「アタッチメント」の意味とは?ビジネスから心理学まで解説

外国語がビジネスシーンでそのままカタカナ語として定着する例が増えていますが、「アタッチメント」もそのひとつです。心理学の分野では古くから使用されていましたが、近年では一般的なビジネスシーンでの使用も見られます。ビジネスから学術用語まで、「アタッチメント」の意味と使用例を紹介します。



「アタッチメント」の意味

「アタッチメント」というファッションブランドもありますが、そもそも「アタッチメント」とはどのような意味なのでしょう。

英語の「attachment」が語源

日本語で使われている「アタッチメント」は、英語の「attachment」に由来します。「attachment」は名詞で、取り付け・付属物・愛情などといった意味の言葉です。動詞は「attach(取り付ける・くっつく)」を使用します。

取り付け・付属品という意味

日本語の場合も、英語の本来の意味とほとんど変わらず、取り付け・付属品という意味で使用されています。特に、取り付けることで機能を追加したり、変更したりするものへの使用が目立ちます。

たとえば、掃除機のヘッドに取り付け、細かい部分を掃除するための部品も「アタッチメント」のひとつです。

愛情・愛着という意味もある

英語の「attachment」がそうであるように、日本語の「アタッチメント」も愛情・愛着という意味で使用されることがあります。赤ちゃんが主に自分のお世話をしてくれる人(母親や保護者)に「取りつくこと」のように信頼を覚える、というのがその由来です。

ビジネスにおける「アタッチメント」

「アタッチメント」は一般的なビジネスシーンではどのように使われているのでしょう。使い方と使用例を紹介します。

「付属品」「後付け部品」という意味が一般的

「アタッチメント」は業界を問わず、「付属品」という意味で使われています。「アタッチメントを使用する」「新たにアタッチメントを開発する」といった使用が可能です。

また、他社製品にも使える互換品などを指して「アタッチメント」ということもあります。何らかの機能を追加・変更してくれるもの、という意味は同じですが、この場合の日本語は「付属品」ではなく「後付け部品」「交換用部品」などという言い方が適切です。

添付ファイルも「アタッチメント」と呼ぶ

ビジネスでの使用例としては、「アタッチメントファイル」という言い方もあります。これは、メールの添付ファイルを指す言い方で、英文メールでは日常的に使われる表現です。

英語では、「open an attachment(添付ファイルを開く)」や「Please refer to the attached document(添付資料を参照してください)」という風に言います。

心理学における「アタッチメント」とは?

「アタッチメント」には愛情・愛着という意味があることは先にも少し触れました。この愛情・愛着という意味は、心理学の分野で主に使用されていて、保育や虐待防止など様々なシーンで重視されています。

心理学では「心の深い結びつき」のこと

心理学で「アタッチメント」とは心の深い結びつきを意味する言葉として使われています。赤ちゃんが乳幼児期に母親など最も身近に居てお世話をしてくれる人と一緒に長い時間を過ごすことで、「アタッチメント(深い結びつき)」を形成するとされています。

この「アタッチメント」に関しては、発達心理学の専門用語として1960年代に「アタッチメント理論」として誕生しました。

「アタッチメント」は絶対的信頼へ

赤ちゃんの間に形成される、無条件に受け入れられた・愛されているという「アタッチメント」は、保護者(養育者)との絶対的な信頼関係へとつながります。赤ちゃんが家族の顔を見て笑ったり、姿が見えずに泣いたりするのは「アタッチメント」が形成された証とされています。

その一方で、何らかの原因で「アタッチメント」が不十分な場合には、赤ちゃんが保護者になつかず、そのせいで保護者本人もかわいくないと否定的な感情に結び付く懸念もあるようです。「アタッチメント不足」が虐待につながる、という主張もあります。

愛着の崩壊で起きる「アタッチメント障害」

「アタッチメント障害(愛着傷害)」とは、虐待やネグレクトなどによってアタッチメントが形成されなかった子どもに見られる症状を指す言葉です。たとえば、衝動的・反抗的・破壊的行動などがあり、表現力や自尊心の欠如や人づきあいが苦手、というのも「アタッチメント障害」の傾向と言われています。

「アタッチメント障害」は、より良い環境・適切な環境で養育することで、改善の兆しがみられるのも特徴です。

保育でも「アタッチメント」は重視される

子どもの身近に居る存在・長い時間を共に過ごす存在という意味から、保育の現場でも「アタッチメント」は重視されています。子どもが信頼できる先生とともに過ごすことで、園の内外を問わず安心した生活につながります。新しいことにチャレンジしたり、意欲的に取り組んだりといった成長の糧になるのも、先生との「アタッチメント」が関係しているというわけです。

歯科でも「アタッチメント」は使われる

付属品という意味の「アタッチメント」は業種を問わず使用できる表現ですが、とりわけ歯科分野では異なる意味を持ちます。

歯科では義歯の一種を指す

歯科で「アタッチメント」というと、義歯のことで、とりわけ永久磁石を使用した義歯を指す言葉として使用されています。留め具がないのが一番の特徴で、見た目が良いことはもちろん、歯に負担をかけずにしっかり噛めるなどの利点があります。

歯周ポケットの距離「アタッチメントレベル」

歯科分野では「アタッチメントレベル」という言葉も使われています。歯周ポケット(歯と歯茎の間にある溝)の深さを示す言葉で、歯周ポケットにプローブと呼ばれる器具を挿入した際の距離の長さが「アタッチメントレベル」です。

「アタッチメントレベル」の変化は治療の効果をはかる数値としても使用されます。

まとめ

ビジネスにおける「アタッチメント」は付属品・後付け部品などという意味で使われるのが一般的です。一方で、乳幼児虐待の背景には「アタッチメント(愛情・愛着)」の欠如があるといわれています。「アタッチメント」は、社会問題に関する重要キーワードとしても記憶しておきたい言葉です。