「お中元のお礼状」ビジネス用のテンプレート・暑中見舞いの文例も

「お中元」をいただいたらすぐに「お礼状」を出します。確かに受け取ったということを伝えるとともに感謝の気持ちを伝えます。とはいえ、何をどのように書けばよいのか迷うことも多いのが贈答状のマナーです。

ここでは、お中元のお礼状の書き方のポイントと、ビジネスの取引先や個人など、状況別に使えるお礼状の例文を、すぐに使えるテンプレートで紹介します。あわせて暑中見舞いとしてのお礼状の出し方も解説しています。

ビジネスにも使える「お中元のお礼状」書き方

お礼状には「4つの内容」を明記する

お礼状は形式に従って簡潔に、次の4つの要点を述べます。長く書く必要はありません。

お礼状の構成
  1. 時候の挨拶・季節の挨拶(前文)
    <例>「暑い日が続いておりますが、〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。」
  2. お中元の品物へのお礼(本文)
    <例>「このたびは、けっこうなお中元のお品を頂戴いたしまして、まことにありがとうございました。」
  3. 日ごろの感謝や気遣いいただいたことへのお礼(本文)
    <例>「いつも変わらぬお心遣いに感謝いたしております。」
  4. 結びの言葉(末文)
    <例>「暑さに向かいます折から、ご自愛のほどお祈り申し上げます。まずは書中にてお礼申し上げます。」
  5. 最後に日付・差出人名を書く
    日付は元号年で書くのが一般的です。

ビジネスでも親しいお付き合いの場合や、個人の場合などは、社員や家族が喜んでいることや、おいしくいただいたことなどの具体的な感想を本文に添えると、心のこもったお礼状になります。

※なお、「時候・季節の挨拶」の7月の文例は以下の記事で紹介していますので参考にしてください。 【時候の挨拶】7月 ビジネス文例と結び!夏の挨拶文と例文も

お中元を頂いたら3日以内にお礼状を出す

お中元のお礼状は、遅くとも3日以内を目安に出すのがマナーです。お中元を頂いた時は、すぐにお礼状を出すように心がけましょう。
お中元のお返しの品は必要ありませんが、お返しの贈り物をする時でも、お礼状は必要です。お礼状は封書の手紙が一般的ですが、はがきでも差し支えありません。

会社の部下や親しい知人など、普段からメールでやりとりをしている人には、お礼の挨拶をメールで送ることも一般的となっています。メールの場合でも、次に説明するお礼状に明記するべき内容をふまえて書くようにします。

「暑中見舞い」としてお礼状を出すこともできる

7月15日を過ぎて8月8日頃の立秋までは、暑中見舞いの挨拶状を送る時期です。この時期にお礼状を送る時は、お礼状の挨拶文を「暑中お見舞い申し上げます」と書くこともできます。

立秋を過ぎたら「残暑見舞い」の時期になるため、「残暑お見舞い申し上げます」という挨拶文がよいでしょう。

ビジネスで使える「お中元のお礼状」テンプレート・例文

お中元のお礼状の例文を状況別にテンプレートで紹介します。ビジネスや目上の人への手紙の場合は、先に説明した構成の前文である「時候の挨拶・季節の挨拶」の前に「拝啓」を書き、「結びの言葉」のあとに「敬具」を書いて終わるようにします。

取引先へお礼状を出す場合の文例

拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立てにあずかり、まことにありがたくお礼申し上げます。
さて、このたびは結構なお中元の品を賜り、まことにありがとうございました。
平素は一方ならぬご支援ご協力をいただいておりますうえに、このようなお心づかいをいただき、恐縮いたしております。
酷暑の折から、皆様のご健勝と貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。
まずはとり急ぎ書中にてお礼申し上げます。

敬具

取引先担当者へお礼状を出す場合の例文

拝啓 日増しに暑さが厳しくなってまいりましたが、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
本日、けっこうなお中元のお品を拝受いたしました。平素は、一方ならぬご協力をいただいております上、このようなお心遣いをいただき、恐縮いたしております。
時節柄、皆様のご健康と貴社の一層のご繁栄をお祈りいたしております。
略儀ながら暑中にてお礼申し上げます。

敬具

上司から部下へお礼状を出す場合の例文(妻の代筆)

部下からのお中元のお礼状は妻が代筆することがあります。代筆の場合は、夫が喜んでいることや、よろしく伝えていることなどを述べます。

日増しに暑さが厳しくなってまいりましたが、〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、本日はお心尽くしのお中元のお品を頂戴しまして、まことにありがとうございました。平素より夫がお世話になっておりますのに、このようなお心遣いをいただき、恐縮に存じます。
夫はもとより家族一同、よろこんで賞味させていただきました。主人もくれぐれもよろしくと申しております。
時節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
まずはお礼まで。

また、部下に気を遣わせないように今後のお中元を断る時は、次のような例文があります。

日を追うごとに暑くなりますが、お元気でご活躍の由、何よりと存じます。
さて、本日は結構なお中元のお品をお贈りいただきまして、ありがとうございました。
いつも主人がご助力いただいておりますのに、お心遣いをいただき、恐縮しております。
今回は有難く拝受させて頂きますが、今後はどうかお気遣いなさいませんようにお願いいたします。
酷暑の折、ご自愛くださいませ。
とり急ぎお礼まで。

かしこ

上司が部下へメールでお礼を伝える場合の例文

今年の夏はひときわ暑いようです。
さて、本日は心のこもった素敵なお中元の品をいただき、感謝しております。
今回は有難く頂きますが、今後はこのような気遣いは無用でお願いします。
猛暑の折、健康管理に気をつけてください。
ますはお礼の連絡まで。

親戚や知人へお返しの贈り物をした時の例文

拝復 梅雨明けとともに暑い日が続いておりますが、お元気でお過ごしのご様子、何よりと存じます。
さて、このたびは丁重なお中元の品をお贈りいただき、まことにありがとうございました。
日ごろ何かとご配慮いただいておりますのに、このようなお気遣いをいただき、恐れ入ります。
なお、ささやかながらお礼のしるしまでに、別便にて〇〇を送らせていただきましたので、ご笑納いただければ幸いに存じます。
酷暑の折から、どうかご自愛のほど、お祈り申し上げます。
まずはとりあえず書中をもってお礼まで。

敬具

「暑中見舞い」として出すお礼状のテンプレート・例文

暑中見舞いの時期は一般的に7月15日を過ぎてから8月8日頃の立秋までとなります。この時期にお礼状を出す時は、暑中見舞いの挨拶を兼ねて出すことができます。

「暑中お見舞い申し上げます」と書く際は、拝啓・敬具の言葉は書きません。

取引先への「暑中お見舞い」の例文

暑中お見舞い申し上げます。
日ごとに暑さがつのってまいりましたが、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、このたびは結構なお中元の品を賜り、まことにありがとうございました。
平素は一方ならぬご支援ご協力をいただいておりますうえに、このようなお心づかいをいただき、恐縮いたしております。
酷暑の折から、皆様のご健勝と貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。
まずは暑中のお伺いとお礼まで。

親戚や知人への「暑中お見舞い」の例文

暑中お見舞い申し上げます。
厳しい暑さの毎日が続いていますが、お元気でお過ごしのご様子、何よりと存じます。
さて、このたびは丁重なお中元の品をお贈りいただき、まことにありがとうございました。
日ごろ何かとご配慮いただいておりますのに、このようなお気遣いをいただき、恐れ入ります。
酷暑の折、どうかお元気でお過ごしくださいますようお祈りいたします。
まずは暑中のお伺いとお礼まで。

まとめ

お中元のお礼状は、1.「時候の挨拶・季節の挨拶」、2.「お中元の品物へのお礼」、3.「日ごろの感謝や気遣いいただいたことへのお礼」、4.「結びの言葉」の4つを明記します。

相手がビジネスの取引先や上司であっても、親戚や知人などの個人であっても、形式を踏まえて書くことで失礼なく感謝の気持ちを表すことができます。とはいえ、形式的な慣用句だけでなく、言葉遣いを工夫したり、具体的なエピソードを添えるなどして親しみを込めて書くとよいでしょう。

※「お中元の時期」や「お中元のマナー」については以下の記事で紹介しています。
「お中元の時期」とは?お中元のマナーや暑中見舞いの時期も紹介