「オケージョン」とは、もともと「機会」という意味です。ファッション業界では「冠婚葬祭」、マーケティングでは「ライフスタイル」など、業界ごとにその意味が違います。
この記事では、「オケージョン」の意味やアパレルとビジネスでの使い方のほか、「オケージョン」と「フォーマル」の違いも解説しましょう。
「オケージョン」の意味とは
「オケージョン」とは「機会」という意味
「オケージョン」とは「機会」という意味のカタカナ語です。英語の「occasion」が語源で、広い意味では「場合」という意味もあります。
アパレル業界の「オケージョン」とは「特別なイベント」
アパレル業界で使われる「オケージョン」とは「特別なイベント」という意味です。主に、冠婚葬祭などの格式のある行事や儀式を指して使われます。
ビジネスでの「オケージョン」とは「ライフスタイルや生活嗜好」
「オケージョン」とはマーケティング用語で、「消費者のライフスタイルや生活嗜好」を意味しています。消費者の生活の仕方や好みのことを指しています。
「TPO」と呼ばれるマーケティング用語がありますが、これは時間(time)・場所(place)・場合(occasion)の頭文字を取った略です。「オケージョン」はTPOの「O」であり、消費者の生活動向に着目した言葉です。
「オケージョン」の使い方とは
「オケージョンスタイル」とはシーンに合わせたファッション
「オケージョンスタイル」とは「結婚式や葬儀など、特定のシーンに合わせたファッションコーディネート」のこと指しています。
例えば、「オケージョンドレス」は冠婚葬祭で着られる服装のことを指し、ワンピースなら「オケージョンワンピース」、ジャケットとボトムスのように上下のセットになっている服装は「オケージョンセットアップ」と呼ばれます。
「オケージョンシーン」とはフォーマルな服装を身につけるシーン
「オケージョンシーン」とはフォーマルな服装を身につけるシーンのことで、次の3種類があります。
「オケージョン」を結婚式に限定した使い方も
日本のアパレル業界では、「オケージョン」を「結婚式」という意味で限定した使い方をすることもよくあります。
例えば、「オケージョンシーンに合うファッション」と題して紹介されている記事では、結婚式に出席する時のファッションが紹介されていることが多いです。
「オケージョン」のビジネスでの使い方
「オケージョンマーケティング」とは消費者の生活様式に合った販売戦略
「オケージョンマーケティング」とは、「消費者のライフスタイルや嗜好に合わせてマーケティングを展開して、商品の売り上げを高める方法」を意味するマーケティング用語です。
TPO戦略のひとつで、消費者の商品の使う機会を分析して、売上を増やすための戦略を練ります。
「オケージョン分析」とは消費者の商品を使う機会を分析
「オケージョン分析」とは、「消費者がある商品を使う機会、場面、状況を分析すること」を指します。オケージョン分析を通して、消費者が何を求めているのかが推測して、その結果を商品開発やマーケティングに活かします。
「オケージョン」と「フォーマル」の違いとは
オケージョンとフォーマルの違いはファッションの意味合い
「フォーマルの服装」とは、普段着とは違って「冠婚葬祭のような公式な儀式に出席するために着用される服装のこと」を指します。
一方、「オケージョンの服装」は普段着ではないのですが、「フォーマルな服装ほどには格式ばらないあるシーンに合わせた服装」という意味で使われていることが多いです。なぜなら「オケージョン」は冠婚葬祭の他にも、冠婚葬祭には含まれないような行事も含まれるからです。
「フォーマル」とは「公式なさま」を意味する
「フォーマル」とは「公式なさま」や「格式のあるさま」という意味です。普段の生活からは離れて、格式の高いさまを指しています。
ファッション業界では、結婚式や披露宴、入学式や卒業式、高級レストランでの食事会などのあらたまった場に出席するときに相応しい服装のことを、「フォーマルファッション」や「フォーマルウェア」、または「礼服」と呼ぶこともあるでしょう。
まとめ
「オケージョン」とは本来「機会」という意味ですが、アパレル業界では「特別なイベント」、マーケティングにおいては「ライフスタイルや生活嗜好」という意味で使われています。どちらの業界でも共通していることは、「オケージョン」とはある特定の場面や状況を指していることです。
フォーマルな装いが求められる冠婚葬祭など社交的な儀式やイベント。
フォーマルではあるが、冠婚葬祭ほどに格式張らない機会。学校や会社規定にある制服や、指定された作業着の着用を求められる状況のこと。
ホームパーティなどのカジュアルなイベント。