「ひよる」の意味と語源とは?使い方や類語と対義語の例文も紹介

「ひよる」とは「怖がる」や「ビビる」などの若者言葉としても使われていますが、元々は「日和見する」という意味の言葉です。では、「日和見」とはどのような意味なのでしょうか。

この記事では「ひよる」の意味や語源のほかに、使い方や例文、類義語と対義語、英語表現も紹介します。

「ひよる」の意味と語源とは

「ひよる」の意味は「日和見する」「傍観する」

「ひよる」の意味は「日和見する」です。「自分が有利になるように状況をうかがうこと」を指しています。この「日和見する」という意味から派生して「ひよる」には「傍観する」という意味もあります。

「単にそばで見ていること」という意味で使われることもあれば、「ある出来事に関係ないという立場を取りながら見ていること」という意味で使われることもあります。

「ひよる」の語源は「日和見する」

「ひよる」の語源は「日和見する」です。「日和見」とは「自分が有利になるように状況をうかがうこと」という意味があります。この言葉がよく使われるようになったのは、70年代の学生運動の頃です。

状況をうかがい、有利なほうにつく人のことを「日和見主義」と呼んでいたため、「日和見」はあまりいい意味で使われなくなりました。

「ひよる」は漢字で「日和る」

「ひよる」が漢字で「日和る」と書きます。「和る」という漢字の読み方に「よる」はありませんが、正しい漢字表記です。「日和る」と書いて「ひよる」と読むのは、「和」が当て字として使われていることに由来します。

「和」には「やわらぐ」「穏やか」という意味があることから、「日和り」は「空模様がいい様子」「良い天気」などの意味があります。

「ひよる」という方言は「力が加わって曲がる」の意味も

「ひよる」は方言でも使われることがあります。例えば、富山弁では「力が加わって曲がる」、広島弁では「風でものがなびく」という意味で使われています。

「ひよる」の使い方と例文

「ひよる」とは「傍観する」の意味でよく使われる

「ひよる」の一般的に「傍観する」という意味でよく使われます。自分とは関係ないという態度を取りながらある出来事も見ることや、また実際に自分とは関係ないものを見るときに使います。

「ひよる」はあまりいい意味として使われるのではなく、その見方が無責任なことが強調されるときに使われます。

「ひよる」を使った例文
  • ひよってないで手伝ったらどうだ
  • 自分の意見が言えない彼は、ひよっているように見える
  • 状況が複雑すぎるので、まずはひよってみてはどうだろうか

「ひよる」は「怖気づく」という意味で使うことも

「ひよる」は特に若者の間で「怖気づく」という意味で使われることもあります。これは「ひよる」の本来の意味である「日和見する」と「傍観する」とは違います。

どうして「怖気づく」という意味が生まれたのかと言うと、その理由には諸説あり、その一つが「傍観する」という意味が弱気のために傍観すると解釈されて、転じて「怖気づいている」というように意味が解釈されたという説です。また、「ひよる」が「ひ弱になる」と間違って解釈されたのが根付いたという説もあります。

例文
  • ひよるなんて情けないな
  • 不審者につけられてひよった

「ひよってる奴」とは「弱気な人」「状況を見守る人」

「ひよってる奴」とは「弱気な人」という意味で使われる表現です。弱気になり積極的に行動を起こさないような人のことを指して使われます。

また、「事の成り行きを見守ってから自分に有利なほうへとなびく人」という意味でも使われます。

例文
  • これくらいのことで怖気づいてどうする?ひよってる奴もいたもんだ
  • 傍観者ヅラして、どうせ奴はひよるのに決まってる

「ひよる」の類語と対義語

「ひよる」の類語は「ご都合主義」

「ご都合主義である」とは、「状況から判断して自分の都合のいいように行動する」という意味です。自分の主義・主張を持たないで、状況次第で立場を決めることを指します。

「ご都合主義」の例文

結局、自分では決められないご都合主義なんだよ、あいつは。

「ひよる」の対義語は「なよる」

「なよる」とは「親しく近づく」または「慣れたために近寄る」という意味で、「ひよる」の対義語です。漢字では「馴寄(なれる)」と書き表しますが、「馴寄」は「なれよる」とも読めます。

「なよる」の例文

野鳥がなよるので驚いた

「ひよる」の英語表現とは

「ひよる」は英語で「wait and see」

「ひよる」は英語で「wait and see」です。「待ちながら見る」というのが直訳で、「傍観する」という意味合いを表現しています。

「ひよる」の英語例文

  • “He is always waiting and seeing when his team has problems.”
    「彼は自分のチームに問題があるとき、いつもひよっている」
  • “She waits and sees, and she has no opinions.”
    「彼女はひよっているので、なにも意見を言わない」

まとめ

「ひよる」とは「日和見する」または「傍観する」という意味の言葉です。「ひよる」が「怖気づく」という意味で使われることもあるのですが、使われることは少なくなりました。ただ知識として「ひよる」には「怖気づく」という意味があることを知っておいた方がいいでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。