「新年の挨拶」はメールで送ることも増えてきましたが、お客様や取引先へは年賀状を出すことが多いでしょう。ここでは新年の挨拶の状況別の文例や、直接会っての挨拶やスピーチにも応用できる慣用句を紹介します。あわせて喪中の時の対応についても説明しています。
「新年の挨拶」押さえるべきポイント
「新年の挨拶の言葉」の基本
新年の挨拶は、新年を祝い、旧年中お世話になったことに感謝し、今年一年のお付き合いを願う言葉や今年の抱負を述べるのが基本です。直接の挨拶やスピーチ、メールや年賀状で書く挨拶ともに基本の内容は同じです。
また、相手がビジネスの取引先であったり、上司や同僚などでも基本的な内容は同じですが、相手に適した言葉づかいや慣用句を用いるようにします。
「年賀状」は松の内までに届くように出す
年賀状は1月7日まで(関西は1月15日までのところもある)の松の内までに届くように出します。松の内を過ぎてしまったら「寒中見舞い」を出します。
「寒中見舞い」の書き方はこちらの記事で紹介しています。
「メール」は松の内までに出す
メールで新年の挨拶を送る場合も松の内までに送ります。
「新年の挨拶」文例・例文
新年の挨拶を、年賀状とメールの文例で紹介します。
年賀状の文例
一般的な文例
ビジネス(取引先)文例
昨年中は格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
本年も皆様のご要望にお応えし、いっそう社業に精励いたす決意です。
なにとぞ変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
〇年元旦
ビジネス(お客様)文例
旧年中は格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございました。
当店は本年も、皆様により一層ご満足いただけるサロンをめざします。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
なお、新年は〇日より営業いたしております。皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
〇〇年 元旦
「メール」の文例
ビジネス(取引先の担当者宛て)文例
〇〇株式会社
△△様
新春のお慶びを申し上げます。
株式会社〇〇の△△です。
旧年中はひとかたならぬお世話になりまして、誠にありがとうございました。
本年も御社のご発展に寄与できますよう、業務に精励いたす所存でございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
(メール署名)
上司へ送る文例
〇〇部長
新年あけましておめでとうございます。
◯◯部の〇〇です。
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。おかげさまで家族一同、元気に新年を迎えることができました。新たな年を迎え、気持ちを引き締めて業務に臨む所存です。
今年も引き続き、変わらぬご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(メール署名)
上司への新年の挨拶は直接行うのが基本ですが、直接会えない場合はメールを送ることがあります。また、近年は年賀状を出さずに年始の休暇中にメールを送ることもあります。
「新年の挨拶」に使える慣用句を紹介
新年の挨拶に使える慣用句を紹介します。先に紹介した文例にアレンジして使ってみてください。
漢語調の「新年の挨拶」
- 謹賀新年
- 恭賀新年
※「賀正」「賀春」「迎春」などは、正月や新春をお祝いする言葉ですが、相手に対する敬意が含まれていないため、目上の人や取引先には使わないようにします。もちろん親しい人へ使うのは問題ありません。
口語調の「新年の挨拶」
- 謹んで新春のおよろこびを申し上げます
- 謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
- あけましておめでとうございます
- 新春の御祝詞(ごしゅくし)を申し上げます
健康と幸福を喜ぶ言葉
- 幸多き新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
- 年頭にあたり、皆様のご健康とご多幸をお喜び申し上げます。
- 〇〇様にはお健やかに新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
旧年中お世話になったお礼の言葉
- 旧年中は大変お世話になりまして、ありがとうございました。
- 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、厚くお礼申し上げます。
◆ビジネス用
- 昨年中は格別のお引き立てを賜り、まことにありがとうございます。
- 旧年中はひとかたならぬご愛顧(ご高配)を賜り、厚くお礼申し上げます。
- 旧年中は格別のご厚誼にあずかり、心からお礼申し上げます。
今年のお付き合いを願う言葉・結びの言葉
- 本年も変わらぬご交誼のほど、お願い申し上げます。
- 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
- 本年もよろしくお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
- 本年もご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
◆ビジネス用
- 本年もご期待にかなうよう努力する所存です。なにとぞ倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
- 新しき年、皆様のご要望により一層お応えできるようさらに精励してまいります。本年もご厚誼のほどお願い申し上げます。
- 本年もお引き立てのほど宜しくお願い申し上げます。
「喪中」の場合の新年の挨拶の仕方
喪中の人へは「年始状」または「寒中見舞い」を出す
相手が喪中で新年の挨拶状を出せない場合は「年始状」または「寒中見舞い」を出します。
「年始状」は最初の挨拶文を「新年のご挨拶を申し上げます」「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」などとします。祝う言葉は避けます。
寒中見舞いは「寒中お見舞い申し上げます」という挨拶文で始め、「寒の入り」(毎年1月6日頃)から「立春」(毎年2月4日頃)までの間に届けます。
※「寒中見舞い」の書き方は以下の記事で紹介しています。
「寒中見舞い」とは?ビジネスや喪中などシーン別文例も紹介
自分が喪中の場合は「喪中はがき」を出しておく
自分が喪中に服している場合は、12月上旬までに喪中欠礼のはがきを出しておきます。喪中の連絡が間に合わずに年賀状を頂いてしまった場合は、年賀状を出せない理由を添えた返事を「寒中見舞い」として出すこともできます。
※「喪中はがき」の書き方は以下の記事で紹介しています。
「喪中はがき」文例と書き方!続柄の範囲や出す時期と返事も紹介
まとめ
「新年の挨拶」は、まず新春を祝う言葉を述べ、続いて相手の健康と幸福を祈り、旧年中のお礼や、今年のお付き合いを願う言葉を述べるのが基本です。本記事で紹介した、相手や状況にふさわしい慣用句を選ぶとともに、具体的なエピソードも簡潔に盛り込むことで心のこもった挨拶を行うことができます。
皆様には、幸多き新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
旧年中は大変お世話になりまして、まことにありがとうございました。
本年もよろしくお付き合いいただけますよう、お願い申し上げます。
〇〇年一月一日