取りで使うと「ふざけている」と思われる可能性があります。カジュアルなやり取りで使うようにしましょう。
近年はSNSで普及したため、口頭でも「草生える」や「草」を使う人もいます。ただし、相手によっては「通じない」「悪い印象を与える」可能性もあるため、使う場面を見極める必要があるでしょう。
「草生えるwww」は避けたほうがよい
「草生える」や「草」は、「www」と同時に使わないという意見があります。「草に草生やすな」と注意する人もいるようです。
「草生える」と「www」は意味が同じです。そのため「重複表現のため誤用」とされるのかもしれません。ただし、正式な文法がないスラングのため「そんなこと注意しなくても」という意見もあります。
「草生える」の類語や言い換え・関連語
「草生える」から進化した表現が「大草原」
「草生える」が進化した言葉が「大草原」です。草がたくさん生えている状態のため、「草生える」よりも激しく笑っていることや、爆笑していることを表現します。
ほかに「大草原不可避」という表現もあります。「草不可避」の大草原版です。
「草」を別の言葉に言い換えた「森生える」
「草生える」の「草」を、別の言葉に言い換えた表現もあります。「森生える」は、草や大草原よりも笑いが強いことを表します。森よりは下ですが、「竹生える」も「草生える」より笑いが強い表現です。
若者の間では、最上級の表現として「草こえて森こえてアマゾンこえてマダガスカル」が使われることもあります。「草生える」ほど定着するかは不明ですが、チェックしておくのもよいかもしれません。
2019年に話題になった上品な類語「苔むす」
2019年には「草生える」の上品な言葉として「苔むす」が話題になりました。子どもから「草生える」を教わった女性が、自分の年齢に合わせて古風にしようと考えた言葉です。
子どもが「苔むす」とSNSに投稿したところ、多くの人に好意的に受け取られ人気になりました。現在は当時のような勢いはないものの、SNSで使用する人もいます。
ちなみに、「大草原」にあたる言葉は「日本庭園」で、「日本庭園不可避」のように使われています。
まとめ
「草生える」は、現在も進化・派生語が生まれている言葉です。「草生える」の最上級として「草こえて森こえてアマゾンこえてマダガスカル」のような長い表現もあります。意味を把握しておけば、SNSで困ることが減るでしょう。