「モンテスキュー」の思想とは?著書『法の精神』や名言も紹介

モンテスキューの思想はフランス革命に影響を与えたことで知られています。ここではモンテスキューの主著『法の精神』と他の著書について解説し、モンテスキューの概要と名言も紹介します。



「モンテスキュー」とは?

モンテスキューの本名はシャルル=ルイ・ド・スゴンダ

フランスの哲学者であり啓蒙思想家であるシャルル=ルイ・ド・モンテスキュー(1689年~1755年)は、本名をシャルル=ルイ・ド・スゴンダといい、正確な名前は「シャルル・ルイ・ド・スゴンダ、ラ・ブレードおよびモンテスキュー男爵」となります。

モンテスキューはラ・ブレードを領有するスゴンダ家に生まれ、1716年に叔父の遺産としてモンテスキュー男爵領を継承したことから、ラ・ブレードおよびモンテスキュー男爵と呼ばれますが、哲学者としてはモンテスキューの名前で知られています。

モンテスキューはフランス革命の100年前に生まれた

モンテスキューは専制政治の病理を分析して批判しました。モンテスキューが生まれたのはフランス革命のちょうど100年前でした。

「モンテスキュー」の思想とは?

次にモンテスキューの思想について説明します。

モンテスキューの「三権分立論」はフランス革命に影響を与えた

モンテスキューは著書『法の精神』において法の原理を考察し、三権分立論を提唱しました。「立法・執行・司法」の三権分立論はフランス革命の理念やアメリカ独立の憲法思想に大きな影響を与え、現代においても再解釈されながら生き続けています。

また、権力分立論とともに「三つの政体論」もモンテスキューの思想として知られています。著書『法の精神』において「共和制」「君主制」「専制」の三政体についてその本性を論じ、政体の本性から由来する法について分析しました。

モンテスキューは「社会学の父」

モンテスキューは「三権分立論」の提示や「三つの政体」の分析の他にも、法律制度の原理を実証的に研究して社会科学研究の方法論を確立し、社会学の父とも呼ばれています。

「ルソー」は「直接民主制」や「人民主権」の思想で影響を与えた

モンテスキューは『法の精神』(1748年)の「三権分立」の思想で近代に影響を与えましたが、ルソーは『社会契約論』(1762年)において主張した「直接民主制」や「人民主権」の思想でフランス革命に大きな影響を与えました。

すなわちジャン=ジャック・ルソー(1712年~1778年)は、ホッブズのいう自然状態=戦争状態にとどまっていた社会を批判し、社会契約によって民主主義化される新しい社会状態の概念を創造しました。ルソーの思想は民主主義のバイブルとして、近代の政治思想や民主主義革命の政治運動に大きな影響を及ぼしています。

■参考記事
「ルソー」の思想とは?『社会契約論』『エミール』や名言も紹介
「ホッブズ」の思想と著書『リヴァイアサン』を解説!名言も紹介

「モンテスキュー」の著書を紹介

次にモンテスキューの主著について紹介します。

『法の精神』(1748年)

20年にわたって執筆されたというモンテスキューの主著が『法の精神』です。先に説明した「三権分立論」や「三つの政体論」の他にも本書には法事象に関する一大目録が収められ、それとともに奴隷制度の廃止や市民的自由の保持など社会改革の提言もされています。

『ペルシア人の手紙』(1721年)

『ペルシア人の手紙』は、ヨーロッパとアジアを往復する書簡体の小説によってフランスの社会と絶対王政を風刺・批判した書で、最初は匿名で出版されました。フランスの腐敗と混乱を書いた本書は驚異的な売れ行きを示し、本書によってモンテスキューの名は広く知られるようになりました。

『ローマ人盛衰原因論』(1734年)

『ローマ人盛衰原因論』の主題は、ローマの共和制が崩壊し、帝政にとって代わられた原因について考察されています。

「モンテスキュー」の名言を紹介

最後にモンテスキューの名言をその主著から紹介します。

今日われわれは、三つの異なった、ときには相反する教育を受ける。父の教育、師の教育、社会の教育である。最後の教育で教えられることは前の二つの観念のすべてを覆す。
※古代人の教育はのちに打ち消される点がないことに比較して述べられた言葉

政治体の統合とは、すべての部分が相互に対立しあっているように見えても、社会の公共善に向かって協力しているような調和からなるものである。それはちょうど音楽において、不協和音が全体の調和に協力するのと同じである。

もし統治にあたる人々が、命じることがらについて知識を増やし、また服従する人々が服従することに喜びを見出すようになるなら、私は自分を死すべき人間のうちでもっとも幸福な者と確信するだろう。

野蛮人は果実が欲しいと思うと木を根本から切り倒して果実をとる。これが専制政体だ。

極端に幸福な人間と、極端に不幸な人間は、ともに過酷となる傾向がある。修道僧と征服者がその証人だ。中庸と幸福・不幸の混合だけが、やさしさとあわれみを与える。

極度の服従は、服従する者の無知を前提とし、それは命令する者の無知をも前提とする。彼は検討し、疑い、理性を働かす必要はなく、望みさえすればよい。

まとめ

モンテスキューが20年の歳月を費やして執筆した『法の精神』で提唱した「三権分立論」は、本国フランスのみならず、独立革命から憲法制定にいたるアメリカにおいて、新共和国の制度設計に大きな影響を与えることとなりました。さらに国民の政治的自由を保障する近代民主政治における基本思想として、各国の近代憲法に影響を与えることとなったのです。