「終日不在」「終日空いている」などというように、スケジュールの話題で「終日」という言い方をすることがあります。この「終日」、何時から何時までを意味するのでしょう。「終日」の詳しい意味や時間の感覚、ビジネスでの使い方について解説します。
「終日」とは?
「終日」とはどういう意味を持つのでしょう。語源にも触れながら説明します。
「終日」は朝から晩までという意味
「終日」の意味は、「日中が終わるまで」です。「日が終わる」と書き、読んで字のごとく、お日様が出ている朝から晩まで、という意味になります。夜間を除いた一日中を指す言葉として使われています。
「しゅうじつ」以外にも様々な読み方が
「終日」は「しゅうじつ」と読むのが一般的ですが、実は他にも様々な読み方があります。
ひもすがら・ひすがら・ひねもす・ひめもす、というのも「終日」の読みの一種です。このうちの、「ひねもす」「ひもすがら」は、平安時代から使われていた読み方で、ある状態が朝から晩まで続く様を指す言葉として使われていたそうです。
ビジネスなどで広く使うのは「しゅうじつ」という読みですが、現代でも「ひねもす」「ひもすがら」という読みは、パソコン入力でもちゃんと「終日」に変換されます。
何時から何時までという定義はない
「終日」という言葉は、先述したように朝から晩までという意味ですが、細かい時間の定義はありません。もともとは、日が昇ってから日が沈むまで、という意味でしたが、現代では人々の活動時間帯を指し「終日」という例が多いようです。
「終日」の使い方と例文
「終日」を使う際には、どういった文章で使うことができるのでしょう。例文とともに、シーン別に紹介します。
飲食店で多い「終日禁煙」
近年、飲食店でよく目にするようになったのが「終日禁煙」の文字です。この場合、日中のみという意味ではなく、営業時間中はずっと、という意味になります。つまり、「終日禁煙」は時間帯を問わず、タバコは吸えないということです。
「終日営業」は24時まで営業
お店などでは「終日営業」という文字を目にすることもあります。この場合の終日は、夜中の24時までという意味です。日付が変わるまで営業しているということになります。
「終日運休」は始発から最終まで
台風の時に「空の便は終日運休」という情報が流れることがありますが、この場合は、始発から最終便まですべて運休という意味です。電車に使われた場合は、始発から終電までということになります。
ビジネスでは勤務時間内
ビジネスシーンで「終日」といった場合、基本的に勤務時間内を指します。たとえば、「終日不在」というと、終日会社にはいないという意味です。外出先から戻らない、という意味で「この後終日不在にしますので」という言い方をすることもあります。
「終日仕事をする」は朝から晩まで
「日曜だが終日仕事しなければならない」というと、24時間という意味ではなく、朝から晩まで仕事する、という意味になります。日中ずっとという意味のほか、「活動内容は仕事のみでほかの事はしない」というニュアンスも含む表現です。
「終日可能」でも時間帯には注意
ビジネスでは、日程調整の際に「25日は終日対応可能です」「25日であれば、終日スケジュールが空いています」という言い方をすることがあります。とはいえ、たとえば夕方の18時などにアポイントを取るのはマナー違反です。
「終日可能」と言われた場合でも、一般には勤務時間内で調整するのがマナーです。また、よほど余裕がない場合を除き、出社後早い時間帯や昼時など慌ただしい時間帯も避けるようにします。
「終日」の類語や英語、「全日」との違いは?
「終日」という言葉を違う言葉で表すとしたらどういった言葉が適切なのでしょう。類語表現やその違い、英語の表現を紹介します。
類語は「一日中」や「四六時中」
「終日」の類語表現としては、一日中・四六時中などが挙げられます。「一日中」と言うと、朝起きてから夜寝るまで、というニュアンスが入り、「四六時中」というと24時間ずっとという意味が加わります。
また、難しいものでは「尽日(じんじつ)」という言葉があり、日がな一日という意味です。「一日中」に近い意味で使われます。
英語では「all day」
英語で「終日」というと「all day」という表現を使います。「I will be absent all day」で、終日不在です、という意味です。
「all day」以外にも、the whole dayやall through the dayという表現もあります。
「全日」は毎日続く場合に使う
「終日」と似た言葉に「全日」があります。「全日」とは、一日中(丸一日)・すべての日・一定期間のうちで毎日、といった意味です。中でも多いのが、「一定期間のうちで毎日」という意味での使用で、複数の日を指すというのが特徴です。一方の「終日」は、特定の一日のみに使うという点で異なります。
たとえば、「終日運行」というと始発から最終まで運行するという意味ですが、「全日運行」というと「土日祝日を問わず一年365日運行する」という意味です。
まとめ
「終日」という言葉は、本来、日の出から日没までを指す言葉でしたが、現代では活動時間や営業時間中はずっと、という意味で使用されています。ビジネスではスケジュール調整などでよく目にしますが、あくまでも勤務時間内を指す言葉というのがポイントです。日が昇っていても、勤務開始前は含まれませんので注意しましょう。