ご査証くださいの意味は?正しい「ご査証」の使い方と注意点

ご査証ください…という言葉をよく知らないまま、メールや書類に使っていませんか?実はこの「ご査証」、使い方によっては相手を怒らせてしまう可能性もあります。そこで今回は、ご査証の正しい意味と使い方、さらに気を付けたい注意点を紹介します。

ご査証の正しい意味・読み方

「ご査証ください」「ご査証のほどよろしくお願い致します」…という言葉は、社会人経験のある人なら目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。でも、この「ご査証」の本当の意味をあなたは知っていますか?

御査証とは「調べて証明する」

「ご査証」とは「調べて証明する」という意味です。ご査証という言葉に含まれるそれぞれの漢字の意味から追ってみると、「査」=よくみて明らかにする・調べる、「証」=確実な根拠に基づいたうえで事実を明らかにすることを指します。

つまり査証とは、「よく調べて、確実な根拠をもって証明する」という意味になります。この意味をよく知らず、相手によく調べてほしい事物・人物を提示しないままに「ご査証」を使ってしまうと、相手は「何を“調べて証明”すればいいの?」と混乱するでしょう。

ご査証の読み方は「ごさしょう」

口頭で伝えることが少ない言葉なので、声に出して読んだことがある人は意外と少ないかもしれません。ご査証の読み方は「ごさしょう」です。電話応対の際、ていねいな人は電話口で言うこともある言葉です。そのため、電話を受ける時に正しい読み方を知っていれば、声(音)で聴いただけでも言葉の意味を想像できます。

「ご査収」と「ご査証」の違い

ご査収は「収めて確認する」の意味

ご査証とご査収は、一文字違いで音感も似ているために、混同されやすい言葉です。ご査証が「調べて証明する」という意味であるのに対し、ご査収「収めてよく確認する」という意味があります。ご査証に比べて汎用性が高く、「ご査収の程、よろしくお願い致します。」というように、メールや書類によく使用されています。

ご査収は、メールや文書内に記載した事項について、「よく確認してください」という意味で使われているため、ご査証よりも使用頻度が高く使いやすい言葉です。

「ご査収」の使い方は以下の記事も参考にしてください。
「ご査収」の意味と返事の仕方とは?使い方の例文と類語も解説

「ご査証ください」の正しい使い方・例文

「確認する」ことを相手に促す「ご査収」に比べて、相手に「証明する」という行動を促す「ご査証」は、使い方が「ご査収」よりも難しいものです。では、「ご査証」をビジネスシーンで使用するには、どのような場面・タイミングで用いるのが適切なのでしょうか。

クレーム関連のメールや書類で使用

「よく調べて、はっきりと証明してください」という意味合いで使用されるご査証という言葉は、相手にクレームをいれる際によく使われます。商品を購入したら欠陥があったため、商品について「よく調べて、商品の状態について証明してください」という使い方が適切です。

また、取引先からの領収書や見積もりの金額が間違っていて、その間違いを指摘して修正を求める際にも使われます。つまり、書類上のミスを指摘する用途で使用することも「ご査証」の適切な使い方に含まれるのです。

「ご査証」を使った例文

〈例文〉

  • 「ご査証のほど、よろしくお願いいたします。」
  • 「ご査証ください。」

ご査証を正しく使うには、文章を文末にいれることが大切です。ビジネス文書の締めの文に適していて、文頭や文中で用いられることはあまりありません。文末でご査証を使用することによって、相手に「ちゃんと調べて、事実を証明しなくては」という注意喚起を促すことができます。

ご査証を使用する時の注意点

ご査証は、比較的気軽に使用できるご査収に比べて、いくつか気を付けなければならないことがあります。

目上の人に使うと失礼にあたることも

一社員が上司や役職のついた人に対して「ご査証ください」と使用することは、常識的な試用方法とは言えません。自分よりも上の立場の人に対して、「よく調べて、ちゃんと証明してください!」と申し立てていることになるからです。

ご査証という言葉はていねいに見える・聞こえるために気軽に使いがちですが、特に社内で自分よりも上の立場の人間には使用しないように心がけましょう。

書類を「きちんと確認してほしい」だけなら、ご査証は使わない

あなたが提出した書類について、「よく見て、確認してほしい」だけなら、ご査証という言葉は使わないようにしましょう。確認してほしいことが目的ならば、「ご査収」を使用する方が適しています。

メールや書類などで「ご査収」と混同して「ご査証」を多用している人もまれにいますが、先輩や取引先の人間が間違って使用しているのを見て、使用方法を間違っているのかもしれません。自分自身が送信・送付しているメールや書類を見返して、ご査収とご査証を取り違えていないかよく確認しましょう。

まとめ

ご査収と混同されやすいご査証という言葉は、使用する際に、紹介してきたようないくつかの注意が必要です。ご査証という言葉が持つ本当の意味を知らずに使用していた人は、本記事を読むことで正しい意味・使い方・注意点を知ることで、対外的な書類のやりとりが適切に行えるようになるでしょう。